議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

排出事業者の範囲の拡大

2008年10月16日 06時03分36秒 | 政策提言
 廃棄物処理法の改正案で、こんなのはいかがでしょうか。

■連帯的排出者責任(代表排出事業者?、共同排出事業者?)
 例えば、建設工事で、元請、下請け、孫請け、JVなど複数の関係者が事業に関与しているとします。その場合、関係者は共同して排出事業者となり、そのうちの誰かが代表して処理委託時の契約やマニフェスト交付をやればよい、ということはできないでしょうか。その場合、委託基準やマニフェストの違反については、連帯責任とします。今ある通知は、原則は元請“だけ”が排出事業者となりますが、現実的な運用とは言えません。一方、通知では一括請負の場合は下請“だけ”が排出事業者になることも想定されていますが、そうではなくてあくまで連帯責任とするのです。 通知は共同して排出事業者となる場合の例も出していますが、ここまで行くと解釈が難しすぎます。

 もちろん、共同して排出事業者となるのであれば、各社がそれぞれ自社運搬・処分できます。

 共同して排出事業者となれるのは、下請けが直接関与している部分に限ってです。つまり、内装工事の廃棄物については、元請と内装工事の下請けが排出事業者となりますが、外装材の下請け業者は排出事業者にはなれません。

■責任の押付けが起こる??
 仮に、排出事業者の代表者を事業者が決めることができるとすると、下請けへの責任の押付けが起こるという懸念もあります。しかし、そんなことは今でも起こっていることです。それより共同して排出事業者となる=責任逃れがしにくくなることを期待できないでしょうか。また、進んで排出事業者責任を果たそうとする方が、「自分は排出事業者ではないかもしれない、、、」と逡巡する必要がなくなります。実はこれは大きなことで、適正処理のためにもプラスに働くと思います。

■ビルのテナントの場合
 ビルのテナントが、個々に処理業者と契約するという通知がありますが、このように改正すればビル管理会社が代表して契約すればよい、という現実的な運用が可能となります。代表排出事業者、とでも言えるでしょうか。

 という感じですが、いかがでしょうか。テーマが大きく、私の考え及ばない問題点が沢山あると思います。ご意見頂戴できれば幸いです。おそらく最大の問題は、連帯責任の範囲です。結局グレー部分が残りそうですね。。。
コメント (2)
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