「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

Paddington Station Clock

2009-03-29 09:54:25 | 内装・インテリア
現在英国政府は「Visit Britain」キャンペーンを推進中である。GDPに占める金融セクターの割合が大国の中では群を抜いて大きい同国の通貨であるポンドは、金融危機以降他の先進国通貨に対し下落を続け、歴史的安値を記録した。したがって外国人が英国旅行をすると、その滞在費も買い物代金もおみやげ代金も皆格安に感じられる。同国政府はそれがおかれた経済的逆境をも利用する商魂逞しいキャンペーンを行っているわけだ。日本においても全国紙に大きなキャンペーン広告を掲載した。

私も大いに興味をそそられたが、時間もそして安いとは言え、なによりお金もかかることから、英国旅行の楽しみは来年以降にとっておくことにした。しかしポンドの下落から得られる外国人としてのメリットは享受してみたいので、通販で買い物をした。それがこの壁掛け時計で、Paddington Station Clockと呼ばれている。壁掛け時計を買うのはなんと20年ぶりのことだ。注文したら1週間ほどで我が家に到着した。ちょっとした作業を経てダイニングの壁のかなり上のところに収まった。この時計は少し大き目である。直径が40cm近くあり、厚みが7cmほどもある。

  

パディントン駅はロンドンの交通の要所である。アガサ・クリスティの推理小説のファンなら彼女の代表作のひとつ「パディントン発4時50分」をご存じであろう。ここを出た列車は西へ向かう。アーサー王伝説で有名なコーンウォール等のイングランド南西部、あるいは素朴さが心に浸み入るウェールズに向かう列車は皆この駅から出る。また数多くの地下鉄線もここに駅を設けている。加えて言えば「クマのパディントン」のストーリーでも有名である。駅内はご覧のとおり、英国らしい立派な景観を呈している。私もかつて通勤で週日は毎日セント・パンクラス駅を使っていたが、ちょうどこんな感じであった。これくらいの駅になると、毎日利用することが楽しみにすらなるものである。背筋を伸ばして歩かなければ、という気にさせられる。

私が買った壁掛け時計はPaddington Station Clockと言ってもおもちゃみたいなものだが、画像の左端に立派な本物のPaddington Station Clockが写っている。デジタルにしないところが良い。このまま変わらなければいいが。


Source: PhotoEverywhere.co.uk

さて、我が家の壁掛け時計の細部を見てみよう。まずは「Paddington Station Clock」とあるが、ひとつひとつの文字の太さの不均一なところや、フォントにシャープさがないところが大変古めかしい。その上には「GWR」とある。Great Western Railwayの略称である。かつてイングランド南西部やウェールズに向かう鉄道の運営をしていた企業の名前だ。第二次大戦後になってBritish Railwaysに吸収されて今に至るが、昔の「GWR」のロゴを描いてあるところがなんとも芸が細かい。



さらに下に移るとねじ巻き穴がある。この時計は電池式時計である。単三電池ひとつで長年動き続ける時計なのだからして、ねじはないのだから、ねじ巻き穴などまったく不要なのだが、意図的にねじ巻き穴が設けられていてますます芸が細かい。いいでしょう? その下には「Thomas Kent」とある。この壁掛け時計のシリーズにはいくつか同様な時計があり、皆「Thomas Kent」と呼ばれるのだが、では「Thomas Kent」とは何か? それがまたなんともシャレているのだ。以下は私の推測である。



この時計のメーカーは Art Marketing Limited と言い、その所在地はロンドンの北にあたるハードフォードシャーを代表する街 St Albans (下の地図の赤字)である。St Albansは歴史的な立派な街だ。ローマ人がイングランドを支配していた頃、多くの軍道が直線的に造られたが、そのひとつであるWatling Streetはこの St Albans を通っている。緩やかに曲がる道路が魅力的な英国においてやたら直線的な道路はたいていローマ人がつくったものであり、武田信玄の棒道と同様である。どこの国でも軍人にはあまり芸術的センスがないらしい(現在私が住む西武七里ガ浜住宅地もなぜか道路のつくりが残念ながらローマ的であり信玄的である)。St Albans は駅で言うと、かつて私が住んでいた街の駅(Elstree & Borehamwood)から2つ北方に行った所だったから、よく遊びに出掛けたものだ。

この St Albans の19世紀の市長の一人の名が Thomas Kent なのである(下右画像)。さらに St Albans と言えば有名なのが時計塔である。500年以上前の歴史的建造物である時計塔は、今も中を見学することが出来る。Thomas Kent という名はメーカーの所在地である St Albans を想起させ、そして St Albans と言えば時計塔へと連想が広がるわけで、なかなか良いネーミングだと思う。

