塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

そうだ、京都行こう :遅桜編

2012年04月26日 | 旅行
  
 京都府亀山市で痛ましい交通事故が起きましたね。無免許だろうが居眠りだろうが柱や壁に激突するならともかく、よりによって児童や妊婦の列に突っ込むとは、怒りと無念さが湧きあがってきます。加えて、所轄署員が被害者家族の連絡先を加害者の父親に漏らしたという問題も発生し、被害者家族の方々は怒りが頂点に達していることでしょう。犠牲者のご冥福をお祈りするばかりです。

 ただ、水を差すような話ですが、各メディアはこぞって「京都でまた暴走車」と書きたてています。今月に京都市四条縄手で起こった事故を指していると思われますが、京洛とそれ以外の京都府域を同じ「京都」として扱うと、おそらく後者に住む方々は「一緒にしないでくれ」と苦い顔をなさるような気がします。使っているメディアは気の利いた表題くらいに考えているのでしょうが、安易な結び付けは誤解を招いたり失礼に当たったりするので気を付けた方が良いかと思います。

 さて、そんな京都へ先日上洛してまいりました。このような悲しい事故の起きた後では少々書きづらいのですが、京都の達人の案内で洛西の花の名所を巡ってまいりました。ソメイヨシノ中心の関東に比べて、京都は枝垂桜が多いため、花が長持ちだという印象を受けました。結構膨大な量の写真をバカ撮りしたので、このブログの一度の掲載枚数上限5枚を選定するのは非常に困難な作業でした。以下、厳選した5枚を掲載して、今回の記事は終わりです^^;

 
原谷苑の桜のシャワー


 
仁和寺の緑桜(御室桜ではないところがポイント^^)


 
梅宮大社の八重桜


 
松尾大社の山吹


 
大豊神社の椿と御神水


 最後の大豊神社だけ洛東ですね(笑)。

  



今年の桜

2012年04月25日 | 徒然

 仙台周辺はちょうど桜が満開だそうです。関東では開花が遅かったものの、その後の風雨で散るのも早かったように思います。だからという訳でもないのですが、今年はまったくと言ってよいほど花見には行きませんでした。

 花見とはいっても、上野や千鳥ヶ淵で花より団子というのは実は好きではありませんで、このところは1本~数本程度の古木がめいっぱい咲いているさまを見る方が楽しく思えるようになってきました。

 今年は、小田急多摩線の終点唐木田駅からほど近い、「川井家のしだれ桜」を見に行きました。呼び名の通り一般の民家の庭にある1本古木ですが、家主がおそらくたいへんにご理解のある方で、敷地に入らなければ周囲から眺めることができます。それどころか、この民家の三方は丘の公園となっている上、公園に面した部分は塀ではなく生垣になっているため、周囲から容易かつ見事に望むことができます。

 
川井家のしだれ桜


 
別角度から


 
下から


 残念ながらあいにくの曇り空で、私の撮影技術では見た通りの美しさが出しきれていません。谷が西向きなので、訪れるのは午前中が良いかと思います。といっても、次回の見頃は1年後ですが…^^;

 さて、あと2枚いかにおまけを載せますね~。1枚目は青山にあるドイツ文化会館の桜です。西欧の機関建物敷地内とは思えないほど立派な桜です(笑)。携帯で撮ったので画質はよくありませんが…。2枚目は我が家のベランダの富士桜です。花が全部下向きに咲くのが特徴の可憐な桜です。富士山麓の道の駅で買ったのですが、この頃これが本当に富士桜なのか疑問に思えてきました…。

 
ドイツ文化会館の桜


 
我が家の鉢植え桜

 



京都四条縄手の自動車暴走事故に関する雑感

2012年04月17日 | 社会考
  
 京都で痛ましい事故が起きました。四条縄手の交差点ということですが、近くにある南座へはにしんそばを食べに何度か訪れているので、あの交差点を暴走車が突っ走る様というのはどうにも想像ができません。死亡した運転手は癲癇(てんかん)の持病があったものの、事件当時意識はあったとみられているそうですね。ただ、だからといって故意とまで一気に疑いを反転させるのはどうかと思っています。

