塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

ドイツの車窓から~貴方の旅行に一振りスパイス~ :「ヴュルツブルク」

2013年02月24日 | ドイツの車窓から
  
 久々のこのコーナーですね。今回はヴュルツブルクを取り上げてみようと思います。ヴュルツブルクといえば、ロマンチック街道の起点の町として日本人にもよく知られた観光地です。主なみどころはマリエンベルク要塞と世界遺産レジデンツとフランケンワインですね。というわけで、この3つ以外で私が見つけたスポットをご紹介します。

 と、その前にマリエンベルク要塞について1つだけ。小高い山の上にあるこの要塞へは、たいてい北側から登って同じく北側へ下りるルートが一般的です。ですが、私は帰りは南側から降りるルートをお勧めします。ちょっと分かりにくい道ではあるのですが、こちらのルートは南から西麓へと山裾のブドウ畑の中を抜ける爽やかな散策路となっています。

 
要塞をバックにブドウ畑を抜ける小路


 この道の行きつく先は、マイン川沿いの聖ブルカート教会です。この教会は、要塞内にある聖マリア教会を除けば、市中でもっとも古い教会だそうです。そんないきさつを知ると、無骨で質素な教会にも何とも歴史を感じます。

 
聖ブルカート教会


 続いてのオススメは、マリエンベルク要塞から谷を1つ挟んだ南側にあるケッペレ(Käppele)と呼ばれる教会です。ケッペレとは通称で、正式には聖母訪問巡礼教会(Wallfahrtkirche Mariä Heimsuchung)というのだそうです。ドイツを代表する建築家バルタザール・ノイマンが手掛けた教会で、ノイマンは何を隠そうレジデンツを設計した人物です。ケッペレへは、麓から延々と続く階段とテラスを越えていかなければなりません。

 
テラスとケッペレ


 
さっきのようなテラスをいくつも登って辿りつきます


 ここからの眺望は、マリエンベルク要塞と違ってまた格別です。当の要塞についても、目線が同じくらいになるので、市街からは見られない真横からのアングルが楽しめます。この教会は、何といっても内部装飾が見事で、宗教施設にはそこまで関心のない私も、思わず目を奪われてしまいました。きらびやかというよりも、荘厳さを感じます。

 
ケッペレからマリエンベルク要塞を望む


 
ケッペレの内部


 最後に、というかちょっとおまけ的な感じですが、もし時間に余裕があればレジデンツの東側、かつての町の城壁の外側を散策してみてはいかがかと思います。かつての城壁外側の堀跡が、市民の憩う自然公園となっています。

 池や木立と城壁のコラボや、寄っても寄ってもなかなか逃げないカモなんかが見ていて楽しいのですが、この公園が他と異なって面白いのは、よく見るとあちらこちらに日本から輸入した樹が植えられていることです。ソメイヨシノに八重桜、そしてカツラなんかが説明付きで植えられています。一応、ヴュルツブルクは大津市と姉妹都市なのだそうです。

 
城壁とカツラの木


 
サクラはまだちょっと若い感じ


 というわけで、日本人にもなじみの深い観光都市ヴュルツブルクについて、蛇足的なスポットをご紹介しました。ロマンチック街道の起点ということで、ここで1泊なさる方も多いと思います。せっかくですので、朝晩あたりはちょっとお決まりのコースから足を延ばしてみてはいかがでしょうか。そして、もちろん〆はフランケンワインですね(笑)。

  



新宿3店舗で割安メガネ選び

2013年02月21日 | 徒然
  
 先日メガネを買いました。といってもメインのものではなくて、サブに使うちょっとカジュアルなメガネです。今まではメガネには結構こだわっていて、毎度それなりのお値段のものを作っていました。逆に、安価なカジュアルメガネは安かろう悪かろうだと思って敬遠していたのですが、最近は値段が安くても品質やサポートもしっかりしたメガネメーカーが出てきていると聞いて、試しに作ってみることにしたのです。

 で、ネットで良さそうなメーカーを3つピックアップして順繰りに訪ねてみました。JINSとクーレンズとZoffの3社ですが、3つとも新宿駅周辺の駅ビルに入っていたので便利でした。

 驚いたのは(というと、そんなことも知らんかったのかと呆れられてしまいそうですが)、レンズのストックがかなりあって、フレームと度数の合うレンズが残っていれば1時間程度で仕上がってしまうんですね。逆にいうと、レンズに合わせてフレームの規格が決まっているということで、このようなところが低価格の実現につながっているんでしょうね。

