滞在中1日だけ、霧で漁が中止になったことがありました。ここぞとばかりに観光、ということで神威脇(かむいわき)という集落へ出かけました。青苗のひとつ隣の集落なのですが、隣といってもその距離なんと13km!自転車で1時間かかりました。
神威脇は、奥尻島の西岸で唯一の集落です。とはいえ、人家は民宿やゲストハウスも含めて20軒あるかどうか。ただ、ここには奥尻島の貴重な観光資源のうち3つが集まっています。
そのうちの1つが、港に臨んで建つ神威脇温泉。宿泊施設も食事処もない、純粋な共同浴場です。なんともレトロな佇まいで、建物も実に私好みです。
とはいえ奥尻島は火山島というわけではないので、温泉といってもかなり深く掘ってようやく出てくるような、ぬるいアルカリ性のお湯だろうと思っていました。ところが入ってみてびっくり!源泉かけ流しのお湯はアツアツで、塩と鉄の濃厚な味がたまりません!そのままのダダ流しだと熱くて入れないので、湧湯口の隣では水道水も合わせて出しっぱなしになっています。このタイプの温泉に入ると、私はとっても幸せな気分になります(笑)。
かつてはもっと大々的に運営していたのか、小ぢんまりとした内湯のほかに、2階には展望大浴場もあります。お湯の質は1階の内湯の方が良いですが、2階はもちろん眺望がウリです。私のときは濃霧でしたから視界はほぼゼロでしたが、西向きなので晴れた暮れ時にはさぞ美しい夕陽が見られることと思います。
神威脇の集落と神威脇温泉
昔は公営だったのが今は個人経営になってるとかで、社長兼管理人の御老と湯上りにいろいろとお話させていただいた後、また自転車にまたがります。
集落の外れの丘の上には、残る観光資源の2つがほぼ隣り合わせに建っています。1つは奥尻島唯一の「ホテル」で、島を走る観光バスはなべてここに出入りします。神威脇温泉と同質のお湯が引いてあるそうなので、海の幸に温泉にと、かなりお得に楽しめるホテルなんだろうな~っと拝察します。
私の目的はそのひとつ奥にある、奥尻ワイナリーです。奥尻では島内でブドウを栽培していて、それでもってさまざまなワインを醸造しています。無料で数種類の試飲もできるので、飲める人はホテルに泊まるか、バスかタクシーで訪ねると良いでしょう。私の感想としては、北の大地で海風を受けて育っているせいか、赤も白も果実味が濃く出ているように思いました。
酒好きの私が、というより酒好きだからか、ワインをひと通り購入&発送して満足してしまったのか、ワイナリーの写真を撮るのを忘れておりました。代わりに、ブドウ畑の写真を載せます。この畑は、島の幹線道路から奥尻空港へ入る交差点の脇にあります。面白いことにワイナリーは神威脇にあるものの、ブドウ畑自体はほとんどが青苗周辺に広がっているようです。
さて、青苗と神威脇の間は海岸沿いの道が続きます。途中には
滝や
巨岩がちょいちょい現れます。
なかでも面白かったのがコレ。
モッ立岩というのですが、その由来がなんとも、、、とある未亡人がこの岩を見つけ、その形が死んだ亭主の「からだの一部」に似ていたので懐かしくなり、名前を付けたのだとか^^;
この、余計なオブラートに包まない感じが、なんとも島らしいなぁと一人感じ入ってしまいましたw
というわけで、ぜひもう一度じっくりご観賞くださいw