 故意ということは、動機ないし目的が存在します。公開されたタクシーからの映像をみると、細い通りの車や歩行者を猛スピードながら縫うように走り抜け、最終的に不意に電柱に激突しています。たとえば、もし発作的に自殺しようとしたのなら、わざわざ障害物を縫って暴走する必要がありません。あらかじめこれと決めた対象物に一直線に激突するのが普通ではないでしょうか。それを、交差点の歩行者を撥ね飛ばし、他の車や人を避けながらいつまでも走り続け、明らかに予定にはない電柱にぶつかってENDというのは、自殺という点からは考えにくいように思います。

 他方、4年前の秋葉原歩行者天国での通り魔事件や7年前の仙台大町商店街での暴走事件などのような無差別殺人を図ったとするなら、そもそも歩行者を避けることが不自然です。この場合、目的は1人でも多くの人間を殺す、あるいは道連れにすることですから、他の車はともかく歩行者を避けるという行為は理に適っていません。

 したがって、動機・目的がはっきりしない以上、意識があったからといって「故意」とするのは尚早なのではないかと私は考えています。癲癇という病気がどのようなものか詳しくは知りませんが、脳の神経伝達の異常ということであれば、意識を失うことだけが症状ではないのではないでしょうか。なかには、自分が何をしているのか訳が分からなくなってしまうという症状を惹き起こす場合もあるのではないかな?と今回の件をみて思ったりします。

 たとえば、インフルエンザ治療薬タミフルによる副作用では、発作的にベランダから飛び降りて亡くなってしまうという事件が複数起きています。癲癇患者の薬でどの程度の副作用が報告されているのか知りませんが、あるいは同様の異常行動が現れてしまう例もあるのかもしれません。死亡した運転手の血液中から抗癲癇薬の成分が検出されたということですが、上述のような可能性も視野に入れて捜査すべきなのではないでしょうか。

 とくに私は運転手に肩入れしようという訳ではありませんし、「病気の発作が出たのでしかたないですね」と言われたのでは、7人もの犠牲者の遺族がやりきれないという心情も十分理解できます。ですが、その反作用とでもいうように俄かに故意だったのではないかと急進的になるのも、事実を明らかにするうえで適切な姿勢ではないのではないかと強く感じています。

 犠牲者および運転手のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、できるだけ早く原因が明らかとなり、今後に役立てられるよう願っています。

 



被災地としての茨城:鹿行地方

2012年04月13日 | 旅行
  
 茨城県の南東端、霞ケ浦の東側に位置する鹿島郡と行方(なめがた)郡の一帯を、合わせて鹿行(ろっこう)地方といいます。とくに鹿島は、鹿島神宮や鹿島アントラーズ、鹿島港などでそれなりに栄えており、南北とのアクセスも悪くないのですが、2007年に石岡~鉾田間を結ぶ鹿島鉄道が廃線となったため、県西地域との連絡は車のみとなっています。前回お話した土浦・石岡周辺めぐりの後、この鹿行地方や利根川を渡った千葉県香取地方を訪ねました。

 
旧鹿島鉄道玉造駅跡の風景


 はじめは、前月に熊野大社へ参詣したので鹿島神宮や香取神宮にもお参りしておこうという程度のノリだったのですが、思わぬ被災地旅行となりました。

 茨城県から千葉県にかけての太平洋岸も、東日本大震災による津波の甚大な被害を受けました。また、今年に入って、茨城県の南東端に位置する神栖市では余震にともなう度重なる液状化現象が問題となっています。それは知っていたので、海岸近くまでは行かないようにしたのですが、それでも内陸の被害も予想以上でした。瓦が落ちてブルーシートをかぶったままの家々が目立ち、マンホールの7割くらいが浮き上がり、橋の両詰はほぼ100%ズレて段差となっています。

 東日本大震災では、複数の断層がドミノ式にずれて広大な震源域を形成し、東京にも大きな揺れをもたらした最後のものは茨城県沖で発生したとされています。そのため、茨城県でも東北三県に匹敵するくらいの揺れと被害となったのかと思われます。また、鹿行地方や香取地方は利根川の河口に近く、霞ケ浦や北浦に面していることもあり、比較的地盤が緩く揺れやすいのではないかとも感じました。

