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湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

バンガード社のグローバル株式ETFを全部売却@鎌倉七里ガ浜

2020-09-12 14:44:02 | モノ・お金
金融市場がなんだか気持ち悪い。まあ、いつも気持ちが悪いものであって、決して落ち着く時なんてないのが市場だけれど。

私が5年ほど保有してきた米国バンガード社のグローバル株式指数の米国ドル建てETF(ETFとは株式のように証券取引所に上場された投資信託で、株式同様取引時間中の値動きもある)は、直近の1年間にご覧のような値動きを示した。単位は米国ドルだ。



米国の株式市場と同じような動きである。グローバル株式指数も時価総額で行くと6割近くが米国株式で占められているからね。今年2月に史上最高値をつけたあと、COVID-19が恐ろしくなりわずか1か月強の間に4割ほど暴落。ところが3月下旬には相場が早くも底を打ち、その後は「あれ?あれ?まだコロナが怖いのに・・・世界経済はこれから落ち込むのに・・・」なんて言っているうちに、いつも先読みする株式市場は順調に回復。私は4月初旬にこのETFを買い増したがその後は何もできず、今月に入ってこのETFは史上最高値を更新してしまった。

「いくらなんでも高過ぎるだろう。回復も素直すぎて早すぎるだろう」と多くの人が感じたのだろうけれど、緩々の金融政策と社債まで買い入れて景気や労働市場への悪影響を緩和するためなら何でもする勢いの米国の金融政策や、ワクチンの早期開発に期待もかかって、相場は堅調に推移して来た。6月に少し足踏みしたくらいで、過去に例を見ない順調な回復ぶりだ。

ところが私の持っているこのETFの相場回復なんて、とてもかわいらしいものなのだ。ご存じAmazonなんて企業の株式は、遥かにすごい。私のETFとAmazonを並べてみましょう。同じ直近1年間。ただし比較のため、どちらも1年前の水準を100に変換した。



ブルーの線がAmazonでグレーの線が先ほど説明したばかりの私のETFだ。コロナ禍でますます重宝がられ、災い転じて福みたいなAmazonの株価は、3月に一足先に下落から抜け出し、その後はどんどん上昇。ご覧のような状態になった。

上がるのはめでたい。しかしとにかくちょっと気持ち悪い。

次々と高値を更新し、9月2日に史上最高値をつけた私のETF(↓)が翌3日から下げ始めた。



9日にはいったん戻したので、私はこのETFを全部売却することにした。10日に全額売却を成り行き(=特に価格は指定しない売り方)で野村證券に依頼。野村證券がその日のニューヨーク市場の寄付き(=市場開始時)で全額売ってくれた。↑のグラフで赤い丸がその売却価格で、82.19ドルだ。さすが世界のノミューラ。きちんと取引執行。

さようなら、私のETF。5年もの長い間お世話になった銘柄。

次に、現在も持っている日本株式の投信をどうするか?という問題が残る。日本の株式もグローバル株式と同じく、米国の株式とかなりの相関係数にあって、日々、月々、年々、同じような方向を向いて動く。米国の株式が高過ぎると思うなら、日本の株式も手放すのが筋でしょう。有名なダウ平均(米国)と日経平均(日本)の2020年初から一昨日までの過去20年の月次リターンを取り出して来て計算してみたら、両者の相関は60%強となった。結構相関が高いね。

その20年前の両者の水準を100に変換して、相関が高い両者の同期間のパフォーマンスをグラフで出すとこんな具合になる。



つまり、過去20年の間、日本株式は米国株式を真似るようにして一緒に上や下の方向に動いているが、平均して米国の方が日本よりもプラスに遥かに大きく動くので、長期的な累積リターンの差は歴然。米国は日本の2倍以上のパフォーマンスを達成している。もしこれを20年ではなく30年で計算し直すと、もっとすごい差がつく。為替相場は考慮していないが、それを考慮しても同じような話だ。

● 成長しない国の株式市場って難しいねえ。日本の出生率は下がり移民も受け入れないので人口が減り、労働生産性も上昇しないので、それじゃGDPは成長しないし、税収も増えない。
● スガちゃんが消費税はいつか上がらざるを得ないと言うが、今後何も良いことが起こらなければ、遠い将来そうなるのは必至だ。
● さもなければある日突然S&PやMoody'sによる日本の格付けが下がり始めるだろう。その時円金利は急騰し、為替市場で円が急落し、日本の株式も急落するし、日本だけの独自な景気後退がやって来る。
● その時に身を守るには外貨資産を保有するしかない。だから外貨資産をゼロにするのは良くないのだ。ということで、今回ドル建てETFは売却するが、ドル建てヘッジファンドや英ポンド建て不動産ファンド等を、私は今もしっかり持っている。

