今週末からお彼岸に入りますね。我が郷土仙台では、お盆やお彼岸のお供えとして、定番のあんこやごまだけでなく、ずんだ餡のおはぎもよくみられます。ずんだとは、最近は東京のスーパーや和菓子屋さんでも見かけるようになったので知っている方も多いと思いますが、一言でいえば枝豆のあんこです。私もだいたいお盆前後には自分でつくるのですが、ことしは何だかんだで忘れていたので、3連休の暇を利用してこしらえることにしました。
作り方はわりとシンプルで、枝豆を茹でてすりつぶして砂糖と塩を投入して練り混ぜるだけです。東京で見かけるずんだ製品の多くは、何か粉でも混ぜてペースト感を増強しているようですが、余計なものを加えると逆に美味しくなくなってしまいます。
すりつぶす際には、ミキサーかすり鉢を使います。もちろん、ミキサーの方がやや粗くなります。市販の製品は機械を使用しているのでしょうが、粒が残っている方がいいかどうかは人それぞれですので、どちらを使うかは各人にお任せです。ただ、ひとつ重要なのは、手作業か機械かという以上に、すり鉢を使う場合にはさらにひと手間増えることになります。
それは枝豆1粒1粒の薄皮剥きです。居酒屋で枝豆を注文した時にでも確かめていただけば良いのですが、鞘から出した枝豆には粒ごとにさらに薄皮がついています。これをプチンプチンと、ちょうどデラウェアのような葡萄を食べるときのように剥いていきます。剥いた後の薄皮も、まさにデラウェアの皮のようにそこそこ厚さもあり、色もだいたいくすんでいます。ですので、これが残ったままだと、すり鉢で潰したのでは微妙に堅い食感やくすんだ色の斑点が混じります。ミキサーでやる分には、ほとんど気にならないレベルまで粉砕されるのでしょうが、食べ慣れてくるとやっぱりなんとなく分かります。部屋のなかで一人黙々と枝豆の薄皮を剥いていく作業は、端からみれば何ともうすら寒い光景でしょう(笑)。工場では、何か一気に剥く方法があるのかもしれませんし、私もいろいろ試したことはあるのですが、剥き残しなく綺麗に取りきるやり方は見つかりませんでした。
鞘から出した状態の枝豆。
薄皮を剥いた枝豆。色つやが全然違いますね~。
ちなみに剥いた薄皮。意外と厚みと堅さがあります。
さて、下準備を終えた枝豆をゴリゴリ潰し、適当なところで砂糖と塩を投入します。豆を潰しただけではパッサパサですが、砂糖を混ぜるとしっとりずんだらしくなっていきます。砂糖は、これでもか!というくらいドッパドッパと投入します。ずんだ作りにあたっては、たいていそのため用に砂糖を1袋買ってきます。自家製でこれだけ入れるのだから、市販のものにはどれだけの量の砂糖や甘味料が使われているのかと思うと、ちょっと怖くなるくらいです^^;
また、意外かもしれませんが、塩も加えなければ手落ちです。塩は食感と甘みを整えてくれます。これも、もちろんしょっぱくなるほどには入れませんが、ひとつまみふたつまみという程度でも足りません。
そうやって、混ぜては塩・砂糖を加えて味見して、の繰り返しでできたのがこんな感じです。
いかがでしょう?市販のものよりはだいぶしっとりと出来上がったものと自負しております。自分ひとりで食べきるのももったいないと思い、ちょうど敬老の日だったので行きつけの飲み屋にこれまた自家製の白玉と一緒に持参し、人生の諸先輩方に召し上がっていただきました。
結果は、多分にお酒とお世辞が入ってはいましたが、かなり好評でした。とくに特別な材料がいるわけでもなく、枝豆も普通のスーパーのものでOKですので、もしお時間がありましたら、ぜひ東北の味を一品チャレンジしてみてはいかがでしょうか。