塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

秋風人情奥尻島:前編

2017年10月30日 | 旅行

先月になりますが、北海道の奥尻島へ行ってきました。ふとした旅行なのですが、経緯を説明すると長くなってしまうので、ここでは割愛します。よく稚内の西の利尻島と間違えられますが、奥尻島は渡島半島の西にあります。行き方は江差(または瀬棚)からフェリーか、函館から飛行機で渡る方法の2通りあります。私は、羽田から飛行機を乗り継ぐルートで行きました。

函館から奥尻空港までは、北海道エアシステムという地域航空会社の運航するプロペラ機に乗ります。1日1便、奥尻へ飛んだら返す刀で往復するので、飛行機では日帰りはできないことになります。



人生初のプロペラ機ということで大興奮!機内は座席が3列しかなく、思ってた以上に小さく感じました。小さいだけに、ちょっとしたことで揺れまくるのも面白かったです。飛行時間は正味20分くらいしかなかったのですが、その間にCAの方がおみやげ販売に回って来られたので、せっかくですからおつまみセットを購入しました。

奥尻空港は、島南端の青苗地区のすぐ近くにあります。この地区は、20代以下の人は知らないかもしれませんが、1993年の北海道南西沖地震で、壊滅的な津波被害を受けたところです。当時、青苗の岬周辺には人家がたくさんありましたが、地震発生からわずか数分後に時速500kmといわれる津波に襲われ、一切合切が飲み込まれてしまいました。そのため、岬一帯は災害危険地域としてメモリアル広場となり、その他のエリアも低地については6mのかさ上げが成されています。


岬の先端部。かつては人家がたくさん建っていました。
大きな建物が津波館。



慰霊のモニュメント



人家の建つところはかさ上げされています。


津波館を見学した後は、青苗をひたすらブラブラ。とくに「観光」というようなところはほかになく、することもないので地区内をくまなく歩きまわりました。やはり島だけあって、人に出会えば自然と会話が始まります。そんなのんびりした時間を過ごすのが、離党を訪ねる醍醐味のひとつですね。

ちなみに、青苗は南に細く突き出た岬の地区なので、朝日と夕日の両方が美しく望めるのが見どころのひとつです。朝日はちょいと起きられなかったのですが、水平線に沈む感動的な夕日を拝むことができました。


青苗の東側の眺め。



水平線に沈みゆく太陽。


宿は2泊青苗に。夜はなるべく外で食べたい人なので、朝食のみで泊ったのですが、青苗には夜まで開いているお店が1つしかありません。フェリーの発着する東岸の奥尻地区なら飲食店がもうちょっとあるようですが。というわけで、2晩とも青苗唯一のお寿司屋さんにお世話になりました。

ウニ…は7月中旬から8月中旬までしか獲らないのだそうで、残念ながら時期外れ。それに加えて今年はイカが壊滅的に不漁だということでした。それでもアワビの踊り焼きやイカの肝の沖漬けにギョウジャニンニクなどなどいろいろ出してもらって、酒飲みとしては十分満足でした^^

隣に座った常連のお客と話が盛り上がり、その人がもう1軒いくから付き合うかというので、スナックへお供することに。青苗には飲食店は2、3軒しかないのに、なぜかスナックが4、5軒あります。島の数少ない夜の娯楽ということなのでしょう。ここで飲んで歌った人たちとの何人かとは、後日また道端でばったり出会いました。そんな都会ではありえない距離感が、なんとも心地よかったです。