将来ありうるそんな危機から日本を救う手段があるのはわかっているのに、将来はいいから今しばらくは(=自分の人生の間は)現状に甘んじていたい勢力があちこちにあって、全体の効率は改善されない。ゾンビのような企業や、農業・建設の族議員とその支持団体。年金受給者と厚労省とその族議員。みんな今まだ辛うじて存在しているモノの先取り、分捕り合戦だ。役所から民間までデジタルが苦手あるいは嫌いな経済大国。電子マネーが嫌い、紙とハンコの契約書が大好き、ファックス大歓迎・・・。これでは国民一人当たりの所得など、ルクセンブルクやシンガポールのようには上昇しない。今はまだ良くても、若い世代が気の毒である。エズラ・ボーゲル氏が「Japan as No.1」と言ってからわずか40年ほどだが、その優等生はこのままではかなりの劣等生になってしまう。水準はまだ相対的に高いけれど、少なくとも下落のスピードはかなりの速さである。気を付けましょう。
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16 コメント

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Unknown (木嶋)
2020-09-12 15:23:46
こういうのを投資と言うのでしょうね。訳もわからず頻繁に買ったり売ったりせず、成長すると信じるところにどっぷりと浸り、放置。やがてこれは変と何年かあとに思い売却。真似したいと思います。
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Unknown (としろう)
2020-09-12 16:15:10
おちやさんに海外のETFを教わりました。圧倒的に安いコスト。国内投信のノーロード以外のものを買う気がなくなりますね。私も次回やってみます。

日本の鈍さはどうすれば治るのでしょう、、、
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Unknown (ごろう)
2020-09-12 17:42:11
投資でなく投機ですね。
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Unknown (えばら)
2020-09-12 18:03:38
ご無沙汰でーす。
機関投資家もそのポートフォリオで短期トレーディングを大量にやりますし、長期投資家の年金基金もヘッジファンドに投資し、そのヘッジファンドは日々のトレーディングを大量に繰り返すのですから、もはや投資も投機も厳密には区別がほぼ不可能。

おちゃさんのはかなり長期の視点から、個別銘柄ではなく市場全体の成長にかけるものと見てましたが、違うのですか?
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Unknown (おちゃ)
2020-09-12 21:29:23
木嶋さん

売ったり買ったりは難しいですね。成功もあれば
失敗も多くて、私には無理です。これも株式指数
のETFを買ってたまーーに買い増して、5年ほど。
お気楽な話です。
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Unknown (おちゃ)
2020-09-12 21:30:41
としろうさん

ETFのコストは低いですね。日本で設定された
多くの投信よりはかなり安いです。
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Unknown (おちゃ)
2020-09-12 21:31:17
ごろうさん

そうかもしれませんね。両者の区別は難しいです。
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Unknown (おちゃ)
2020-09-12 21:35:46
えばらさん

こちらこそご無沙汰です。あーおっしゃる通りです。
年金基金等長期運用の投資家からは、一昔前なら
バカにされたような運用手法も今ではなんでも
ありの時代です。昔なら毎月のリターンがどうだ
なんてこともあまり言わなかった。しかし日本の
機関投資家の世界も、途中から、たぶん30年
ほど前からインデックス運用が加わりはじめ
20年ほど前からヘッジファンドが加わり、
もはやなんでもあり。でご指摘の通り、私のは、
成長する市場に入れて長く放ったらかし・・・(笑)
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Unknown (鎌倉山のおじさん)
2020-09-13 04:08:32
常に落ち着かないものです。私なんか自信を持って買えたためしがなく、いつもおっかなびっくり。5年なんて期間で何かを持ったことは一度もないです。
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Unknown (おちゃ)
2020-09-13 14:48:42
鎌倉山のおじさん

誰も100%の自信をもって買える時などないし
買って運よく上がったら、じゃあいつ売れば
いいのよ? なんてことばかりですね。

5年もったこのETFはまだ短い方です。
今度は日本株投信をどうするか?  
それで悩みそうです。
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