 もう1つ驚いたのが、私が今回訪ねたメーカーのうち、JINSではレンズの薄さで料金が変わることはないということでした。自分はO9(オーナイン)システムくらい視力が悪く、通常のレンズだと絵に描いたようなビン底メガネになってしまうので、基本的に最薄サイズのレンズにしなければなりません。これまでだと特殊加工レンズということで結局表示価格の倍くらいの特別料金になってしまっていたので、店頭表示価格そのままで作れるというのはかなり衝撃でした。

 基本の料金は3社とも大差はなく、最安でレンズ込みで5000円前後で作ることができます。フレームも、今は昔に比べてかなりオシャレになっているんですね。サブのカジュアルメガネなんで、折角だからちょっと冒険してみようと思い、変わり種っぽいのを選んでみました。今回は1つだけ作ったのですが、1万円にも満たないのですから、ちょいちょい作ってみていろいろ比べてみるというのも楽しいんじゃないかな、と考えています。

 一応、私の感想で3社を比べてみると、まずZoffはフレームのラインナップが一番落ち着いていたように思います。ですから、メインに使う用や仕事で使う用のメガネを買いたいときに良いかもしれません。逆に、目立つフレームを選びたいときには物足りなく感じるかもしれません。

 次に、クーレンズはフレームの種類の幅が広かったように思います。ノーマルなものからカジュアルなもの、あるいはレトロなものまで揃っているな、というのが印象に残っています。残念なのが、ほとんどのフレームが現品限りというところです。私はここに最初に立ち寄って、気に入ったフレームにあたりを付けて他の2店も回ってまた立ち戻ってきたのですが、さっきまであったはずのフレームが見当たりません。訊ねてみると、今しがた売れてしまって在庫は基本的においていませんとのこと。数十分の差で売れてしまうというのも相当な運の悪さですが、メガネという使い捨てではない商品について在庫を置かずにその場で決断しろというような商法もいかがなものかな、とは思いました。

 最後にJINSですが、ここは前述のとおりレンズの価格が均一というのが、私のように近視や乱視の強い人にはとにかくありがたいといえます。だから、というわけでもないのでしょうが、3店のなかで一番賑わっていました。フレームのラインナップにかんしては、少なくはないですが、多いわけでもないといった感じです。

 ここに挙げた感想はあくまで個人的なもので、なおかつ「新宿店」に限ったものですから、3社の全店舗にあてはまるものかは何ともいえません。ただ、メガネとの付き合いは長く深い方だと自負しておりますので、少しでも割安メガネの購入をお考えの方の判断材料となれれば幸いであります。

  



覚えのない商品を送り付けるタイプの振り込め詐欺 : 立て続けに体験した2度の例の紹介

2013年02月18日 | 社会考
   
 突然ですが、平成24年度の振り込め詐欺の被害額は、前年度に比べて増加しているそうです(もっとも、詐欺と判明した金額ということなのでしょうが)。振り込め詐欺というと、まっさきにオレオレ詐欺が想起されますが、ATMなどでの振込を要求される類の詐欺全般を振り込め詐欺と呼ぶそうで、広義には還付金詐欺や架空請求詐欺もこれに該当するそうです。

 昨年末ごろのことなのですが、とうとう私と私の親族にもこの手の詐欺が持ちかけられました。どちらも覚えのない商品を送りつけられて代金の振込を求めるタイプのもので、上記の分類では架空請求詐欺に当たるものかと思います。ただ、請求のみではなく商品と思われるものも一応送付されているので、架空というよりは送り付け詐欺や宅配詐欺とでも呼んだ方が良いようにも思われます。

 まず私の方は、〇川急便からある日荷物が届きました。小さな小包で、見ると電気シェーバーとか何とか書いてあります。そんなものは注文した覚えはないし、そもそも私はカミソリ派なのでシェーバーを買うことなどありえません。誰かがシェーバーの箱に何かを入れて送ってきたのかもとも思いましたが、私の知人に〇川急便で荷物を送る人はいません。

