今月は何かと雑用に追われ、中々時間が取れなかったのですか、やっ
との思いで博多座大歌舞伎の夜の部に参上です。
東京の歌舞伎座が新築工事中のこともあって、ここ博多座は今年は4
回の歌舞伎公演となりました。
六月は人間国宝/文化勲章授章者/芸術院会員という凄い顔ぶれになり
ました。
坂田藤十郎・尾上菊五郎・松本幸四郎の三人が顔を揃えるのは博多座
が開場して12年になりますが、勿論初めてです。
昼の部は未見ですが、「矢の根」は若手・松緑が中心の歌舞伎十八番
らしい荒事中の荒事。「加賀鳶」は善悪二役の幸四郎。「身替座禅」は
菊五郎・左團次の共演で、改めて観ることが出来たら感想をアップさ
せていただきます。
私が選んだ夜の部は、まず幸四郎が大石由良之助で貫禄を見せる「仮名
手本忠臣蔵七段目」が面白いし、梅玉・魁春の兄弟顔合わせもとても珍
しいものでした。
次の「英執着獅子」は夜の部一本にしぼった藤十郎の石橋もので、前半
を姫、後半を獅子の精と二役を踊りました。
あの激しい首ふりは傘寿の藤十郎さんにとって大変だったと思いますが、
健在そのものでした。
ラストは菊五郎の「魚屋宗五郎」で、酒乱の主人公という河竹黙阿弥の
生世話ものを、実に楽しい舞台を観せてくれました。
といったところで博多座の次回お楽しみは、11月の「団十郎・海老蔵」の
親子共演です。
海老蔵事件で一時オクラになっていた映画「一命」の年末公開も決まり、
博多座でも海老蔵の復帰公演は大きな話題になると思いますし、期待も
したいと思っています。