議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

木くずはごみにあらず

2008年04月15日 05時39分14秒 | ニュースクリッピング
 ちょっと古いですが、こんな判決がありました。

(12/21)木くずは「ごみ」にあらず――ボイラー熱利用で徳島地裁

 昨年の規制改革通知「環廃産発第070622005号」に、これに関連すると思われる内容が含まれていることを、こちらの記事でご紹介したことがあります。

 通知では、①総合判断説と②生産工程を形成するボイラー等で木くずを燃やす場合は廃棄物処理施設にあたらないということに触れています。つまり、①そもそも廃棄物でないならいいよね、ということと、②廃棄物だけど設置許可はいらないよ、という2つのパターンを取り上げています。

 判決内容を直接確認できていませんが、上記通知とは違う内容のように感じます。記事によると、「地球温暖化防止の観点から、生物資源を有効活用する『バイオマス』が注目されている」と前置きしたうえで、「排出業者が自ら木くずを燃料として使う場合、利用価値はある」としているようです。逆の見方をすれば、「自ら使うならともかく、誰かに提供する場合は利用価値がなく、廃棄物である」と読み取ることができそうです。

 つまり、施設の話ではなく、廃棄物の定義の話のようなのです。

 総合判断説に、「自ら利用なら」という条件付の解釈が加わったような感じです。さて、この判決に対して、徳島県は対応を検討中とのことですが、どうなるのでしょうか。今後の展開に注目です。


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