連日の猛暑のせいか、体重が50kgを切ってしまいました。とにかく朝から暑いので参ります。
さて、彦根の「ひこにゃん」といえば、ゆるキャラの火付け役として全国に知られたご当地キャラクターです。ひこにゃんは、2007年の彦根城築城400年祭のマスコットキャラとして誕生しましたが、これまでデザインの使用料は無料とされてきました。これにより、ひこにゃんは多くのグッズに登場し、全国的に認知されるようになりました。築城400年祭自体は、当然2007年のうちに終わりましたが、ひこにゃんはその後も一地方小都市である彦根市のPRに活躍してきました。
こうして、彦根のために尽くしてきたひこにゃんですが、今年度から小売価格の3%という意匠使用料が課されることになりました。その結果、グッズの数が半数近くにまで落ち込んでしまったそうです。彦根市は、ひこにゃん使用料でかなりの収入を見込んでいたようですが、今のところ当てが外れた格好となっています。
特定のキャラクターにデザイン使用料を課すのは一般的なことですので、市の使用料徴収や皮算用そのものは、おかしなものとはいえないでしょう。グッズ数減少の背景には、ひこにゃんの有料化に伴い、既存の商品も改めて申請し直さなければならなくなったため、3%のコストと申請の労力コストが重なって何となく業者が二の足を踏んでいる、という状況があるようです。まあ、自分なんかは、わざわざひこにゃんに使用料をふっかけなくても、ひこにゃんグッズが売れれば市の収入も増えるのだから、無料のままでも良かったんじゃないかなぁと思ったりしてます。ひこにゃんは市の財産、ひいては市民の財産ですから、これを市民が商品化するのに別料金を払わなければならない、というのもひっかかります。
市民の財産の有料化という点では、僕の故郷仙台にも近しい例があります。昨今、戦国○ASARAとかの影響で戦国武将ブームが起きていると聞きます。その中でも伊達政宗はかなりの人気だそうですが、皆さんは伊達家の家紋といえば何を思い浮かべるでしょうか。おそらくほとんどの人が、国連のマークに似た「竹に雀」紋が頭に浮かぶことでしょう。市の中心部を歩けば、バス停や街灯などに「竹に雀」を見ることができます。
ところが、この「竹に雀」、現当主の伊達泰宗氏が近年商標登録してしまいました。そのため、仙台市民のシンボルマークともいえる「竹に雀」を使うには、今では使用料を払わなければなりません。家紋は誰のものかと言われれば、かなり難しい問題ともいえます。このブログの(一応)親サイトにも使っている我が家の家紋「梅鉢」などは、他にも使っている家がいくらでもあるので、所有権を訴えることはできようもありません。対して、「仙台笹」とも呼ばれる「竹に雀」は伊達家のオリジナルですので、仙台伊達家の私有財産だ!と訴えられれば、そうといえなくもありません。ただ、仮にもお殿様の家系を自認されるのであれば、みみっちい使用料収入よりも、ご先祖様が開かれた町の発展を第一に考えるべきではないかと思うのです。
商標登録の結果どうなったかというと、グッズや看板などに使われる「竹に雀」は目に見えて激減しました。一番分かりやすいのは仙台駅弁で、老舗の「こばやし」や「伯養軒」の古い弁当にはそのまま使われていますが、新作の弁当には「竹に雀」はほとんど入っていません。代わりに増えたのが、伊達家が「竹に雀」と併用していた「九曜」や「二つ引両」の紋です。商標登録したばっかりに、仙台の顔ともいえるマークである「竹に雀」が市内から消えつつあるとしたら、一体誰の何のための登録なのでしょう。
だんだん恨み節のようになってしまいました。現在の伊達のお殿様については、まだまだ言いたいことがあったりするのですが、とりとめがなくなってはマズいのでここら辺で止めにします。2つの例を通じて考えさせられるのは、「市民のデザイン」というものをどう扱うべきなのか、ということです。彦根市にとって、ひこにゃんは彦根城に匹敵するくらいの市民の宝となっていると思います。この宝をどのように位置づけるのか、これから彦根市はいろいろと試行錯誤されるのでしょう。
ちなみに、小生は彦根には何度かご縁があって、ひこにゃんグッズも結構持っています。とりあえず携帯にはひこにゃんストラップがぶら下がってます。
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