 たとえば、千葉県香取市にある蔵と水郷の観光地佐原。重い瓦を乗せた旧家は多くが被災し、現在も修復工事中のところも少なくありません。道路の復旧工事も併せて行っているため、通行止めになっているところもしばしばあります。佐原のすぐ近くにある香取神宮を訪ねると、本殿がやはり工事中で地震によるものかと思ったら、こちらは屋根の葺き替え工事中だそうです。

 
佐原の風景。画面左手は復旧工事中です。


 佐原から利根川を挟んで北側にある潮来(いたこ)は、あやめ園などで知られるやはり水郷の町ですが、こちらも園内にかかる太鼓橋が復旧工事中で通行不可となっています。開花の時期に間に合えば良いのでしょうが、こちらの方はすでに工事は終わっているが、工期の関係などで確認を先延ばしにしているというグレーな噂も耳にしました。

 
潮来あやめ園と橋。


 さて、鹿行地方でもっとも繁華なところといえば、鹿島神宮でしょう。こちらは、たまたま大きな被害がなかったのか復旧が終わっているのか、表向き何事もないようなにぎわいを見せています。調べてみると、鳥居が倒れたものの、建物には損害はなかったようです。

 
鹿島神宮の御手洗池


 鹿島市のお隣には行方市があり、その中の旧玉造町地区には新撰組初代局長芹沢鴨の生家があります。自分はとくには新撰組ファンという訳ではないのですが、車での通り掛けだったこともあり寄ってみました。近くに商店が1軒あるだけで、数年前に大河ドラマになった割には寂しい感じはしました。この商店で簡単なグッズやパンフが手に入るのですが、そこに写っている生家の写真と私が見た実物がどうも少々違うような気が…。よく見ると写真に写っている蔵が現在はありません。うかがってみると、さきの地震で倒壊してしまったのだそうです。予期せぬ地震の爪痕に驚くほかありませんでした。

 
芹沢鴨生家。右手にあった蔵が倒壊しました。


 被災地としての茨城県南地方ということで被害の話ばかりしましたが、これからGW以降の観光シーズンを睨んだ復旧が進むものと思います。とはいえ、観光客の復帰がなければ完全な復旧とはいえません。被災地というと東北ばかりがクローズアップされますが、依然お話した紀伊半島熊野地方や今回の利根川下流域なども、これを機会に今年のご旅行の候補地としてピックアップしていただければと思った次第です。

  



マイナー旅行記in茨城県石岡市

2012年04月08日 | 旅行
  
 先日、茨城県は土浦の友人を訪ねて小旅行に行ってまいりました。土浦市内は東京の半ベッドタウンといった感じで、観光するには車で少々遠出しなければなりませんでした。で、水郷佐原や筑波山などを回りましたが、この辺は有名な観光地ですのでわざわざ私がどうこう説明するようなものでもないでしょう。1つ、穴場として面白かったのが、タイトルの通り石岡でした。

 石岡と聞いてピンとくる人はそう多くないのではないかと思いますが、土浦のひとつ北隣の市です。かつては常陸国の国府がおかれたところなのですが、現在ではお世辞にもメジャーな市とはいえません。私が石岡を訪れたのも、もとから観光の予定があったわけではなく、友人が住む土浦に泊まるのも芸がないということでちょっとずらして宿をとったにすぎません。来てみてはじめて、なかなか面白い町だと気づかされました。

 とくに気に入ったのが、古い街並みです。戦前にタイムスリップ…とまでは言いませんが、至る所に大正ロマンを感じさせる登録有形文化財の商家が残っています。多くの文化財の商家は現在も営業を続けており、なかには普通の床屋や花屋だったりするものもあります。そうやって今の生活のなかに溶け込んでいるところも素晴らしいと思います。