  

英国の交通機関は面白い。ロンドン・トランスポートはポスターのリプロを販売している。以前紹介したものだが、これはロンドン動物園のペンギンを題材にしたものである。ペンギンの体の柔らかさがうまく表現されたCharles Paine氏の「For the Zoo」と呼ばれる1921年の作品だ。地下鉄は彼の地では「Underground」あるいはもっとくだけて「Tube」と呼ばれる。決して「Subway」ではない。毎年地下鉄沿線の観光スポットが美しいポスターになる。発表後何年か経てば、オリジナルはかなりの高値で取引される。私のはリプロなので2,000円ほどで買えた。



最後にバスとタクシーもどうぞ! ヒースロー空港で買ったミニカーだ。



今回の大きな壁掛け時計、Paddington Station Clockは今なら邦貨で10,000円もしない。チャンスだ。あなたも英国政府の「Visit Britain」キャンペーンに買い物だけでも乗ってみませんか。


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春とは言えうすら寒い鎌倉山を犬と散歩する

2009-03-28 09:45:29 | あちこち見て歩く


七里ガ浜の自宅から北にまっすぐ上がるとそこは鎌倉山である。上の画像はなんとなくリヴィエラ風の一角を撮影したもの。携帯電話でパチリと撮影。リヴィエラの住宅街には電線はないだろうが。言っておくがリヴィエラなどに私は行ったことがない。フランスでは滞在したことがあるのはパリに4回、ナンシーに1回だけだ。それ以外は通過したことがある街がいくつかあるくらいだ。

ここをスタスタ通り過ぎて行くと、ジャーン!コンクリート要塞だ・・・じゃなくって新規開発の造成地があり、ほぼ完成している。ご担当の熊谷組さんあるいは下請け会社さん、御苦労さま。鎌倉山から相模湾を見下ろす山の風景が一変し、一挙にコンクリートの白さが眩しい7区画の分譲区画、アスファルト道路、駐車場、植栽部分と水道のタンクに生まれ変わってしまった。分譲地1区画平均の面積が90坪くらいのようだ。売り出し価格はまだわからない。区画によりかなり有利不利がある。1区画を除いて、すべての区画が道路からかなりの段差を登らなければ自宅に入ることは出来ない。私の推測では一番安い区画で7500万円、高いのが9000万円か。



山がスッポリとなくなったことも残念だが、この7区画のための巨大な水道タンク(と私は推測する、画像左端)が、分譲地前の道路際の最も目立つところに設置されたことが悲しい。私は開発者のセンスのなさを嗤う。なにせこのタンクは分譲地そばを通るあらゆる人の視界を遮り刺激するがごとく大きく醜悪な物体である。例えて言えば、戸建て住宅の門柱脇にプラスチック製特大ゴミ箱を30個ばかり人の身長以上に積み上げてその周囲を無粋な金網で囲ったような状態なのだ。

この横を毎日通り抜けることになるこの分譲地の住人にとっても、前を通るただの通行人にとっても、なんとも目障りとなることは必至だ。鎌倉市役所も開発許可時に細かい数値上のことばかり指導していないで、大規模開発の場合は、もっと開発全体の立体的景観の観点から指導してはどうだろうか。この住宅地を買う皆さん、せめてキレイな家を建てて下さいねぇ。

  

動物写真2つ。トンビ君。電線にとまって、撮影する私を不思議そうに見ていた。鎌倉山から我が住宅街、そして海岸まで至る所トンビだらけである。海岸でハンバーガーを食べる人は気をつけましょう。コンビニの袋もふらふらさせると危ないですよ。

もうひとつの写真はリス君。愛犬の天敵でもある。愛犬の天敵は3種類。猫とリスと鳥類である。バカな愛犬もさすがに数年の学習により鳥類には追いつけないことを悟ったようである。だから今ではみつけてもあまり騒がない。しかし地上を走るリスと猫については、いまだに発見すると大騒ぎである。いつかは捕まえてやろうと思っているようだ。

八ヶ岳山麓に行くと、猫やリスの代わりに、シカのにおいに強く反応する。たまにシカをみかけた時は、愛犬のリードを持つ手に力が入る。

  

最後はサクラ。鎌倉山の住宅地には古い巨木が数多く残っている。全体を見渡せば、開花率はまだ10%~20%くらいだろうか。まだまだだ。今日も寒い。しばらくは「まだか、まだか」と楽しめそうである。鎌倉山の散歩は楽しい。尤も愛犬はサクラなどにまったく関心がないように見受けられる。
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3月下旬の八ヶ岳西麓(4) 薪ストーブで調理する 

