今日は、ワクチン3回目。
どうなることか。
天気がいいのは救い。
本書は、本屋で見つけた。
WAC社ということで、?ではあったが、ゲット。
著者は、理系の技術者の方のようだが、今は、古代史研究家。
本書は、元々2017年に出版されていたが、リニューアルされ、今年出た。
徹底した、朝鮮蔑視、欧米憎しの部分については、その書き振りが残念だが、古代史の部分については、面白い内容だった。
ポイントは、神武東征の有無。
神武東征はあったとし、その時期は、紀元前とする。
その心は、難波のルートは、紀元後には、狭くなり、通れなくなっていたはずである点。
これは、地質調査からわかるのだという。
紀元前と言っても、紀元前600年とするのではなく、記紀に記された天皇の在位年代を、ほぼ半分にして計算する。
この計算方法については、別の本でも読んだことがあり、全く根拠がないものではない。
アマテラスの日食の話を、紀元後の根拠とする説もあるが、その日食は、近畿や、九州からは、部分日食だったそうだ。
この話も、始めて聞いたが、面白い。
次は、邪馬台国の場所。
有明海に面した場所と考える。
その一つの根拠は、入れ墨。
当時の入れ墨文化は、九州が中心で、近畿にはその痕跡がほとんどない。
もちろん、韓国から邪馬台国へのルートからも、説明可能。
邪馬台国の場所については、結構支持できる。
邪馬台国は、大和朝廷が、東遷後、全国統一を果たしたのに対し、衰退していったものと思われるし、中国に残る断片的な記録もそれを裏付ける。
既存の諸説についての、批判も手厳しい。
これは、一理あるところで、冷静に議論すれば、さらなる議論の発展も期待できる。
戦後、敗戦により、日本の伝統が破壊されていく中、まともな議論ができなかった時代があった。
その流れを変えられずに、その議論に乗っかった議論が多く、核心を避ける議論が横行しているというのは、著者の指摘の通りかと思う。
都合のいいところだけ取り出し、都合の悪い部分には触れない議論。
有識者の説というだけで、基本を無視したかなりお粗末な議論がまかり通っていることもある。
証拠が少ない時期のため、推理したことがそのまま歴史のように語られてしまう。
古代史の本は、批判的な目を持ちながら読むことが必要だということだ。