 で、配達票を見てみると、まったく知らない送り主と住所が書いてあります。何より怪しかったのは、電話番号が0の羅列だったことです。これは受け取ったらいかんなと思ったので、配達センターに電話し、引き取ってもらうことにしました。向こうはシレっとしたもので、「受け取り拒否でいいですか?」と抑揚なく聞いてきます。そもそも、0の羅列なんてふざけた電話番号書くような送り主の荷物を引き受けるんじゃないと怒鳴りたかったのですが、言っても仕方のないことなので黙って持っていってもらうことにしました。これからは〇川急便と聞いただけで身構えてかからなければならないということだけは教訓として学びました。

 もう1つは、私の祖父の方で起こりました。ある日、祖父から私の母(祖父の娘)に電話がかかり、娘の紹介ということでサプリメントが届いたから代金を払っておいたというのです。ところが、母にはそんなことをした覚えはなく、そのサプリも会社もまったく知らないものでした。身に覚えがなく要らないものだし、幸い祖父もまだ商品を開封していなかったので、まず私の伯父が会社に電話をしました。すると、一度目は担当者不在なので後ほどかけ直してくれと言われて引き下がり、二度目にかけること今度は待てど暮らせど向こうは受話器を取らなくなったそうです。こちらの電話番号を控えて電話に出ない策にでたものと思われ、かなり悪質といえます。

 これはもはや計画的詐欺だろうということで、伯父が所轄の警察署に訴えたのですが、そこでは「事件性はない」の一点張りで門前払いを喰らいました。しかし、「娘の紹介」という嘘をついて利益を得たわけですから、これは詐欺罪の構成要件に該当するはずです。そこで、もっと上の相談を受け付ける部署に諮らないとダメだろうと考えて、県警の相談センターの電話番号を調べて母にかけ直してもらうことにしました。そこでも最初は「消費者センターに訴えて何とかしてください」と一蹴されそうになったそうですが、「向こうは受話器を取らないという手にでるわけだから、消費者センターに訴えても効果は望めない。こういう時に警察が動いてくれなければ我々はどうやって取られた金を取り戻せば良いのか」とかなり食い下がってようやく腰を上げてくれたそうです。

 で、結局警察から会社に電話をしてもらい、きちんと対応しなければ事件として扱うと通達してようやくことが運びました。しかし、その時も向こうは最後の悪あがきで「そちらから申し込んできたんですがねぇ」と言ってきたそうです。警察が動いたということで、自分達から持ちかけたという事実を何とかして消そうとしたものと推測されます。

 今回、立て続けに2度も同様の詐欺に遭ったことで、いくつかの教訓を得ることができました。1つは、身に覚えのない荷物は、絶対に開封してはいけないということです。開けていなくてもこれだけ面倒なわけですから、もし開けてしまったらより煩わしいことになること必至です。詐欺業者はあの手この手で「開封した」ことを理由にしつこく支払を迫ってくることでしょう。思えば、私に届いた小包の送り主にはプレゼントだか抽選だかの部署と書かれていました。プレゼントや当選商品などと言われると、身に覚えがなくても開けてみたくなってしまうもので、何としても開封させようという相手方の意図が読み取れます。

 2つ目に、警察の手厚い対応を期待してはいけません。とくに所轄署に訴えるのはNGです。桶川ストーカー殺人事件以来、訴えても訴えても動いてくれない警察というのが問題になっていますが、これらはみな最寄りの所轄署を頼った際の対応が問題になったものと思われます。彼らはおそらく、自分達では事件かどうか判断できない微妙な案件には、腰を上げてはくれないのでしょう。それは上の部署であっても同様とは思いますが、上級の相談窓口の方が知識もよりしっかりしているし、取り得る対策の範囲もより広いと考えられるので、こちらに根気強く切実にしつこく訴える必要があります。

 3つ目に、宅配業者も信用してはいけません。配達業者からすれば、受取人が詐欺に遭おうが遭うまいが、それは送り主と受け手の間の問題であって、荷物を届けるだけの自分たちには関係ないことと開き直ることができます。怪しい荷物だから引き受けられませんなどと断れば、それだけ収入が減るわけですから、そんなことは余計な老婆心くらいに考えているのでしょう。彼らは見るからに怪しい荷物も無差別に届けてき得るのだと普段から構えてかからなければなりません。

 祖父のときは私のときと別の配達業者だったのですが、なんと「娘の紹介」と伝えてきたのはこの業者の配達人だったそうです。つまり、詐欺業者が「娘の紹介だからと付け加えて伝えてくれ」と依頼したのを、そのまま引き受けたものと推測されます。いざとなったら「届けただけ」と言い直るつもりであれば、物品の配達以外の業務は引き受けてはならないはずで、配達業者の余計なサービスが詐欺を助長しているといっても過言ではないでしょう。