2009-03-27 17:15:22 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし


薪ストーブで調理だ!・・・と言ってもいつものピッツア・マルゲリータである。失敗する人などいないであろうシンプルな料理だ。まずはストーブの炉の中の薪をおき火状態にし、細かくなった薪を周囲に押しやり、ピッツアの下に火が来ないようにする。そうでないと、ピッツアが焦げてしまう。

 

生地にポモドーロ・ソースを塗りたくり、モッツァレラ・チーズとパルミジャーノ・チーズ、そして雪印のとろけるチーズを載せる。あとは鋳鉄製のスキレットに載せストーブ内に突っ込むだけだ。別途バジルの葉を良く洗い乾かしておこう。チーズが溶けて少し焦げたら、ストーブからスキレットを出してバジルの葉を載せて完成だ。きれいでしょう?ポモドーロ・ソースを作るのはちょっと大変だが、我が家ではそんな面倒なことはせず、市販のものを使っている。それで調理と言えるのか?と問われれば少しつらい。



他に八ヶ岳西麓で手に入るお勧め食料品を二つご紹介する。



原村の別荘族にはおなじみベルグ。同村のペンション・ビレッジの中にあるかわいらしいパンの店(長野県諏訪郡原村17217-1849 電話:0266-75-3817)である。今回訪問すると、いつも買っているルバンというパンが売り切れだったので、チーズのパン(左下)、くるみとレーズンのパン(右上)を初めて買ってみたが、とてもおいしかったのでお勧めする。



A-Coopが作って売る「きのこご膳」。同じグループでも原村のA-Coopには置いてなくて、富士見のA-Coop(長野県諏訪郡富士見町落合9984-1025)でいつも買っている。ご飯3合用の袋で、これがあればきのこご飯は簡単につくれる。A-Coopオリジナルのシリーズで同様な商品ががあるのだが、この「きのこご膳」が一番おいしいと我々夫婦は思っている。今回もこればかりいくつも買った。ちょっとみつかりにくい所においてあるので要注意。
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3月下旬の八ヶ岳西麓(3) マジック斧を購入

2009-03-27 10:01:42 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
敷地にはまだ雪が残っていた。寒いから薪ストーブを焚くがそれには薪が要る。薪をつくるには斧を振り回して薪割りをせねばならない。疲れる作業だが、楽しくもある。画像で上は米国製のハンドアックスだ。片手で使って焚き付け用の細い薪をつくる時に使う。下がスプリッティング・ハンマー。ドイツ製で、鋼鉄の刃の部分だけで3kgある。柄の長さは90cmあり、刃の厚みが最も厚いところで6.5cmもある。国内で流通している斧の中では長さ、重さ、刃の厚みともに最大級であろう。これで薪を引き裂くのである。破壊力は抜群である。これくらいの重さ、そして特に厚みのある刃を持つ斧をお使いになることをお勧めする。

しかしこのスプリッティング・ハンマーをもってしても割れない玉切りの丸太がある。クヌギの木の根元部分になると30cm~40cmの直径のものがあり、ちょっと放っておくと乾燥が進み、ますます割れにくくなる。斧の刃が入り込むのに、決して割れはせず刃が刺さったまま抜けなくなることが頻発する。そうなると困るのは、無理に刃を丸太から引き抜こうとすると刃と柄の連結部分が痛むことである。



これではいけないと、更なる破壊力を求めてマジック斧を買いに行った。マジック斧の特徴は以下のとおりである:

●機能優先の工業製品といった風情で芸術性がまったく感じられない
●最初の画像にあるスプリッティング・ハンマーより柄が13cmも短く全長77cmである しかし世の中に普及するたいていの斧の柄が80cm前後であることからすると、このマジック斧が特段短いとは言えない
●総重量は5.5kgとでたらめに重い
●柄と刃がどちらも鉄製で、一体的につくられている

というわけで、スプリッティング・ハンマーを超える破壊力を持つマジック斧を私は手に入れたのである。柄と刃が一体となった鉄製であるゆえ、柄と刃の連結部分が劣化して刃が柄から分離する事態にはならず、誠に心強い。



●しかし最大の特徴は刃の厚みである

下の写真を見てほしい。刃の断面はこういう形になる。逆二等辺三角形の最も短い辺(画像で上の部分)が刃の厚みになるのだが、これが驚きの10cmである。斧の破壊力は、重量と刃の厚みでほとんど決まるが、これはその両方を備えているのだ。



