年に1、2度は訪れる川原湯温泉へ行ってきました。八ツ場ダム建設に翻弄されているあの川原湯温泉です。しばらく訪ねていない間に、老舗旅館が数軒休業し、他方で代替地の道路工事は進み、テレビでおなじみの十字架橋はとうとうつながりました。まずは、今回の川原湯温泉のようすについてフォトレポートをお送りします。
つながったダム湖横断橋
左から「柏屋」「高田屋」「みよしや(看板のみ)」
いずれもダム中止問題の渦中に休業を
余儀なくされました。
「みよしや」
完全に廃墟で、取り壊しが決まっています。
温泉の中心。共同浴場「王湯」
川原湯温泉代替予定地
温泉街の中心にある大きいほうの旅館から向こう3軒が休業してしまい、もはや温泉街としてはぎりぎりなところまできてしまっています。もちろん、残った旅館は一生懸命頑張っていますし、何より温泉自体の泉質の素晴らしさは、失って良いものでは決してありません。しかし、民主党政権発足以来、生殺し状態がすでに1年以上続いており、これ以上宙ぶらりんなままでは経営がもつわけがありません。
ダム建設の進捗状況は分かりませんが、これに伴う代替地の整備や道路の架け替えなどは着実に進みつつあります。一応道路は部分的に開通し、代替地へも民家の移転が少しずつ行われています。この道路は、ダムのためだけでなく、草津や嬬恋、浅間方面への新しい幹線道路となります。
もちろん、私も無駄な公共事業を容認しているわけではありません。今回通った新しい道路や代替地や橋を見ても、必要以上に大規模に造成している感は否めません。しかし、裏を返せば「無駄の削減」とお題目を唱えて目立つところは叩いてみたものの、一歩でも各論に入ると途端にざるとなる民主党の方向性や見識の不足が如実に表れています。
温泉の代替地も通りましたが、まだ建物がないことを差し引いても、うすら寂しくだだっ広いだけの無機質な土地です。川原湯温泉は(ここに限らず)、山あい谷あいの風景も含めて温泉資源です。ダムの中止を唱えるだけで、他には地元の経済のことも環境のことも何も考えていない政府に振り回された末路を象徴するかのようです。
繰り返しますが、川原湯温泉は草津にも負けない良質なお湯を誇る温泉です。草津への通り道にありますので、この方面へ訪れた際には、ぜひとも立ち寄っていただければと思います。