議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

仕事の質を高めるために

2009年08月28日 05時22分27秒 | ベーシックインカム
■仕事をする理由
 一般に、「仕事をする理由」には、①それ自体が面白い、②収入を得るため、という2つの理由があると言われています。

ですから、
「面白いし、収入も得ることができる仕事」
というのが理想とされています。趣味が高じて、、、というやつです。

ところが、
「本来は面白い(かった)はずなのに、収入を得ることが目的になっている仕事」
も多いように思えます。これは、面白いはずの仕事も労働環境が悪かったり、お金を稼ぐことがとても重要になったり(例えば生活が苦しい、金儲けそのものが楽しくなってしまうなど)するからだと思います。
 そうなると、仕事に前向きに取組めなくなる=仕事の質が下がる、という結果になります。だから「ヤル気をいかにして引き出すのか」というよくあるテーマが持ち上がってくるのでしょう。

■心理学のある実験では、、、
 ところで、有名な心理学の研究で、「ある仕事を報酬を与えてやってもらう場合と、報酬なしでやってもらう場合とでは、報酬がないほうが仕事の質(創造性)が上がる」という結果があります。
 報酬を得てしまうと、それが目的となってしまい一生懸命仕事をしなくなるということです。または、仕事に報酬がついてくるのは、その仕事が苦痛で面白くないからだ=適当にサッサと終わらせてしまおう、と思うからかもしれません。

このページに説明がありますが、
「仕事がより複雑になるほど、外的な報酬によって仕事の質が傷つけられることも多くなるのです」
ということです。

■ベーシックインカムにより、創造的な仕事を増やす
 さて本題です。ベーシックインカムを導入すると、上記のような問題は減るでしょうか、増えるでしょうか。。。おそらく、減るでしょう。人々は、仕事から報酬を得るという目的意識が以前より薄れ、仕事をする意味について深く考えるようになり、より質が高い、創造的な仕事をするようになる、と思います。

 ただその場合、仕事のスピード、効率は下がるかもしれません。でも、こんなに失業者が増えても、世間にはモノがあふれています。これ以上仕事の効率化を図っても、意味があるのでしょうか。それより所得を広く平等に分配して、「モノも労働力も沢山あるのに、必要な人が購入できていない」という状況を変えるべきでしょう。

 ちなみに、共産主義と同じ結果になると思われた方もいるかもしれません。しかし私が思うに、共産主義の失敗は、創造的な仕事ができないうえに仕事の質を報酬で報いることをしなかったところにあると思います。一方のベーシックインカムは、創造的な仕事を否定しませんし、高収入を否定しているわけでもありませんので、上記の「仕事をする理由」の①も②も保っており、全く状況は違うと思います。
コメント (1)
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