 
登録有形文化財の花屋さん


 
こちらは化粧品屋さん


 また、石岡は映画などのロケ地としても知られているのだそうです。泊まった晩に飲んだ親切な焼き鳥屋の女将さんの話では、レトロな街並みを利用した映画撮影や、郊外の電線・電柱が視界に入らない風景を利用した時代劇撮影、さらに石岡からは離れますが海岸の砂浜では雑音が入らないのでよく戦隊モノの戦闘シーン撮影が行われているそうです。そのお店にも、近くのホテルに宿泊している俳優さんなどがやってくるのだとか。

 で、女将さんに教わった最近のロケの1つが「ALWAYS 三丁目の夕日'64」です。作中に登場する喫茶店が、焼き鳥店の1つ北の通り(御幸通り)沿いにあります。外観はごくごく普通のビルの1階の喫茶店です。入口に映画のポスターが貼ってあるので、ようやくそれと分かるくらい外見上のレトロ感はありません。ところが、入ってみてびっくり。老夫婦がやっている落ち着いた雰囲気の店なのですが、素敵なのはシックな中二階があることです。都会でときたま見かける新規経営の「作られたシックさ」ではない「素朴なシックさ」がとても魅力的です。残念ながら、肝心の映画の方を見ていないのでどのシーンに使われたのかは分かりませんが、ロケハンでここを見つけた人はスゴイと思いました。

 
喫茶店の中二階より。
写真が上手く撮れませんでした…。


 さて、石岡市内から少し車で走らなければならないのですが、とっておき(?)のスポットがあります。高速のICや市内から車で10~15分ほどのところに「常陸風土記の丘」があります。古代から近世ぐらいまでの遺跡や古民家を復元し、大々的に公園化しているところなのですが、その一番奥に子供たちが走り回れる芝生の広場があります。そして、その一画の丘の上に、巨大な「獅子頭」があります。石岡市最大のお祭である「常陸國總社宮大祭」に登場する巨大獅子舞の頭部をさらに展望台サイズに巨大化させたものです。

 
常陸風土記の丘にある世界最大(?)の獅子頭


 それだけなら「ああ~、やっちゃったね~」という程度なのですが、この獅子頭はかつて世界最大の獅子頭としてギネスに申請されました。結果は、残念ながら登録ならずだったそうです。同じ茨城県内にあって「世界最大のブロンズ製仏像」として登録されている牛久大仏に対抗した…のかは分かりませんが、大仏ならともかく「shishigashira」と聞いても、西洋人は「???」でしょう^^;ただネタとして、近くへ来たなら一見の価値はあると思います。

 ちなみに、石岡市の名誉のために申し上げますと、風土記の丘自体は非常によく整備されたテーマパークです。私の経験からいうと、地方の車で行かなければならないようなスポットというのは得てして手入れが疎かになりがちなのですが、ここは芝生や樹林、復元建造物などしっかりメンテされているようで、私が訪れた時も職人さんが桜梅林を手入れしていました。ちょうど梅が咲きはじめで、何の御一行かは分かりませんが、年配の方々がスケッチに来ていました。桜や藤の時期もかなり綺麗なのだろうと思います。また、電話ボックスにも茅葺を乗せていたりするあたりのセンスも、私は好きでした。

 
常陸風土記の丘の風景。


 というわけで、マイナー旅行記として石岡を取り上げました。私の旅行記の問題点は食の話が少ないところだな~と読み返して反省しつつ。茨城県南は、霞ケ浦の湖魚やレンコンなんかが有名です。オススメは、行ってみて初めて知りましたが、常陸秋蕎麦です。とにかく香りの良い蕎麦だな~と感じました。水戸からは離れているので、高速のSAで見つけた納豆パフェはスルーしました^^;

 最後に余談ですが、今回の茨城県南旅行では茨城の地酒を7~8種ほど賞味しました。全体を通しての感想なのですが、茨城のお酒はとてもあっさりで飲み口さわやかなものがほとんどでした。おそらく茨城のお酒全般に関しての特徴なのだろうと思います。ですので、日本酒はクセがない方が良いという方は、飲み屋にいったら「茨城のお酒はありませんか」と訊ねてみると良いかもしれません。