お蔭で分厚い丸太や、中の筋目がぐにゃっと曲がった癖のある丸太も、このマジック斧で割ることが出来るようになった。破壊力を大雑把に比較すると・・・私が以前使用していた通常の斧 < 上記のスプリッティング・ハンマー < マジック斧 < クサビとハンマー併用

という関係になろう。私のスプリッティング・ハンマーは刃の上下をひっくり返せばハンマーの代わりにもなるので、あとはクサビを買えばたいていのものは割ることが出来てしまうはずだ。しかしいろいろ調べたが、クサビの作業はやっかいである。当分はスプリッティング・ハンマーとマジック斧を使い分け、マジック斧でも割れないものはあきらめることとしよう。最後の画像は、マジック斧のお蔭で無事割ることの出来たやっかいな丸太達。皆クヌギである。

画像右上端の薪に苦労のあとが見える。私のスプリッティング・ハンマーが何度もささり、抜けなくなった跡がたくさんついている。スプリッティング・ハンマーで苦労した後にマジック斧を買って来たら、軽々と割れてしまったから不思議である。私の分厚い刃を持つスプリッティング・ハンマーですらそうなのだから、通常の斧ならもっと大変で「ささる・抜く」の作業を繰り返すうちに柄と刃の連結部分を痛めることになろう。



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3月下旬の八ヶ岳西麓(2) 薪ストーブ

2009-03-25 17:59:51 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし


山荘に到着して玄関の扉を開けると、正面に見えるのが画像の飾り物だ。この飾り物をなんと呼べばよいのかわからないが、とにかく室内装飾品の一種であり立体的な絵とも言えるだろう。「ヴォージュ」と書いてある。ヴォージュはフランスの一地方だ。家族が楽しげにクロスカントリー・スキーをする様子が描かれている。



厳寒期には外気温がマイナス15度以下になることがある。そんな時は薪ストーブだけでは暖まるのに時間がかかり過ぎるので、補助的な暖房器具の併用が必要となる。今回の3日間の滞在中は最低気温はマイナス3度ほどだったので、当然暖房が必要となった。しかし到着した時に現地の気温はプラス6度くらいはあったので、薪ストーブを点火したら室内はすぐに暖まった。25度まで上がるのにもそんなに時間はかからない。楽なものである。



話がそれるが、最後の画像が我が山荘の軒である。以前ここで照度の問題を書いた時に、軒と窓の関係について述べた。山荘の軒と窓の関係において私が望む条件は以下のとおりだった。

●雨が降った時に窓を開放していても雨が室内に侵入しないため、夏も快適であること
●直射日光に床の一部が一日中叩かれている状態を作らず、床材が焼けないこと

この画像の軒と窓の関係は上記2条件を満たしていて、私は満足している。

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3月下旬の八ヶ岳西麓(1) 山荘周辺

2009-03-23 09:26:42 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
3月20日から22日にかけての3連休は八ヶ岳西麓の山荘に滞在した。中央高速ではまだ通行料の割引は始まっていないが、初日朝の下りはかなりの渋滞になったようだ。私たちは初日明け方の暗いうちに鎌倉の自宅を出発したので、特に渋滞には巻き込まれなかった。

八ヶ岳西麓でも標高1400m以上のところでは雪が残っていた。とは言っても道路上には雪がまったくなく、ここのところ行くたびにそう思わされているが、何のためにスタッドレスタイヤを履いているかわからない。

  

上の画像は標高1600mの我が山荘の周囲の様子。雪があったりなかったりだ。冬の間の雪の重みで、木々の間の笹や雑草が倒れていて、林の中がよく見通せておもしろい。一番右の画像は敷地内に作られた駐車スペースである。クルマが出入りするところは雪がないが、その外側には雪が残っている。

3連休2日目は晴天で、明け方はマイナス3度ほどまで下がったが、昼間は天気も良く現地の気温も9度くらいまで上がったので、雪がどんどん溶けて流れていた。しかしこの季節にこのまま雪がなくなるかと言うと、例年そうスムーズにことは運ばない。再び気温が下がって雪が降ることもあり、そして天気が回復したら暖まって溶ける、ということを何度か繰り返すことになろう。過去にはゴールデンウィークでもかなりの積雪を経験したこともあり、現地に向かう時はまだしばらく気を抜けない。

 

