塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

タイガース安芸キャンプにて

2010年02月26日 | 旅行
  
 高知旅行の2日目には、レンタカーを借りて高知県の東部の安芸市まで足を運びました。僕の目的はいつものとおり安芸城をはじめとする城跡めぐりだったのですが、その帰りにとんでもない目にあってしまいました。

 この時期は、安芸市の市営球場で例年阪神タイガースのキャンプが行われているとのことです。確かに、テレビなどで「安芸キャンプ」とか何とかいっていた記憶はありますが、そこまで野球に興味のない僕はとんと忘れていました。5時半ごろ高知に戻るつもりで4時ごろに安芸を出たのですが、市街から幹線道路に入ったところで、車列がピクリとも動かなくなってしまいました。まさかとは思いましたが、キャンプを見に来た観客によってとてつもない大渋滞が惹き起こされていたのでした。

 安芸から高知平野に出るまでは、海岸に山がせり出した険しい地形を幾つか越えなければならず、そのためものの見事に迂回路が一本もないのです。結局どうすることもできずに、リアル牛歩に付き合わされて、渋滞を抜けるまでに3時間近くかかってしまいました。その日の晩は、高知にいる大学時代の知己と飲む約束をしていたので、彼には大変迷惑をかけてしまいました。

 ただ、ここで僕が怒りの矛先を向けたいのは、渋滞を惹き起こした観客の群れではなく、渋滞すると分かっていながら何の対策も採られていないことに対してです。安芸市の市街にはあちこちに「タイガース歓迎」の幟が立っていましたが、両手を挙げて歓迎するだけで他に何もしないというのでは、地元の人や他の観光客にとっては迷惑以外の何者でもありません。少なくとも道路が完全な一本道で大渋滞になると分かっているのですから、「歓迎」というのならこうした事態に対する方策を練ってからだと思うのです。

 たとえば、キャンプが行われる球場は高知から伸びる鉄道の駅の目の前なので、球場の駐車場は閉鎖して公共交通機関による来場への協力を呼びかけるとか。そのために高知平野側の鉄道駅近くに大きな駐車スペースを確保して、パークアンドライドを奨励するとか。せめて、観客が帰る際に誘導員を配置して一度に幹線道路に車が流れないよう調節するとか。いろいろ処方箋は考えられるはずです。

 前回の記事に書いたとおり、高知の人はなんともおおらかなので、渋滞でひどい目にあったと言っても「そうでしょう。あっちは渋滞するでしょう。アッハッハ」で終わってしまいます。僕のような短気な東北人にも配慮して、来期は何とか方策を練っていただけるようお願いしたいところです。

  



南国土佐をあとにして

2010年02月22日 | 旅行

 JALの株主優待券を使って高知に行ってきました。向こうでは大学時代の知己にも会え、天気にも恵まれて楽しかったです。

 帰りたての今回は、高知について感じたことをとりあえず列挙しようと思います。

 ・高知の人は人柄がおおらか
 ・高知の人はとりあえず酒呑み
 ・タクシーよりも運転代行がやたらと多い
 ・思ってた以上に平地が少ない
 ・東京より日が長い
 ・土産屋が少ない

 とりとめがないですが、こんな感じでしょうか。
 またしばらく高知ネタが続くと思います。

 今回は最後に、明日使えるネタ写真を1枚載せます。


土佐電鉄後免町行き





上村選手のコメントに対するテロップについて

2010年02月15日 | 社会考
   
 バンクーバー五輪がいよいよ 開催されました。メダルが期待されたモーグルの上村選手は、惜しくも4位となりました。回を追うごとに順位を上げていただけに、あと一歩及ばずという結果は、本人もさぞ残念だったことでしょう。

 さて、この上村選手が予選を通過した際のコメントで気になることがありました。上村選手のコメントのなかで、「滑れたら」という発言があったのですが、NHKの番組では、これに「滑られたら」というテロップが充てられていました。NHKとしては、いわゆる「ら抜き言葉」を正してあげたと鼻を高くしていることでしょうが、僕は逆に違和感を覚えました。

 「ら抜き言葉」とは、助動詞「られる」を用いるべきところで「れる」を使っている場合を指すものです。そして、「られる」をとる動詞は、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用とされています。これに対し、「滑る」という動詞は、ラ行の五段活用です。五段活用の場合は、通常「未然形+れる」となりますが、多くの五段活用動詞では、この他に「語幹+活用語尾のエ段+る」の形に変化させた可能動詞が存在します。

 たとえば、「書く」という動詞の可能形表現は、助動詞「れる」を用いた「書かれる」か、もしくは可能動詞「書ける」となります。どちらとも、文法上間違いのない言葉です。ただ、「行かれる」と「行ける」、「打たれる」と「打てる」、「会われる」と「会える」など、様々な例を列挙してみると、後者の可能動詞形の方が、今日では一般的といえるでしょう。

 NHKがわざわざ表記を改めた「滑れる」についても、五段活用動詞「滑る」の可能動詞形と考えれば、文法上全く問題のない表現ということになります。おそらく編集した人物は、深く考えもせずにこの「滑れる」を「ら抜き言葉」と判断して、したり顔で「滑られる」に変換したのでしょう。何というか、NHKの傲慢の一端を垣間見たような気がしました。

 巷では今、スノーボードの国母選手の態度に批判が寄せられています。自分としては、国内の大会ならいざ知らず、多くの国が自国の威信をかけるオリンピックの場で、あそこまで礼節を欠いた人間を出場させるのはいかがなものかと考えています。ただ、それを報じる側においても、文法の基礎から学び直さなければならない事態にあるということは、残念といわなければなりません。