 今回私たちが遭った詐欺は、泣き寝入りしたとしても数万円程度のものです。だからこそ、業者や警察にあしらわれてしまうと「数万円くらいなら諦めるか…」となってしまっても無理からぬことで、むしろ詐欺業者はこうした心情を狙っているものと思われます。逆にいえば、私の祖父の例のように、警察が業者側に通達を一本入れてくれればそれで解決してしまう問題であり、「警察が動くこと」それ自体が抑止力になります。したがって、「警察が動かないこと」こそが、こうした詐欺を横行させる原因であると言い換えることができます。冒頭のとおり、今年度の振り込め詐欺被害額は前年度を上回っているということですが、私たちが遭ったような小規模な詐欺についてはそもそも申告すらなされていない場合が多いものと思われます。これらの小規模詐欺を加えれば、被害額はさらに増大するでしょう。

 残念ながら、こうした詐欺を防ぐには、各人が「自分は今だまされかけているかもしれない」と常に身構えることしかないのが現状です。みなさまには、ぜひともこうした小規模な詐欺にも十分お気をつけていただき、万が一だまされたと感じたら、辛抱強く警察を動かしていくよう心がけていただきたいと思います。
  
  



体罰を擁護する人々の思考から体罰問題を読み解く

2013年02月10日 | 社会考
  
 桜宮高校バスケ部員自殺事件に端を発する全国の体罰問題がオリンピック競技団体にまで波及している。日本柔道代表の女子選手15人が、代表監督の体罰を全日本柔道連盟を飛び越えてJOCに告発した。代表監督は体罰があったことを認めて辞任したが、全柔連が期待したような幕引きとはならず、それどころか国際的な関心を呼ぶにまで至っている。

 桜宮高校のときもそうだったが、この代表監督についても擁護する声が上がっているという。一応、桜宮高校と違って死者が出ている訳ではないので、代表監督擁護論に対してはそれほど非常識だという反論は上がっていないようにもみえる。

 このような体罰指導者を擁護する人々というのは、当該指導者らを守っているようにみえて、本当に守りたいのは他でもない自分達であるというは、わりと自明なように思える。自分も暴力に訴えることがあるというのなら、当然彼らを守らなければ次は我が身である。そうでなくても、当該指導者に指導された経験がある人や同様に体罰が日常の環境で育ったという人たちは、彼らが否定されてしまうと、「否定されるべき教育を受けて育った人間」というレッテルを背負って生きていかなければならなくなる。そのような不利益は避けたいという思考が、これだけ世間で体罰が問題視されるようになっても、体罰指導者を擁護しようとする一定数の動きが生まれる理由だろうと思う。

 ただ他方で、いかなる体罰も容認されないという方向に国内が完全に傾いているなかで体罰指導者を擁護するということは、当然一般世論からの批判は免れず、そうした批判を念頭に入れない訳にはいかない。にもかかわらず、体罰指導者を擁護しなければ、自分たちが将来にわたって受ける不利益の方が大きいと考えている人々が少なからずいるということが、こうした擁護論を生むメカニズムとなっていると推測される。

 ちょっと簡単に数理的に書き直すと、体罰指導者を容認することで被る不利益<体罰指導者を否定することで自分に貼られるレッテルが生み出す不利益 ということになる。すなわち、「体罰も時には必要」あるいは「愛のムチ」などといった形で、体罰が即座に社会的制裁につながらない気風が厳然として日本の社会に残っていることが、体罰擁護論の温床となっている。したがって、体罰を撲滅させようと思うのであれば、上記の不等式の不等号を逆転させればよい。体罰を擁護することが社会的にどうみつくろっても割に合わない、という環境を作り出すことができれば、自ずと体罰は減っていく方向へ傾くはずだ。

 ここで、唐突だが「体罰」の事例や発言を「痴漢」や「飲酒運転」に置き換えたらどうなるか、考えてみていただきたい。「日常的に飲酒運転を繰り返していた指導者」や「電車内で女性の体を30~40分触っていたが、本人は3~4分程度と言っている指導者」がいたとして、「だけど私たちに大切なものを教えてくれた先生です。辞めさせないでください。」といえるだろうか。とてもじゃないが、無理だろう。訴えたところでカムバックできる可能性はほぼ皆無だし、痴漢や飲酒運転を容認するような態度をとることは社会的リスクが大きすぎる。