左はカラマツの芽で右はカエデの芽である。東京は桜の開花宣言が出たというのに、こちらではまだ冬の状態でつぼみは固い。こんな状態だから、山荘から帰る時はまだ水道管の水抜きをした。



山荘から標高で300~400mほど低いところにある農場(八ヶ岳中央農業実践大学校)は、すでに雪はどこにも残っておらず、かなり暖かく感じられた。家族連れの観光客も多く、生産物の販売所も賑わっていた。画像は農場内にある広大な草地で、西麓の原村(長野県諏訪郡)を訪れたことのある人ならたいてい誰もが大好きになる場所である。私たち夫婦もここが好きだが、我が家のメンバーで一番ここに行きたがるのは、この広場で運動することを楽しみにしているワンコである。山荘滞在中にクルマに乗せてもらったら、行くのはたいていここであるからして、ウチのワンコはここをよく認識している。ここの近くにクルマを停めると、クルマ内にいるワンコは爆走準備態勢に入り、すでにラジオ体操第一、第二をこなして興奮している。この種のワンコを制御して、クルマから静かに降りさせるのは至難の業である。
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地区計画についてのアンケート by 七里ガ浜自治会

2009-03-15 09:14:59 | 環境・土地
私が住む西武七里ガ浜住宅地には住民協定があり、土地取引や住宅建築について大雑把な取り決めがある。しかしながら不動産業者、建築工事請負業者、そして住民の一部はそれを守るだけのマナーを持ちあわせていない。不利を承知で長年協定を守り環境を維持して来た大多数の住民は、それを横目に一部の人々がとる抜け駆け的行為に翻弄されているのである。住民協定には法的強制力がないため、いくら近隣住民や自治会役員が説得を試みても、協定違反の取引や工事が後を絶たない。そのためこの協定を法的強制力を持つ地区計画に昇格させる案が浮上している。

(画像は今朝の七里ガ浜自治会館)

しかしこの問題について住民の関心は低く、最近自治会が地区計画について実施したアンケート回答の回収率が著しく低い。しかし住民がこの問題と無縁かと言うと決してそうではなく、実際協定破りの取引や工事が始まる度に、近隣の住民は自治会に助けを求めている。自治会の役員はご苦労なことにその都度アクションをとり、関係者に理解を求める努力を続ける。成功することもあるが、無視されることも多い。

地区計画についてのアンケートに対する住民から寄せられた回答は回収率は低いものの、回収された回答に関する限り、「地区計画制定に賛成する」が圧倒的に多い。ただし回収率の低さから、それをもって住民の総意とは言えない状況である。

1年前に自治会役員の方々とお話する機会があって、この件についての私の理解はかなり深まった。また今回のアンケートに先立ち「意見があれば言え」とあったので、私がこのブログで書いた協定に関する話(次のURL)http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/c96437d11ae5b475988b5b57a9f32b51で始まる「西武七里ガ浜住宅地の住民協定(1)~(6)」を簡略にまとめ、私の意見として提出した。更に今回のアンケート結果を踏まえ、自治会の今後の方針が決まったようだがそれについて再び「意見があれば文書で提出せよ」とあったので、またもや意見を提出した。私の「虫食い状態の地区計画推進作戦」である。その実現可能性は低そうだが、少しでも環境維持にプラスならと取り敢えず提出してみた。以下がそのコピーだ:

七里ガ浜自治会環境委員 御中

地区計画に関するアンケートについて

いつも自治会活動にご尽力頂き、誠に有難うございます。自治会だより20年度第11号を拝見し頂戴しました。重ねてお礼申し上げます。

地区計画アンケート結果に関して見解を示され、「意見のある会員は文書でお寄せください」とあったので、この意見書を提出するものです。私自身は地区計画の制定推進を願うものです。協定でも本来十分なはずですが、業者と住民自身がそれを破ることが多発する以上、地区計画を制定するしか手はないものと、過去に他の住宅地で得た自らの経験から考えております。自らは自治会活動を直接お手伝いすることも出来ないのに、長々と意見ばかり出して皆様の手を煩わせる私のご無礼をお許し下さい。

さて、アンケート回答者のうちの過半数が「賛成」としたものの、アンケート回答者数自体が少なすぎるため、これをもって地区計画制定が住民の総意とは言えないと、自治会だよりにお書きになっています。私もまったく同感です。

