塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

東日本大震災から4年

2015年03月14日 | 東日本大震災
  
震災から4年が経ちました。これまでは3.11当日に、どんなに小さくても記事を上げてきたのですが、今年はこのように少し遅くなってしまい、これが私のなかでの風化につながってしまわないかといささか危惧しています。

他方で、今年の震災特番などで沿岸被災地のようすが映し出されるのを見ると、いまだ更地には変わりませんが、土地の造成やかさ上げの工事が、これまでの1年ごとと比べてかなり進んでいるようにも感じます。

とはいえ、町自体が復興したわけではなく、その道のりはまだまだ長いものと思われます。そのようななか、国および多くの自治体では、復興予算の特例期間が2015年度をもって一旦の区切りとなるようです。これを受けて、竹下亘復興相が2016年度以降の復興予算における全額国費負担の枠組みを見直す考えを示しました。事実上の被災自治体の負担増となるため、各自治体首長は当然といえば当然ながら、一斉に国費負担の現状維持を訴えています。

ですが、私は今回に関しては竹下復興相の意見に理解を示したいと考えています。とはいっても、一方的にとりあえず減額しろというのではなく、予算配分のあり方を抜本的に見直すべきではないかという意味です。

東日本大震災では、津波によって土地そのものが使えなくなったり改変されてしまったりして、町そのものの計画を一からやり直さなければならないという点が、大きな特徴といえます。そのため、計画が出来上がっていない、あるいは不備がある間は、いくら資金を湯水のように注ぎ込んでも、プールされるばかりで使われることはありません。実際、近年では上手く使われないままでいる復興予算があることや、震災と直接関係のない事業や団体が資金を流用している問題などが指摘されています。

したがって、今本当に必要なのは、新しく多額の予算を計上すること以上に、これまで積まれてきた復興資金が有効に使われ、そして将来的に回収できるシステムを構築あるいは見直すことが重要だろうと思うのです。

もちろん、国に比べて地方自治体の予算には裁量に限りがあるため、国費に頼らざるを得ないのは事実です。ですが、阪神・淡路大震災などと比べて町の復興がなかなか進まないなか、予算要求ばかり延々と続けていては、残念なことにそろそろ国民全体の理解を得にくくなってしまうことになると思われます。

復興相の発言は理解できるとは書きましたが、かといって国が先述のようなシステムの見直しを進められているかというと、それも疑問です。たしか東京オリンピック招致の際には、「東北の復興した姿を見せる」とか何とか調子の良いことが叫ばれていたように記憶しています。ですが、今なお新幹線の車窓からすら仮設住宅が間近に見えるような状況で、2020年までに本当に外国の人々に胸を張って見せられるような復興が遂げていられるでしょうか。首相が東北を訪問した時と同じように、うまく復興できたいいところだけ見せるようにするということだけは、やめてもらいたいものです。

最後にちょっと余談ですが、今回の復興相発言に対し、多くの自治体首長と並んで仙台市の奥山恵美子仙台市長がさも当然のように反対を唱えているのには、さすがに疑問を覚えました。奥山市長に対する不満はこちらの記事にも以前書きましたが、震災直後から何億円もかけてパンダの誘致にご執心の市長にだけは、予算がどうのこうの文句を言う資格はないと思っています。奥山市長は市職員から教育長などを経て市長まで登りつめた人物ですが、その間の仙台市政がいかに無策であったかは、こちらをご覧いただければお分かりいただけるのではないかと思います。

  



○○の隠れたスポット?新宿西口界隈

2015年03月07日 | 徒然
 
春らしい風が吹くようになったと思ったら、また真冬並みの寒の戻り。どうにも天気が読めません。帰りしなにビールが飲みたいのか、熱燗が呑みたいのか、自分でも分からなくなります^^;

そんな感じで何を飲もうかとぶらつく私のエリアは、たいてい新宿西口のヨドバシカメラ周辺です。あまり知られていないかもしれませんが、飲み屋の数は結構あり、オフィス街帰りの人たちで平日を中心にそれなりに賑わっている界隈です。

この新宿西口界隈で、ここ1~2年の間に変わってきたのではないかな?と感じていることがあります。居酒屋チェーンを中心に、店の前では呼び子のにーちゃんねーちゃんが道行くオトナたちに声をかけているわけですが、このところ急激に美男美女化しているようにみえるです。とくに男性のイケメン化が顕著なように思います。

当然、私がそう感じているというだけの主観的なものなのですが、行きつけでちょっと訊いてみたところ、「確かにそうだと思う」という賛同は得ることはできました(話を合わせただけの可能性も大きいですが^^;)。

一応私の目が曇っていないという仮定で話を進めますと、いつも呼び子に出ている店員がだんだんと美男美女になっていった…とは考えにくく、おそらくそれぞれの店が自慢のルックスの従業員を立たせるようになったのでしょう。どこが火元かは分かりませんが、どこかが美男美女を表に出して注目を集め、周囲の店がそれに触発されて自然と競うようになっていった、という感じの流れなのではないかと推測されます。もしそうだとしたら、惹かれてお店に入っても、中の人たちまで同じクオリティであるかは保証できませんね(笑)。

