塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

国会質問のレヴェル低下:「朝三暮四」質問と、閣僚全員質問

2010年01月28日 | 政治
     
 このところ、国会における答弁がクローズアップされている。もちろん、鳩山首相や小沢幹事長の金銭問題がどのように追求されるのだろうか、という点が注目されている訳だが、それ以前に答弁のあり方が問題となってしまっている。

 先日、衆議院予算委員会で、鳩山首相に対して「朝三暮四」の意味を問う質問があり、首相が「朝令暮改」と混同して答えた場面があった。たしかに、両者は異なる意味で、広辞苑には次のように載っている。


 「朝三暮四」
  :目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気付かないこと。
 「朝令暮改」
  :命令や方針がたえず改められてあてにならないこと。

 質問をした自民党茂木議員は、首相の間違いをすかさずあげつらって批判し、したり顔といったところだった。しかし、目下の鳩山政権の印象について、「朝三暮四」と「朝令暮改」のどちらが当てはまるかといえば、大部分の人は「朝令暮改」の方を挙げるのではないだろうか。普天間問題に如実にあらわれているように、鳩山政権で問題視されているのは、方針や見解がコロコロと変わり、誰の発言を信じてよいか分からない状態にあるのではないだろうか。

 鳩山首相も、このことについての批判はさすがに自覚があるだろうから、前述の質問に対して「朝令暮改」の意味を答えたとしても不思議ではない。私としては、むしろ質問した茂木議員の方が、「朝令暮改」の意味で、誤って「朝三暮四」と言ってしまったのではないかとさえ考えている。

 ただし、これらのことわざの意味を国会議員や閣僚が知っていようがいまいが、そんなことは、今国会の重要議題においては大した問題ではないだろう。このやりとりを見て、私は勘違いをした鳩山首相よりも、質問をした茂木議員のセンスのなさの方が気になってしまった。国会の質疑応答のような応酬の場においては、たいていの質問は、聞いている内容の奥に本当の意図が隠されているものである。しかし、「朝三暮四」質問からは、はっきりいって何が得られるのか分からない。ことわざの意味を知らない首相を嘲って、評判をおとしめるためのパフォーマンスというぐらいの役にしか立たないと思われる。パフォーマンスとして見たとしても、その効果は大いに疑問である。むしろ私は、「余りにも頭の悪い質問をするものだ」と、質問をした茂木議員の力量に疑問を感じてしまった。

 この質問から2日ほど経って、今度は参議院予算委員会での質疑応答が取り沙汰された。自民党の西田議員が、閣僚全員に対して「Yes or NO」の質問を行い、答弁を拒否した亀井金融相が大声を張り上げ、審議が一時中断したとのことだ。この場面で問題視されているのは、亀井大臣ら閣僚の不規則発言のようであるが、私としては、ここでも西田議員の質問の無意味さが気になってしょうがないのだ。もちろん、亀井大臣の姿勢にはかなり難があるのは事実だが、他方で「そんなくらだん質問には答えられない」と言いたくなる心境はよく分かる。

 今国会は、首相と幹事長というツートップが金銭問題を抱えており、自民党ら野党としては、いくらでも民主党を追い込むことができる絶好の機会のはずである。皆同じ答えをするに決まっているような「Yes or NO」の質問を、閣僚全員にだらだらかましている時間があるのなら、その間に首相をしどろもどろにさせるような核心を突いた質問がいくらでもできたはずだ。いたずらに時を費やしたにもかかわらず、得られた効用がわずかイメージダウン効果程度というのでは、コストパフォーマンスのひどく悪い質問といわざるを得ない。

 衆参両予算委員会においてマスコミに大きく取り上げられたこれら2つの話からは、民主党鳩山政権の乱れっぷりだけではなく、自民党の質問能力の低さが露呈しているように思われる。もちろん、マスコミに報じられるのは長い質疑応答のほんの一場面に過ぎないので、前後の文脈も加味する必要はある。だが、それを踏まえたとしても、今回取り上げたような質問が、国民の本当に知りたい事実を掘り起こすきっかけになる可能性はほとんどゼロといっても過言ではないと思う。こうした時間稼ぎのような、ジャブのような、弱々しい攻撃を前面に繰り出してくる背景には、ひょっとしたら自民党も同様の金銭問題での爆弾を抱えているため、余り踏み込みたくはないのではないか、という邪推さえ働いてしまう。

 ともあれ、とくに小沢問題に関しては、せっかくようやく本格的に追求されはじめたところなので、全容解明の芽をぜひとも摘まないようにお願いしたいところである。




田の中勇さん、郷里大輔さん死去によせて

2010年01月22日 | 徒然

 今月、声優の田の中勇さん、郷里大輔さんが相次いで亡くなられました。田の中さんは『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじ、郷里さんは『ドラゴンボール』のミスター・サタンや『キン肉マン』のロビンマスクなどを演じ、広く知られた方がたでした。僕としては、『TVタックル』のナレーターとしても活躍されていた郷里さんの声を毎週のように聞いていたので、ことさら残念で仕方ありません。

 田の中さんは享年77歳ということですが、郷里さんはまだ57歳だったそうで、報道では自殺と伝えられていることもあり、「何故に」という気持ちです。

 思えば、ルパン三世の山田康雄(享年62)、ブライト艦長の鈴置洋孝(享年56)、マ・クベの塩沢兼人(享年46)など、声優には早くして亡くなった方が結構多いような気がします。郷里、塩沢の両名は病死ではありませんが。最近は漫画家業界やアニメーター業界がやたら酷だという話を耳にしますが、声優さんたちも結構ストレスがたまりやすいのではないかな、と思ったりもしました。

 とにもかくにも、まずは田の中氏、郷里氏両名のご冥福を心よりお祈りします。



恭賀新年

2010年01月16日 | 徒然

 たいへん遅ばせながら、本年もよろしくお願いいたします。
 これからも、牛並みのスピードで更新されるであろう当ブログをよろしくお引き立ていただきますよう(汗)。。

 さて、新年最初のネタ、というよりぼやきですが、JALの再建問題がこのところ気になっています。
というのも、例の巷で話題の株主優待券をもっているのです。勿論もらい物で、僕が株主という訳ではありません。

 これを使って旅行しようと思いっきり当てにしていただけに、使えなくなるのでは、という報道に戦々恐々としています。使えなくなったら困るというのが当然正直なところですが、そうでなくても、一度権利として発行されたものが会社の都合で紙屑にされるというのは、ちょっと納得がいきません。年金云々の問題は、会社の責任はOBといえども、社員全員でとるべきでしょうから、削られてしかるべきと思いますが、株主のささやかな権利まで手を伸ばそうとは、いかがなものでしょうか。

 JALの株主は、優待券目当てで少数を保有している人も多いと聞きます。新しい会社としても、このようなJALの元株主を継続して受け入れるには、優待券は維持すべきじゃないかと思います。

 以上、新年早々半分個人的な話題でした。。