続けて、自治会全体としてではなく、地区単位毎に賛否を問い、地区別に自主的に地区計画を実施する他ないのではないか、とされています。私は不勉強で「地区」というものがどういう単位を指しているのかがよくわかりません。おそらく「支部」よりは小さい単位なのだろうと推測しますが、いずれにしろ、それを地区単位におろして議論し賛否を問うても結果は同じことではないかと懸念します。無関心あるいは近隣との対立を避けたい心情(無回答、棄権、参加せず)、そして自分もいつかは協定破りをして家を売却するかもしれないという利己主義(反対)がそのまま小規模に地区単位で延長されるだけなのではないかと懸念しているのです。

地区単位で検討し賛否を問うことも検討すれば良いと思います。それが本来の筋でしょう。しかしそれがうまく行かない可能性も高いので、その場合に備えて、それと並行して私が前回アンケート時に意見として提出致した「虫食い状態での地区計画制定」の実行可能性を市役所と折衝して頂けないでしょうか。それが難しいのは承知の上ですが。

私が提案する「虫食い状態での地区計画」は以下の手法をとります:
① 賛成か反対かと問えばアンケートのように賛成が過半数です。まずは地区計画(内容は現在の協定に準じるもので十分)の内容を早急に定め、今までに賛成票を投じた302世帯だけでも地区計画地域にさっさと組み入れてしまう。そのお宅には「地区計画遵守区画」というプレートを配って掲示してもらうようお願いする。
② ①のような状態を「虫食い状態」と自嘲的に呼ぶ。一方地区計画と並立で協定は存続させ、地区計画遵守区画とならないお宅には協定の網をかぶせておく。
③ 地区計画(あるいは現在の協定)の水準を満たさないお宅に対しても、地区計画制定以前からそうであったお宅は現状有姿で地区計画を満たすとされる(通常どこでも地区計画ではそうなっています)ことを強調して理解してもらい、環境劣化を避ける意味から①同様に「地区計画遵守区画」となってもらうようお願いする。それを受け入れてもらえるお宅から地区計画地域に組み入れ、プレートを掲示してもらう。
④ プレートには「地区計画遵守区画」と掲示するだけでなく、「環境劣化をこれ以上進めることのないよう、未加入のお宅もすぐに地区計画遵守区画に参加を!詳しくは自治会館へ、あるいは自治会だよりを見て!あなたの参加が住宅街の環境や景観を守ります。わずかの手間があなたの区画の永遠の環境の保持につながります」と呼びかける内容を書き込み、追加的な地区計画遵守区画への参入を増やせるように努力する。
⑤ ④のプレートと同様の内容の掲示、看板をあちこちに立て、自治会員の追加的地区計画への参入を呼び掛け促進する。
⑥ 自治会だよりや回覧や掲示版においても、地区計画加入率をどんどん公表し、追加的参入を呼びかける。ブロック毎の加入率の変化を示す。地区計画遵守区画の地図を更新し、全戸配布し、景観の重要さを訴える。それを永遠に続ける。あまり厭味にならない程度、反感を買わない程度に(これが難しいが)。

こうした虫食い状態の地区計画制定は前例がないものと想像します。市役所は受け付けてくれないかもしれません。しかし我々と市役所に環境劣化を防ぐ意思があれば、出来ないことではないと思います。住民の関心は薄いのに、協定破りがあるたびそれに隣接した住民は自治会に助けを求めます。でもそのたびに協定の強制力のなさからくる挫折感を住民や自治会は味わいます。そんなことはもう避けるべきだと思います。

協定に準じた内容の地区計画を定めれば、それに参加しない人はそもそも協定自体を守るつもりもないことがはっきりします。自分の土地を分割して売る人は、この協定により曲がりなりにも守られてきたこの住宅地の環境の高さを利用しています。それは協定を守る隣人達が作ってきた環境を踏み台にして、自分だけが協定を破り土地を分割して売却し、その環境劣化のつけを善良な隣人に押しつけて出て行く行為であり、犯罪にも等しいものです。経済学でいう「ただ乗り」(例: 川の汚染浄化は広く市民から集められた税金による施設で行われているのに、その横で汚水を垂れ流す工場のように、負担を他に押し付け自分のみ利益を得ること)です。

ゴミ出しルールを守らない住民は近隣から指弾されますが、言ってみれば「たかがゴミ出し」です。実はたいしたことはありません。しかし一度土地を分割したら、二度ともとには戻りません。協定を守らない住民はゴミ出しルールを守らないこと以上にはるかに重大な違反行為を犯していることに、思い至る必要があると考えます。

相続だとか、老人ホームに入るだとか分割売却の理由をあれこれ挙げる人がいますが、そんなのは言い訳です。人気の分譲地ですから値段を下げれば必ずスグに売れます。より高く、より早く売りたいがための利己主義的釈明に、善良な住民が犠牲にされる必要はありません。ルールは出来るだけ簡単なものを定め、それを全員が例外なく守ることが必要だと思います。

