時代は1914~41年。貧しい日本を飛び出してカナダに渡った日系移民たちの
中から、アマチュア野球チーム「バンクーバー朝日」を結成して活躍、2003年
にカナダ野球殿堂入りを果たした実話を映画化した作品です。
1900年代初頭、新天地を夢見てカナダへと渡った多くの日本人が、過酷な肉
体労働や貧困、差別という厳しい現実に直面します。そんな時期、日本人街
に誕生した野球チーム「バンクーバー朝日」は、白人チーム相手に負け続け、
万年リーグ最下位でした。
ある年、キャプテンになった笠原(妻夫木聡)は、偶然ボールがバットに当たっ
て出塁したことから、バントと盗塁を多用するプレースタイルを思いつきます。
その戦法は「頭脳野球」と呼ばれ、同時に正々堂々と戦い抜く彼らの姿は、日
系移民たちに勇気や希望をもたらすばかりでなく、白人社会からも賞賛と人気
を勝ち取って行きますが・・・。
監督は「舩を編む」の石井裕也。主演は妻夫木聡のほか、亀梨和也、勝地涼、
上地雄輔、池松壮亮がチームメイトを演じ、高畑充希、佐藤浩市、宮崎あおい、
貫地谷しおりらの豪華共演陣です。
それでもあまり評判が良くなかったので、見ないつもりでしたが結局見ました。
まず最近では稀にみる退屈な映画です。ご贔屓の石井監督に望みをかけてい
たのですが、まるで別人のように切れ味の鈍い演出です。一番悪いのは脚本
で、「八日目の蝉」を書いた同じ人とは思えないくらい展開がぬるいので、これ
では面白いお話になる筈はないし、これに対しても監督として手を入れていな
いのが大不満です。
バンクーバーの雰囲気も出ていないし、俳優の使い方も悪く、ほとんどの俳優
が生かされていません。かろうじて合格点は高畑充希くらいでしょうか。
もう一つ褒めたいのは撮影で、さすが新進気鋭の近藤龍人だと感心しました。
この後「アゲイン 28年目の甲子園」「KANO 1931海の向こうの甲子園」を見てい
ますが、同じ野球を扱った作品なのに少しは見習って欲しいです。
「バンクーバーの朝日」は思い出しても情けなくなります。
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