塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

仙台探訪①:塩竈

2009年05月15日 | 仙台
  
 GWを郷の仙台で過ごしてきました。帰郷すると、祖父母と一緒に温泉や海などへ遠出するのが慣行でしたが、今年は未曾有の交通渋滞などもあり、ゆっくりのんびりしてきました。代わりに、多賀城や塩竈など仙台近郊をぶらぶらしてきました。

 ところで仙台というと、出張のメッカではありますが、観光という面ではピンと来ない人が多いのではないでしょうか。かくいう自分も、城跡はともかく観光名所というようなところを見て回った記憶が余りありません。市も県も、観光PRするのは山里の温泉ばかりで、市街近縁についてはほとんど何もしていないように見えます。

 そこで突然ですが、今後気が向いた限りで、市街や近郊のスポットを少しずつ自分なりに紹介してみようかと思います。一般には詳しく取り上げられないようなところを中心にやって行こうと思っているので、結局大して面白くない話になってしまうかもしれません。また、知識や趣味の偏った人間の視点ですので、デートなんかに向いているかどうかも難しいところです(笑)。

 第一回として、今回は塩竈市を取り上げようと思います。塩竈は、仙台からJR仙石線で30分ほど、松島湾に臨む港町で、大友康平や山寺宏一の出身地だそうです。その歴史は大変古く、古代多賀城が置かれた際に海の玄関口として開かれた頃に始まります。当時の海岸は、現在の本塩釜駅よりさらに奥まで入り組んでいて、穏やかな松島湾に面した天然の良港でした。


塩竈神社前庭から塩釜港と町並みを望む


 その入り江に迫る丘陵の上に、塩竈最大の名所鹽竈神社があります。塩竈の地名は、そもそもこの鹽竈神社によるもので、祭神がこの地に製塩を伝えたとする伝承に始まります。陸奥国一之宮として、今なお仙塩地方の信仰を集めている大きな神社です。港町の神社だけあって、航行安全や交通安全にご利益があると言われています。


塩竈神社参道「表坂」


 その歴史に比した重厚な社殿や周囲の老木は見事ですが、より一般的に知られているのは、境内に古代よりあったとされる八重桜の固有種シオガマザクラです。天然記念物に指定されているこの桜は、薄桃色の何十枚という花弁を付けて観光客の目を毎年楽しませています。また、この桜に寄せて、社地周辺には全国の桜の珍種があちらこちらに植えられており、4月中旬から5月初旬にかけて神社を彩っています。


シオガマザクラ


 鹽竈神社を下りて大通りを越えると、もう一つ御釜神社というのがあります。この神社は大きくはないのですが、塩竈の由来となった、海水を炊いて製塩するための大きな釜が「神竈」として安置されています。この釜、以前は普通にだだ置きされていて誰でも見ることが出来たのですが、いつの間にやら覆屋が設けられ、100円払わないと見られなくなっていました。個人的には、そこまでして見なければならないものではないと思いますけど(笑)。

 御釜神社の前の通りが、塩竈の町のメインストリートです。こじんまりとした商店街は、地方都市のご他聞に漏れず、郊外型の大型店舗に負けてすっかり寂れています。それでも、本塩釜駅前の魚市場は小さいながらもまだ活気が残っています。市場の入り口の寿司屋は、この界隈では有名店らしく行列が出来ていました。

 また、通りの一角には、宮城を代表する銘酒「浦霞」で有名な佐浦酒造があります。店内では、300円で浦霞の銘入りのお猪口を買えば、カウンターで試飲が楽しめます。僕は、試飲で金を取るような酒屋では絶対に買わないと決めているので、雰囲気だけ味わってきましたが、浦霞自体は全国に誇る銘酒と思っていますので、皆さん是非お試し下さい。


佐浦酒造


 余談ですが、この佐浦酒造の向かいには、昔僕の曾祖母の実家があったそうです。戦前は船を何隻も所有する大問屋だったそうですが、今では駐車場になってしまっていました。

 さて、山の手から一転して海岸に出ると、フェリー乗船場(マリンゲート塩釜)に並んで魚市場や仲卸市場があります。塩竈は、実はマグロの漁獲高日本一だそうで、様々な海産物を安価で求めることが出来ます。ついでに寿司屋の密度も日本一だそうで、観光案内所で寿司屋マップをもらっておくと良いでしょう。

 魚介のお土産を手に、ここで帰路に就いても良いのですが、時間があればフェリーに乗って松島へ向かうことをお勧めします。一時間弱のクルーズで、漁港の様子や、造船所のドックなど見ながら塩釜を後にし、松島の雄松奇岩を間近で眺めることが出来ます。

 もちろん逆コースもまた然りで、塩竈は仙台や松島観光で時間が余ったようなときにちょっと寄るには格好の町かなと思います。

   



GW

2009年05月01日 | 徒然
  
 愈々ゴールデンウィークですね。世間ではやれ16連休だの高速料金1000円だのと騒いでますが、ETCを付けていない我が家には関係のないことです。。

 さて小生は明日よりしばし仙台へ帰郷します。その間は完全オフライン生活となります。

 ではでは、ご報告まで。