平成21年3月8日

<コピー終わり>

当自治会の会員の皆さん、環境劣化を防ぐことを考えませんか。



上は本日の鎌倉山で撮影した画像だ。荒れつつはあるものの、鎌倉山には往時の風格ある景観が随所に残っている。鎌倉石と俗に呼ばれる柔らかい質感の石で造られた古い石垣が、苔をまといそのまま残っているところが多い。ご覧のとおりよく育った生け垣が、それぞれのスタイルで趣を保って手入れされている。緑が滴り、潤いが演出されているのだ。

鎌倉山にははるか及ばないものの、我が住宅街も石垣として大谷石が積まれ、ある種の統一感がある。それなりに設計者の意図があり、考えられた上で各区画は一定の面積や形に仕切られていて、景観にもリズムがある。それらのリズムを一気に崩し大谷石を退け、生垣等植栽を抜き、段差を取り払って道路から全面をフラットにコンクリートで固めて駐車場及び入口としての通路にしてしまうことがよく行われる。そのような風景が延々と連続した時、道路を歩く人に見える風景は、通路の左右のコンクリート上に並べられたクルマだけが顔を覗かせるスーパーの駐車場の景色と何ら変わらなくなるだろう。多くの場合、敷地を分割して売買するという協定違反行為がその発端となっている。
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照度@鎌倉七里ガ浜+八ヶ岳西麓(6) 自宅の照明

2009-03-14 14:15:31 | 内装・インテリア


自宅の照明は基本を壁付けのブラケットとした。キッチン、トイレや2階の居室など狭苦しくて壁から突き出す照明器具が取り付けにくいところを除くと、1階から階段にかけて多くはコレである。すべて米国の通販会社Bellacoreから購入した。同じシリーズで統一してある。ローソクをモチーフにしたらしい上向きの照明器具なので、直接的には下向きに光が射さず室内がこれまた暗い。昼も夜も、我が家の照度は低いのである。



上の画像がダイニング・テーブルの真上の照明である。上向きとは言え、さすがに6灯あると少し眩しい。ワット数を落とそうかと思っている。それ以外はすべて壁付けで、皆同じモデルだと統一感も出て、なかなか美しい。



電灯を覆う白っぽい部分がガラスで、黒い部分は皆鋳鉄製でかなりの重量感がある。国産の同様のモノを購入することと比較すれば、かなり低コストで済ませることが出来た。国産にはない、質感が高いもの(例えばrusticなものとか、新品ながらantiqueな手触りのあるもの)が安価に手に入るので、これから購入を検討する方は、国内製に加えて外国の通販の利用も検討されてはどうだろうか。自宅だけでなく、八ヶ岳の山荘でも照明器具の多くはこうした輸入品を充当したが、とても満足している。
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照度@鎌倉七里ガ浜+八ヶ岳西麓(5) 七里ガ浜の自宅

2009-03-14 04:53:48 | 内装・インテリア
自宅も同様に屋内は暗い。1枚目の画像は屋内を最大限明るくして撮ったものだが、これがダイニングの窓だ。道路に面した1階南側の窓はダイニング以外の場所も窓はすべて同じ型でそろえ、一定距離で配置してある。ちなみに2階南側の窓も高さは異なるが幅が同じものを、これまた同じ距離をあけて1階窓の真上に揃えて配置した。

我が家には履き出し窓(ドアと同様出入りできるよう、床まである窓)はない。これは米国アンダーセン社の木製サッシで、私が慣れ親しんで来たマーヴィン社製のサッシに比べると木枠の部分が非常に薄く感じられるが、人気と流通量ではアンダーセン社がNo.1である。頑丈だからか防音性が高いか密閉性が高いのか、理由はわからない。ご存じの方は教えて欲しい。流通量の多いことのメリットはトラブル時の交換が容易なことだが、ではなぜ流通量が多いのか、なぜそれほど人気なのかという理由がわからないのである。



履き出し窓を排し、縦に細長い腰高の窓ばかりを少数設置すると室内は暗くなる。照度(1)~(4)で書いたように、ある程度の暗さを確保して直射日光が1日中床を叩くような事態を避けようとする者の選択は、典型的な日本建築に見られるように広い開口部のある部屋の外側には縁側の如き緩衝地帯を置き、それを覆ってさらに外まで伸びる長い軒を用意するか、または画像のような腰高の窓のに留めて外側にはすぐその上に軒、庇あるいはそれに代わるものを少しばかり出すことである。前者は大変なお金がかかり土地に余裕も必要なので、私は後者を選んだわけだ。

