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松井の応援

 普段なら、ヤンクスの試合は、開始から終了まで丸々堪能できるのだが、夏休みに入ると午前中からずっと授業があるので、ほとんど見ることができなくなる。途中経過すら、自由に知ることはできないので、結構辛い。中継があるときは必ずビデオに撮るので、塾が終わってからゆっくり観戦することはできるのだが、結果を知ってからの観戦と、生ライブでの観戦とではこちらの気持ちの入りようが違うので、どうしても物足りない。まあ、考えてみれば、日本時間の朝早くから昼ちょっと前までの時間を野球観戦に割くことのできる人の方が少ないわけで、この不完全燃焼さを、日本で松井を応援する者たちは、毎日味わっていることだろう。
 松井を応援する掲示板でも、仕事の合間を縫って投稿、という人もたくさん見受けられる。『仕事を抜けて、・・』とか『仕事中にこっそり・・』という書き込みも少なからずあるので、苦労しながら応援しているんだな、と感心することも多い。そこまでしなくても、と思うほど、松井のプレイ一つ一つに泣き笑いしているのを知ると、実際はどんな人なのか知りたくなってくる。コンピューターの向こうにいて、顔を見たこともない人たちばかりだから、想像してみるしかないのだが、投稿された文だけがその人となりを探る唯一の手がかりなので、じっくり読んでみると、なかなか面白い。普段は冗談ばかりでにぎやかな人が、突然、一本筋の通った硬派な投稿をしてくることもあり、その人に対する認識を改めなければいけないこともよくある。
 『夜目、遠目、笠のうち』と七難隠す要素が述べられているが、掲示板では、アバターがその役割を果たしていると思う。アバターというのは、個人のIDが一目見て分かるように、一人一人がマネキンに自分の好きな服装をさせ、ネット上に自らの分身を絵姿で描き表したものである。私が設定したアバターは坊主頭に眼鏡をかけた、目元のきりりとした和服の男性にしてあるので、私の実像とはかけ離れた印象を与えてしまう虞がある。人間は互いの評価を、見てくれで行っている場合が多いのは明らかだが、掲示板などのように、モニターに映し出されたものしか判断材料がない場合には、いらぬ誤解を受けたり、与えたりするもとにもなるだろうから、常に自戒していなければならないだろう。
 何にしても、PCから広がる世界というのは限りがないだけに、自分の立つ位置というものを常に確認しながら、意図しない方向に流されないよう、注意していかなければならない。
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