かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

宮脇昭さん

2007年11月19日 | Topics
宮脇昭さんの話を聴く機会があった。

宮脇さんは、知る人ぞ知る、植林の権威だ。昨年、地球国際環境賞『ブループラネット賞』も受賞されている。宮脇さんの植林は、宮脇方式と呼ばれ、今や、世界中から、引っ張りだこ。先日、Yゴムの全工場で、50万本の植樹を行うとの記事も見た。植樹は、最後は手作業だから、一人50本植えたとしてても、延べ1万人が植樹を行うことになる。宮脇さんは、1960年代からこの植林活動を始め、多くの森を再生してきた。単なる環境運動家ではなく、横国の教授として、多くの研究活動、教育活動にも携わってきた。

宮脇さんの植林は、まず、そこに、元々何が生えていたか(本来の植生)を調べることから始まる。何を植えたいかではなく、何があったのかが基本だ。そして、その設計図が、できたら、種を集めて、苗を育てる。そして、市民参加型の植樹イベント。定期的にチェックをし、数年もすれば、自然林が再生されていく。

考えて見れば、日本には、古来より、鎮守の森があった。そこには、神社があり、アンタッチャブルであった。実は、そこが、災害時に村々のラストリゾートとして機能していた。大災害(神戸震災や、三原山の噴火)の時、避難場所になったり、最初に再生するのは、自然の森だ。本物の木は、長持ちするし、早く再生する。その森を再生しようとするのが、宮脇さんの活動だ。

宮脇さんの活動は、単なる自然林の再生ではなく、命を残す活動、命を守る森作りという哲学に基づいている。スライドを駆使しながらの怒涛のような講演は、説得力大だった。

最後に薀蓄を少し。

1、日本の古来の森の様子を調べ上げて十巻の本にまとめられているが、今日本人の90%以上が住んでいる地域は、元々は、常緑広葉樹が生えている地帯であった。シイ・タブ・カシである。そういえば、昔は、どんぐりがたくさん落ちていた。
2、木を育てる時は、頭を切ってはいけない。横は、切っても大丈夫。
3、公園は、本来、森からなるべきもの。我々がいだく公園のイメージは、放牧で丸裸になった荒野だ。

エコは、ファッションではなく、必然だ。
コメント
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