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ボクシング

 6日の正午、WOWOWにチャンネルを合わせたらボクシングがやっていた。ほうっと思いながら観ていたら、この後にメガマッチが行われると言う。そうか、デラ・ホーヤが試合をするとかWOWOW MAGAZINE に書いてあったな、と思い出した。私はさほどボクシングに詳しくはないが、オスカー・デラ・ホーヤくらいは知っている。確か6階級制覇を成し遂げたボクシング界のスーパースターだ。彼が久しぶりに試合をするというのだから是非見なくちゃと雑誌を見たときには思ったのだが、てっきり忘れていた。運良くチャンネルを合わせられたのも不思議だが、それじゃあ、と気合いを込めて見始めた。

「WBC世界S.ウェルター級タイトルマッチ 
オスカー・デラ・ホーヤvs.フロイド・メイウェザー」

  オスカー・デラ・ホーヤ(34歳)
  バルセロナ五輪金メダリストで、ボクシング史上初の6階級制覇を達成
  した「ゴールデンボーイ」。
  プロ通算戦績は42戦38勝(30KO)4敗。

  フロイド・メイウェザー(30歳)
  ベビーフェイスな外見から「プリティー・ボーイ」と呼ばれ、抜群の
  スピードを武器に4階級制覇を達成した。
  プロ通算戦績は37戦全勝(24KO)。

 リングサイドの最高額が2000ドル、一番安い席でさえ150ドルもするという高額なチケット16,000枚余りがわずか3時間で売切れてしまったと言われるほど、全米ではものものすごい注目を集めた一戦だった。デラ・ホーヤのコーチを長年務めてきたのが、メイウェザーの実の父親だったという因縁めいた話がTVで紹介されるし、「パワーのデラ・ホーヤ対スピードのメイウェザー」という図式もはっきりしていて、観ている私もいつしか興奮の坩堝と化した会場にいるような気がした。1年以上試合から遠ざかっていたデラ・ホーヤに試合勘が戻るかどうかが懸念され、TV解説者も試合の展開を何通りも予想していた。その中で、ゲストに招かれていたあおい輝彦(矢吹丈だ!!)が完全にデラ・ホーヤの応援団となって熱く思いのたけを語っていたのが面白かった。
 試合開始とともに、デラ・ホーヤが攻め立てる。メイウェザーのスピードが殺されたように見え、序盤はデラ・ホーヤ有利で進んでいく。実力者同士の戦いだけに一瞬も目を離せない。あっという間にラウンドが進んでいく。5回になって、メイウェザーのパンチがデラ・ホーヤにクリーンヒットして一瞬腰が沈んだ。それまでのデラ・ホーヤの攻勢がそれを境に徐々に守勢へと変わっていく。それでもラッシュが見られるためまだまだポイントではデラ・ホーヤが勝っているように思われた。ところが9回辺りからデラ・ホーヤの手数がパタッと少なくなる。それと反比例するかのようにメイウェザーのパンチがデラ・ホーヤをとらえ始める。見ていてパンチ力はさほどあるようには思えなかったが、目に見えて疲労が激しくなったデラ・ホーヤの顔面やボディーにパンチを集めていく。あおい輝彦の口数が少なくなったことでデラ・ホーヤが苦境に立たされていることが分かる。試合から遠ざかっていたためなのか、年齢からくるものなのか、スタミナ切れは明らかだ。

  

結局、12回戦って両者が倒れることは1度もなかった。しかし、お互いに死力を尽くして戦ったことが私には十二分に伝わってきた。前半攻勢だったデラ・ホーヤ、後半有利に戦ったメイウェザー、どちらが勝つにしても僅差の判定に持ち込まれたが、私にはメイウェザーの方が有利に思われた。やはり最終ランドを終えた時点で元気な方が勝者になるのが当然なのではないだろうか、などと思っていると結果が発表された。3人のジャッジのうち、1人目が115-113でデラ・ホーヤ、2人目が116-112でメイウェザー、そして最後の1人が115-113でメイウェザー!2-1の判定でメイウェザーが勝って、見事5階級制覇に成功した!!

 久しぶりに見たボクシングは迫力があったし、面白かった、興奮もした。しかし、K-1とかプライドを見慣れた目には、パンチだけで攻撃するのがもどかしくて、「蹴れ!」とか「投げろ!」とか時々思ってしまったのは情けなかった。
 
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