映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「バンクーバーの朝日」

2015年01月27日 | 日記

   

     時代は1914~41年。貧しい日本を飛び出してカナダに渡った日系移民たちの
     中から、アマチュア野球チーム「バンクーバー朝日」を結成して活躍、2003年
     にカナダ野球殿堂入りを果たした実話を映画化した作品です。

     1900年代初頭、新天地を夢見てカナダへと渡った多くの日本人が、過酷な肉
     体労働や貧困、差別という厳しい現実に直面します。そんな時期、日本人街
     に誕生した野球チーム「バンクーバー朝日」は、白人チーム相手に負け続け、
     万年リーグ最下位でした。

     ある年、キャプテンになった笠原(妻夫木聡)は、偶然ボールがバットに当たっ
     て出塁したことから、バントと盗塁を多用するプレースタイルを思いつきます。
     その戦法は「頭脳野球」と呼ばれ、同時に正々堂々と戦い抜く彼らの姿は、日
     系移民たちに勇気や希望をもたらすばかりでなく、白人社会からも賞賛と人気
     を勝ち取って行きますが・・・。

     監督は「舩を編む」の石井裕也。主演は妻夫木聡のほか、亀梨和也、勝地涼、
     上地雄輔、池松壮亮がチームメイトを演じ、高畑充希、佐藤浩市、宮崎あおい、
     貫地谷しおりらの豪華共演陣です。
     それでもあまり評判が良くなかったので、見ないつもりでしたが結局見ました。

     まず最近では稀にみる退屈な映画です。ご贔屓の石井監督に望みをかけてい
     たのですが、まるで別人のように切れ味の鈍い演出です。一番悪いのは脚本
     で、「八日目の蝉」を書いた同じ人とは思えないくらい展開がぬるいので、これ
     では面白いお話になる筈はないし、これに対しても監督として手を入れていな
     いのが大不満です。

     バンクーバーの雰囲気も出ていないし、俳優の使い方も悪く、ほとんどの俳優
     が生かされていません。かろうじて合格点は高畑充希くらいでしょうか。
     もう一つ褒めたいのは撮影で、さすが新進気鋭の近藤龍人だと感心しました。

     この後「アゲイン 28年目の甲子園」「KANO 1931海の向こうの甲子園」を見てい
     ますが、同じ野球を扱った作品なのに少しは見習って欲しいです。
     「バンクーバーの朝日」は思い出しても情けなくなります。

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