俳優だけではなく「メン・アット・ワーク」「ボビー」などで監督としても活躍する
エミリオ・エステベスが、監督としての5作目は実父で「地獄の黙示録」など
の名優マーティン・シーンを主演にして、息子を亡くした初老の男の聖地巡礼
の旅を描いたヒューマンドラマです。
アメリカ人の眼科医トムは、ひとり息子のダニエルが、スペイン北部ガリシア
地方にあるキリスト教三大聖地の一つ、「サンディアゴ・デ・コンポーラ」を巡
る旅の途上で不慮の死を遂げたとの報せを受けます。
妻の死後、疎遠になっていた息子が、どうして聖地巡礼の旅に出たのかを
知るため、トムは亡き息子の遺灰を持って足跡をたどることにしたのです。
徒歩で2~3ヶ月に及ぶ道のりを歩くうち、妙に気が合う男女3人の仲間が同
行するようになり、それぞれが自分を見つめ、人生を考え直すチャンスに出会
うのでした・・・。
エステベスが監督とプラス息子ダニエルに扮し「THE WAR 戦場の記憶」(19
96)以来となる親子役での共演が実現しています。
私も去年の暮れにスペイン旅行をしましたが、映画の中に出てくるスペイン北
部の風景は実に素敵で、たっぷり見せてくれますし、同行する3人の仲間の
存在がこれまた中々乙で面白いです。
それでもあまり起伏がない展開なので、退屈する方も居られると思いますが、
根本的に製作者の感性が日本人のそれに似通っていて、私は妙に共感を覚
えました。
つまり私の好みの一本になったのです。一人でも多くの同好者を募りたいと
思う一本でもあります。
(8/13 大洋映劇 4日目 15:00の回 36人)
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