大映女優・松尾親代さんのこと。

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　↑当時売出し中の女優さんたち・・・。
　　　　　　　　　　　　　　右端が松尾親代さん、左から５人目は市田ひろみさん、
　　　　　　　　　　　　　　　９番目が八潮悠子さん、10番目は金田一敦子さん。　


　　　　　　　全国的に吹きまくった春の嵐も通り過ぎて、各地から桜満開のニュースが
　　　　　　　相次ぎ心が弾みます。

　　　　　　　さて私はご存知のように大映のＯＢであり、大映マークが無くなった今でも
　　　　　　　バッジを今でも付けている気持ちを持っています。
　　　　　　　世間的に大映は永田ラッパが率いる一風変わった映画会社という印象が
　　　　　　　強いのですが、色んな誤解も多いので、私は微力ながら大映や永田雅一
　　　　　　　社長のことを改めて知っていただこうと、ブログで「永田雅一氏のこと」とか
　　　　　　　「大映株式会社宣伝部」などを連載で書かせていただきました。

　　　　　　　その中で福岡県は飯塚市出身の大映女優だった松尾親代さんのことを綴
　　　　　　　った項目がいくつかあります。
　　　　　　　彼女は「日本橋」で山本富士子の同僚で出演をしているほか、いくつかの
　　　　　　　作品があるものの、器用な女優さんではなかったので出演数が減り、仕事
　　　　　　　がないときは飯塚に帰っているという状態だったのです。

　　　　　　　故・根上淳さんが私と仲良くしていて、彼が私に「松尾くんが飯塚に帰って
　　　　　　　いるので、寂しいだろうから時々遊んでやってくれ・・・」で、福岡に呼び出し
　　　　　　　ては会うようになり、私の仲間も加えて、楽しい時間を過ごした思い出があ
　　　　　　　ります。

　　　　　　　今から思えば福岡と飯塚の間にまたがる八木山峠には、まだバイパスがな
　　　　　　　い時代でしたから、一時間以上もかけて彼女は福岡に来てくれていたのだ
　　　　　　　なーと、今ごろになって申し訳ない気持ちが湧いてきます。とても気立ての
　　　　　　　いい美人女優さんでした・・・。
　　　　　　　大映が倒産しなければ、私たちはもっとお付き合いいたかもしれませんが、
　　　　　　　大映倒産が私たちを引き裂きます。

　　　　　　　大映をやめた私は東京・大阪・広島で仕事をして、大映倒産時にいた福岡
　　　　　　　へまたご縁があって戻ったのです。
　　　　　　　さらにご縁があって、飯塚市にあった住宅会社の社長をやることになり、
　　　　　　　３年間毎日、福岡から飯塚に通いました。その時に松尾親代さんの消息を
　　　　　　　求めて探しまくったのです。
　　　　　　　時間が経過していることもあり、なかなか消息がつかめず、そこに映画女
　　　　　　　優をしていた人がお店をやっていたが交通事故で亡くなった・・・という話を
　　　　　　　聞き込み、愕然としたのでした。
　　　　　　　それから私のブログに、時々彼女の名前が出るようになった次第なのです。

　　　　　　　ところがところがですよ、過日、松尾親代さんの娘さんから連絡を受けま
　　　　　　　した。
　　　　　　　娘さんは結婚されて子どもさんも居られるのですが、お母さんが女優だった
　　　　　　　ことを最近まで知らなかったそうです。
　　　　　　　育児に手がかからなくなっのでお母さんのことを調べていて私のブログに
　　　　　　　遭遇、お知らせを下さったのです。
　　　　　　　亡くなったとばかり思っていたので驚きました。

　　　　　　　私が知っていた情報とは異なり、松尾親代さんはその後結婚されて神奈川
　　　　　　　県や東京に住まわれ、去年の１０月１９日に７５才で亡くなられたとのことで
　　　　　　　した。
　　　　　　　彼女はとても寡黙な母親で、過去の話は一切しなかったそうです。

　　　　　　　これが人とのご縁であり運命なのでしょうが、とても幸せに暮らされ、立派
　　　　　　　なお嬢さんを育てられた事を知り、良かった良かったの思いで一杯です。
　　　　　　　どうか松尾親代さん、安らかにお眠りください。
　　　　　　　いつかお墓に参らせていただきます・・・・・・合掌。

　　　　
　　　↑親代さん。右の写真で松尾さんと私に囲まれているのは、当時西鉄ライオンズの島原投手。　　　　　　　　

　　　　
　　　　　　　↑こうやって私がいた九州支社に良く来ていた松尾親代さん。