高知旅行の2日目には、レンタカーを借りて高知県の東部の安芸市まで足を運びました。僕の目的はいつものとおり安芸城をはじめとする城跡めぐりだったのですが、その帰りにとんでもない目にあってしまいました。
この時期は、安芸市の市営球場で例年阪神タイガースのキャンプが行われているとのことです。確かに、テレビなどで「安芸キャンプ」とか何とかいっていた記憶はありますが、そこまで野球に興味のない僕はとんと忘れていました。5時半ごろ高知に戻るつもりで4時ごろに安芸を出たのですが、市街から幹線道路に入ったところで、車列がピクリとも動かなくなってしまいました。まさかとは思いましたが、キャンプを見に来た観客によってとてつもない大渋滞が惹き起こされていたのでした。
安芸から高知平野に出るまでは、海岸に山がせり出した険しい地形を幾つか越えなければならず、そのためものの見事に迂回路が一本もないのです。結局どうすることもできずに、リアル牛歩に付き合わされて、渋滞を抜けるまでに3時間近くかかってしまいました。その日の晩は、高知にいる大学時代の知己と飲む約束をしていたので、彼には大変迷惑をかけてしまいました。
ただ、ここで僕が怒りの矛先を向けたいのは、渋滞を惹き起こした観客の群れではなく、渋滞すると分かっていながら何の対策も採られていないことに対してです。安芸市の市街にはあちこちに「タイガース歓迎」の幟が立っていましたが、両手を挙げて歓迎するだけで他に何もしないというのでは、地元の人や他の観光客にとっては迷惑以外の何者でもありません。少なくとも道路が完全な一本道で大渋滞になると分かっているのですから、「歓迎」というのならこうした事態に対する方策を練ってからだと思うのです。
たとえば、キャンプが行われる球場は高知から伸びる鉄道の駅の目の前なので、球場の駐車場は閉鎖して公共交通機関による来場への協力を呼びかけるとか。そのために高知平野側の鉄道駅近くに大きな駐車スペースを確保して、パークアンドライドを奨励するとか。せめて、観客が帰る際に誘導員を配置して一度に幹線道路に車が流れないよう調節するとか。いろいろ処方箋は考えられるはずです。
前回の記事に書いたとおり、高知の人はなんともおおらかなので、渋滞でひどい目にあったと言っても「そうでしょう。あっちは渋滞するでしょう。アッハッハ」で終わってしまいます。僕のような短気な東北人にも配慮して、来期は何とか方策を練っていただけるようお願いしたいところです。