塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

ボールは知人

2005年10月31日 | 徒然
今回また富樫先生は「作者都合のため」休載です。
そんなにめんどいならオトしにくい話を作るなよ。

 さて昨日味の素スタジアムにサッカー観戦に行きました。勿論自分でチケットなど買う訳もなく、一枚余ったと誘われました。明らかに人選ミスです。
 大阪対東京の試合で、大阪が今首位だから東京を応援するようにと念を押されました。というか、会場は既に大阪を応援できるような雰囲気ではありませんでした。
 結果から言うと、試合を生で見に行って自分の応援した方が勝ったのはこれが初めてでした。これが為に、今まで大学野球も観戦を控えていたのですが、そのジンクスが漸く取り払われた気がします。

 選手は果たせるかな両チームあわせて大黒しか知りませんでした。しかし、その名前はむしろ、選手紹介時に沸き起こった荒滝のようなブーイングで印象に残っています。なまじ某赤い国々を馬鹿に出来ないんじゃないかというくらいの大音響でした。

 もう少し書けるかなと思ったけど、意欲が程よくなくなってしまいました。この手の話題に対する僕の興味のなさを如実に語っています。





宮城県知事選に寄せて

2005年10月25日 | 政治
 突然ですが、今日は先だっての宮城県知事選について書いてみようかと思います。
 本当は投票前に一本書きたかったのですが、いつの間にやら大分時間が経ってしまいました。

 さて、選挙の結果ご存知の通り自民党推薦の村井嘉浩氏が大差で民主党候補を下した。これに関しては各紙見比べてみると、朝日新聞がやや詳しく追いかけているように思われる。ただどのメディアを通してみても、今回の選挙では浅野史郎現知事と浅野県政がキーワードであることが分かるだろう。
 現在3期目を務めている浅野史郎知事は厚生省の出身で、1993年(平成5)ゼネコン汚職で宮城県知事と仙台市長が逮捕されたのを受けて知事選に無所属で出馬、脱政党を掲げて当選した。浅野知事は自身の県政というよりも、そのメディア露出の多さで全国的にも名を知られている。
 今回も4期目を目指すものと思われていた浅野知事だが、突如として不出馬を表明したために、各党は性急な候補者選びを迫られた。当初浅野知事は不出馬とともに後継者は指名せず、知事選にもタッチしない旨を言明していた。
 しかし各業界団体の支援を受けた自民党推薦の候補者が「反浅野」を掲げて支持を広げると、浅野氏は「県政継承」を掲げた民主党推薦の候補者の全面支援に乗り出した。
 結果、自民党村井氏の圧勝となったが、これは必ずしも衆院選以来の自民党旋風や浅野氏の態度転換に対する疑問だけが原因ではない。その中心となったのは3期12年にわたった浅野県政に対する総合的な評価といえるだろう。
 前述の通り、汚職事件で癒着政治に対する批判が高まった背景の下に誕生した浅野知事は、当時新時代の地方為政者としてもてはやされた。3期12年の長期政権を支えたのは、仙台人が向東京一辺倒とでも言うような気質であることもあって、まず第一に知事個人の都市型ニューリーダーのイメージであった。

 自然、実際の施政に対しては「パフォーマンスに過ぎる」との批判が常時付きまとっていた。東北地方紙『河北新報』によれば、選挙直前の浅野県政に対するアンケートで7割が支持したとの記事が掲載されたが、内訳を見るとその大部分が「どちらかといえば評価」であり積極的な支持ではないことが伺えた。すなわち多くの県民は、何をしているのかはよく分からないけど悪いことはしていないのだから汚職で捕まった前職よりは良い、というような消極的支持に留まっていたと考えられる。
 もちろん今の解釈はあくまで推論に過ぎない訳だが、直接県政に関わる経済界や県内自治体などは強引な浅野氏の政策にたびたび煮え湯を飲まされてきた。浅野氏の支持基盤は基本的に勝手連が中心であるため、浅野県政の手法は定期的に支出の蛇口をどこか適当に選んで閉めにかかることでメディアに行動をアピールするというものであった。
 最近の例として全国紙に載ったのは県警の警察報償費の問題である。これは犯罪情報提供者に報償として支払われる非公開の財布で、浅野知事はこれを「不透明」として財政執行停止処分とした。オンブズマンなどの市民団体も逸早くこの話に飛び乗った。知事サイドと県警の仲は一気に険悪となり、県や県警の業務に大きな支障をきたした。
 しかし少し考えれば分かるが、機密裏での報奨は治安上重要な手段であり、不透明で当然の支出である。見えないから見えるようにしろ、と普遍的な大義を振りかざすには余りにもピンポイントな指摘であり正当性を欠く。
 結局今回当選した村井氏は、就任の日にこの報償費の支出凍結解除することを表明し、県民の間に目立った反対は見られていない。

 今回の宮城県知事選が、他の都道府県知事にどのような影響を与えるかは分からない。浅野知事が全国でも異色の存在であったことも事実であり、今回の選挙事例が即座に今後の地方自治に適応できるかは未知数だ。
 ただ、今回の知事選の特色として挙げられるのは、脱政党知事浅野県政への評価が草の根レヴェルでも変化してきたことといえるだろう。