八ヶ岳西麓の原村と異なり、鎌倉市では家を建てる時に建築確認申請が必要となる。建物自体の詳細から配置、植栽まで事前に報告することも必要だ。いくら自分が暗いのが好きでも、まったく勝手には出来ないらしい。南側の窓の面積合計について、採光の観点から役所の指導がある。この家を建ててもらったブレイスの丸山さんにはいろいろと設計図作成と役所との交渉でご苦労して頂き、窓の選択と配置が決定した。同じ幅の窓が規則的に並ぶのは外観的に快感であると思っていた私からリクエストも多かったため、丸山さんは参ったかもしれない。



お蔭で夏に直射日光は室内に入らない。夏の昼間の太陽は高いため、軒に遮られて太陽光が部屋に差し込めないのだ。軒があっても、履き出し窓だとそれに近い床の部分はほとんど1日中直射日光にさらされていることとなろう。こういう明かるさがどうも私は苦手である。床も熱で傷みやすいだろう。窓が小さいと通風が少なく暑いのではないかと訝る人もいるが、逆である。開口部が広くて太陽光が入って来る家よりもかなり涼しい。むしろ欠点は冬寒いことだ。冗談ではなく、この季節の晴れた日に庭にいると外の方が温かいと感じることがある。しかし「夏を基本に考え家を建てろ、冬なんてどうにでもなるぞ」というのが兼好法師以来の設計思想で、ましてや近年の温暖化を考慮すれば、ここ七里ガ浜なんてこれで良いと思っている。

意外なメリットもある。雨でもご覧のように窓を開けっ放しにしておけることだ。上下に2枚のガラスが並ぶ上げ下げ窓なので、上だけを開けておく。軒もあるので多少風が強い時でも雨が入って来ることはない。夏の雨の時もこの状態でいられれば風が入るので、蒸し暑くてエアコンを作動させるという事態にもならずに済む。

最近の住宅は1階と2階の間に屋根があることが少ない。総2階で箱のような建物になることが多いのである。そうした場合、屋根は2階の壁のさらに上に載るだけで、1階の窓の上には軒や庇がない。シンプルで美しく、コスト的にも優れるだろう。我が家はそれほど屋内容積も要らないので、2階の壁は立ち上げず1階の壁の上にスグ屋根を載せ、ここで述べたとおりのそれによる採光や雨に対するメリットを得たのである(2階の居室部分は屋根を一部斜めに持ち上げて屋根裏風にする形式にした)。画像の軒は1階の壁の上に載る屋根の一部なのだ。そして暗さと寒さに夫婦で耐えている。
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照度@鎌倉七里ガ浜+八ヶ岳西麓(4) 八ヶ岳西麓、原村の山荘

2009-03-08 09:28:24 | 内装・インテリア
今朝の鎌倉山から見た七里ガ浜の画像を添付する。眼下には私が住む住宅街と相模湾が広がる。この瞬間の空が以前紹介した「完全曇天空」に近い。この条件下での地上の明るさが5000ルクスである。完全曇天空の定義についてはこのURLをご参照。
http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/fc125c868995b3d5985daada66f9499a



さて、私が知りうる限り、近年建てられた住宅の中で屋内が最も暗いのは私自身の山荘である。下の画像3枚は照明を目いっぱい明るくして撮られた山荘屋内の画像である。実際のイメージとはかなり異なり、明るく見える。



この山荘が建つ長野県諏訪郡原村は、多くの地区について建築確認申請を必要としない誠に鷹揚な村であり、建物の採光も自由である。絞りたければ絞れば良い。そこで私はギリギリまで絞ってみた。設計着工は1998年、完工は1999年のことであった。窓は米国マーヴィン社製のしっかりした木製サッシであるが、決して大きくないものばかりだ。室内で太陽光だけではソーラー電卓を使うことは出来ない。



標高1600mの寒冷地でこうした建築スタイルを採用することを、私はお勧めしない。ただでさえ寒いのに、さらに太陽光を絞っているからだ。しかし住宅内の照度を、ここで掲げた本(それぞれ「夜は暗くてはいけないか」と「陰翳礼讃」)に立ち返り考えてみると、適当な暗さであろうと思う。



これから家を建てる人には、是非照度を考えてもらいたい。採光と照明。それに出来れば庇(あるいは軒)と開口部の関係である。次回、鎌倉の自宅における体験について紹介したい。
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