議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

薬局回収注射針について

2009年02月23日 05時33分21秒 | ウィークリー・トピックス
 2週間ほど前ですが、
薬局下取り、在宅医療注射針は「産廃」――環境省が部局長会議で指導要請
 という記事が環境新聞にありました。1面に載っていたので、割と目立つ記事でした。

■医療機関持込か市町村回収を想定していた
 在宅医療から生じる医療廃棄物の扱い方については、この通知で、在宅医療廃棄物は一般廃棄物であることと、さらに
 (1) 医師等の指示等に基づき医療機関に持参する
もしくは
 (2) 通常のごみ回収に排出する
という2つの方法での回収を想定しています。家庭から排出されるものですので、医療機関へ持ち込んだ場合でも一般廃棄物になります。

■薬局も回収 ~産業廃棄物、一般廃棄物区分の怪~
 ところが実際には薬局が引き取っているケースも少なくないようです。これについてはいわゆる下取りにあたり、薬局が排出事業者になる(産業廃棄物になる)ということだそうです。まぁ、普通に考えればそうなりますよね。でも、医療機関が引き取る場合は一般廃棄物である、という見解はそのままなんでしょうか。全く性状が同じなのに、、、ほんと、一般廃棄物と産業廃棄物の区分ってなんなんでしょう?

 今回あえて通知がでたということは、もしかしたら、①そもそも廃棄物だなんて認識すらない、②一般廃棄物として市町村の回収に出していた、③一応、産廃業者が引き取っていたが契約書やマニフェストがなかった、④見解がバラバラだっためにどう運用したらよいか分からなかった、といった課題があったのだと思います。4つともありそうな話です。

■電子化が進むのか?
 それにしても、薬局なんて個人経営が多いのですから、産業廃棄物の規定を完全に順守させるというのはなかなか大変です。でも、八百屋さんのボールペンとは異なり、ちゃんと管理する必要があると思います。おそらくその最も容易な方法は、電子マニフェストの導入でしょう。紙マニフェストの管理なんて、面倒でとてもできないはずですからね。

 電子マニフェストの普及は、こんな感じでジワジワと広がるのかもしれません。
コメント
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