塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

民維合同、新党名募集雑感

2016年03月07日 | 徒然
 
今月中の合同を予定している民主党と維新の党が新党名を公募しているそうですね。小生からみれば、とってもとってもどうでもいい話なのですが、意外と(?)世間の関心は小さくないようで、すでに2万ほどの応募があったようです。

自民党(自由党+民主党)のように両方足し合わせてしまえばいいような気もしますが、民主維新党(略して民維党)や維新民主党(略して維民党)では確かに語呂が悪いようにも感じます。

であれば、「維新」の語を同義語に置き換えてみてはどうでしょう。すなわち、民主革命党(民革党)ないし革命民主党(革民党)ではいかがでしょうというのが、私からの提案です。自民党との対決姿勢もはっきり示せて、ばっちり印象にも残ります。

ここで、おや?と思われた方もいるのではないでしょうか。今の維新の党は、解党したみんなの党の片割れである結いの党が前身ですが、もともとの名付け親はおおさか維新の会を設立した橋下徹氏です。橋下氏というと、慰安婦発言に代表されるように、どちらかというと保守的なスタンスというイメージの強い人物です。それなのに、維新の同義語が革命というのでは、まったく逆ということになります。

そもそも「維新」とは、『詩経』の一節「周雖旧邦其命維新(周は旧邦といえども、その命これ新なり)」が初出といわれています。もともとは「これ(維)新なり」と、状態を表す言葉であったものが、明治維新において「これを新たむる」という動詞形として使われ、以来現在に至るまで定着しています。橋下氏の維新の会も、念頭にあるのは明治維新だと思われます。ここで、間違えてはならないことは、明治維新とは革命に他ならないということです。

革命とは旧体制および支配母体の変革であり、徳川幕府を滅ぼして樹立された明治政府は、間違いなく革命の産物です。「明治革命」ではなく「明治維新」と呼ばれるのは、おそらく当時はまだ革命という言葉が一般的でなかったからでしょう。あるいは、やはり漢語である「革命」が、もともとは中国での王朝交代を指す言葉だったので、明治維新前後も一貫して天皇制が続いていた日本にはそぐわないと判断されたのかもしれません(事実、英語でも一応"revolution"という単語は用いられていません)。

いずれにせよ、維新(これをあらたむる)という語が革命(命をあらたむる)と同義であることは疑いのない事実であり、保守派の橋下氏が用いるのには違和感を覚えます。そして皮肉なことに、民主党や庇を借りて母屋を持ってった現維新の党の方が、名付け親よりも「維新」の語を冠するのに相応しいように感じるのです。

とはいえ重ねて言いますが、民主党と維新の党が合同して何党を名乗ろうが、酒のつまみほどにも気にはならないのでした。

  



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