イケメン化の方が顕著ということは、店側としては女性客を取り込みたいということなのかなと察せられます。ただ、西新宿は前述のとおり平日の仕事帰りの人たちがメインターゲットなので、女子会に利用されることはあまり多くないように思います。となると、帰宅途中のOLを狙っているということになるのでしょうが、女性の一人飲みはそこまでメジャーになってきているのでしょうか?ちょっと疑問です。

新宿の歌舞伎町とか末広通り界隈とか、また他の駅も含めて、新宿西口以外の飲み屋街やエリアについては全体としては把握していないので、ここだけの現象なのか、あるいは業界全体でのトレンドなのかは分かりかねます。もし前者であるとすれば、平日の夜に新宿にご用のある方は、ちょっとした目の保養に西口界隈をぶらついてみてはいかがでしょうか。。。

 



トレイルランニングは迷惑者か

2015年03月01日 | 社会考
  
今冬は暖冬といわれますが、それ以上に天気が安定していない印象を受けます。雨かと思えば雪になり、また雨になったかと思えば晴れ間が2~3日続く、といった具合で落ち着きません。私の趣味の城跡歩きは冬から春先がベストシーズンなのですが、今期に限ってはなかなか予定が噛み合わず出向けていません。

そんなわけで、今年の仕事始めならぬ城跡始めはとりあえず手近なところにしようと、高尾山から京王線の高尾山口駅を挟んだ東側にある高乗寺城山を選びました。高尾山へ行ったことのある方には、トリックアート美術館の裏山と言った方が分かりやすいかもしれません。ただ、城跡といってもかすかに痕跡が残っているという程度ですので、一般の方が訪ねてもまったくつまらないと思います^^;

そんな城山へは高尾駅に近い尾根先の方から登ることができます。誰もこんな山に用はないだろうから、藪をかき分け道なき道を進むのかと思いきや、立派な登山道が通っていたので拍子抜けしてしまいました。誰にも会うこともなかろうと思っていたら、これまた何人かのハイキング客とすれ違ったのでびっくりしました。なかには今流行りの(?)山ガール3人組もいました。俗っぽい高尾山を避けて楽しめる穴場コースということなのでしょうか。

で、ようやく今回のメインの話になりますが、そんな山道を一人歩いていると、タッタッタッタッタ…とハイキング客にしてはやけに軽妙な足音が近づいてきました。その足音がこちらに向かっていることが分かるや否や、私は気持ちが沈んでいきました。

そう、知ってる人は知っている、山道を走って回るいわゆるトレイルランニングです。近年急激に愛好家が増えているようで、登山道の整備された山ならどこでも目にします。それまで私の遭遇してきたトレイルランナーは、総じて愛想もなければ礼儀もなく、「走ってんだから道なんか譲れるわけないだろ」「息を上げながら走ってんだから挨拶なんかできるわけないだろ」などという台詞が聞こえてきそうな不遜な態度で、誰も彼も走り抜けていったものでした。

またも同じ嫌な思いをするのかと諦めていたとき、不意に向こうから「おはようございます!」と挨拶が飛んできました。それもはっきりとした清々しい声で!驚いた私の顔のいくらか先から、にこやかな顔の男性が走ってきます。私はとっさに挨拶を返し、自然と道を譲っていました。彼は、ちゃんと私が気付いて、道を譲る譲らないは別として、お互いに対処できる間合いから(当然、ハイカー同士のそれより遠くから)声をかけていたのです。

登山家からすれば当たり前と思われるかもしれませんが、ハイカーのなかにも、挨拶もろくにできない人は結構いるように思います。挨拶も、ただすれば良いというものではありません。もちろん、お互いに気持ちよくすれ違うためにするものではありますが、もう1つ、お互いの危険を回避するためという重要な意味があります。山のなかという隔離された空間において出会った見知らぬ人間同士が、お互いに害意のないことを確かめ合い、不測の衝突を避けるという役割です。この点までしっかりと押さえられた挨拶だったと思うからこそ、私は彼の態度に感動しました。

トレイルランニングに関しては、「危ない」「図々しい」「環境を破壊する」といった批判が方々から上がっています。そう指弾されて然るべき人々が少なからずいることは、おそらく事実なのでしょう。そうした汚名を挽回して市民権を得ようとするのであれば、その第一歩は間違いなく挨拶(欲をいえば+笑顔)にあると思います。挨拶さえきちんとできていれば、少なくとも何か問題が生じたとしても、それを解決しようというベクトルはもっている、和して共存する余地があるという印象を与えることができるはずです。

今のところ、まだまだ「心有るランナーが大部分」とまではなっていないように思います。できるだけ近いうちに、「一部の心無いランナーが」と言えるような状態になってくれればと願います。