 痴漢も飲酒運転も、近年になって厳罰化し社会的監視も厳しくなった事例であり、見つかれば即裁判・即失職である。指導者による暴力についても、このくらいまで法や意識のレヴェルを引き上げれば、相当に効果が得られるはずである。

 さらにもう一点、「体罰」という呼び方そのものが、擁護論者のリスクを軽減させることに一役買っているように思う。つまり、「罰」と書くと何やら受けても仕方ないもののような、受ける側にも原因があるような、暴力行為を正当化するような響きがある。しかし、体罰とは言い換えれば、指導する側と指導される側という絶対的な上下関係のもと、受ける側に抵抗する手段のないなかで行われる一方的な精神的・肉体的な苦痛である。これを何というか。私の頭の中の辞書によれば、これは「いじめ」である。教え子に対して平然といじめを行う指導者が、いったいどのような大切なことを教えてくれるというのか。「体罰」擁護論者には改めて問うてみたい。

 結論として、体罰は即裁判・即失職であるという環境を整備することが、体罰そのものや体罰擁護論者を減らすもっとも効果的な対策の1つであろうと考えている。現行の法律で対応可能であれば、これから被害者がバンバン告訴すれば良いだろうし、不十分というのであれば痴漢や飲酒運転と同様に法改正が新しい罰則規定の制定に動くべきだろう。個人的には、大津市のいじめ自殺問題のときに書いたことだが、「いじめ罪」を新たに設けるべきと考えている。ただの暴行よりも罰則の重い「いじめ罪」を導入し、体罰もこれに充当できるようになれば、社会全体の意識もかなり改善できるように思われる。

  



鳩山会館探訪

2013年02月04日 | 旅行
  
 先週末は風邪をひいて臥っておりました。といっても、とくにどこが痛むとか咳や熱が出るという訳でもなく、ひたすら気分が悪い変な症状でした。おかげで何も手につかず、せっかくの春のような陽気のなか無為にグダグダしている週末となってしまいました。

 そんなわけで今回はリハビリ的な軽めの記事を。先月、鳩山元首相夫妻が中国を訪問し、予想通りの無分別発言をして帰って来られました。この話自体にはさして感想も何もないのですが、鳩山氏の顔を見ていて、そういえば昨年もらったタダ券で鳩山会館に行ってきたことを思い出しました。

 

 鳩山会館は、由紀夫・邦夫兄弟の祖父一郎氏が1924年に建てた私邸で、文京区音羽にあることから音羽御殿とも呼ばれています。1995年に修復工事が行われ、翌1996年から一般公開されています。

 内部は瀟洒な貴族の館といった感じで、現在のお金持ちのお宅公開のようなケバケバしさはまったくありません。基本は外観通りの洋風建築ですが、1階は三間打ち抜いて大広間にできるなど日本建築的要素も取り入れられているようで、非常に価値の高い建築のように思います。

 
1階の1室


 なかでも私が注目したのは小川三知の作といわれるステンドグラスです。三知は日本のステンドグラス工芸のさきがけとなった人物ですが、その作品で残っているものはあまり多くないそうです。慶應義塾図書館のステンドグラスが有名ですが、これは戦後に復元されたものだそうで、鳩山会館の作品は数少ない三知の大作の1つということになろうかと思います。

 
小川三知のステンドグラスその1


 
その2


 とくに2つ目の作品は五重塔をあしらったものといわれていますが、和洋の要素を巧みに取り入れ、西洋の大聖堂で見るのものに劣らない荘厳さを醸しています。塔の上を飛んでいるのは、やはりというか鳩だそうです。注意して眺めていると、他にもあちらこちらに鳩の意匠の装飾が見受けられます。

 

 で、オチというか極め付けというか、今回の記事はこの写真を張りたかっただけといいますか、こちらをどうぞ。

 

 庭園に咲く赤いバラ。その名も「マダム・ミユキ」。説明書きによれば、「華やかさとしなやかさを併せ持つ、まさに幸夫人にふさわしいバラ」だそうな(笑)。もうね、吹き出すのをこらえるので精一杯でしたよ。

 そんなマダムのアップ写真で、今回は〆にしようと思います。