JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

利島移動運用メモ

2008-09-25 | インポート

利島移動運用メモ


 


[東京都利島村]
利島村は東京都に属します。伊豆諸島および小笠原諸島の町村は日本で唯一所属する郡がないため正式な住所は東京都利島村です。利島村を所管している東京都総務局の出先機関は大島支庁です。



利島村は利島1島のみを村域としています。伊豆大島と新島の間にあり、東京から約140km離れています。面積で見れば東京都で一番小さな自治体です(人口では青ヶ島村が最小)。人口は約300名。島内のほとんどを占める椿から取れる椿油(生産量日本一)とイセエビやサザエの漁が主な産業です。



渡島が難しいことから観光客は少なく、観光地としての整備もほとんど行われていません。椿の花のシーズンは特に風が強く、船が着かないため観光資源にできないのだそうです。利島は宮塚山という単独の火山がそのまま島になったもので、形の整った円錐形の島です。宮塚山は少なくとも数千年火山活動を休止した状態だと言われています。



ちなみに電気は島にある小さな発電所で、水道は海水淡水化施設で作っているそうです。島に高校はなく、船のダイヤや就航率を考えれば大島や新島の高校に通うことも不可能なため、多くは本土の高校に進学し下宿して通っているそうです。



10004は大島からのQRVが多く、新島と神津島にHFでアクティブな固定局が1局ずつおられますが利島には144/430のFMのみ免許された局が1局おられるのみです(現在QRVしているのか不明)。従って移動運用でしかQSOできないようです。渡島が難しいため移動運用も年1回あるかないかのようです。10004では最難関と言えます(私も利島のみQSOしたことがありません)。


 


 


[島内での運用]
本土まで近いためV/UHFの簡単な設備でも十分楽しめます。HFにおいてもかなり呼ばれるはずです。


 


最高峰である宮塚山の頂上には展望台があり、ここからであれば割と簡単に3エリアも狙えます。しかし登山道の整備がされておらず、倒木があったりジャングル状態になっているそうで、草木の茂っていない春先程度しか使えそうにありません。


 


他では島の東にあるウスイゴウ園地などが使えます。西が狙えない欠点がありますが1エリアへはよく飛びます。舗装道があるため車でも行くことができます。


 


利島は集落や港以外へは送電されていません。上記運用地では運用のための電源確保(夜間の場合は照明の電源も)が必要です。


 



[島へのアクセス]
東海汽船の大型客船とジェット船が大島経由で就航しています。下田からの神新汽船も1日1便立ち寄ります(片道のみ・水曜休航)。




神新汽船も含めダイヤ等は東海汽船のサイトで確認してください。東海汽船のダイヤは季節や曜日で大きく異なり、同じ季節でも年によって全く違うダイヤということもありますので、当月のダイヤを確認の上乗船してください。

 

利島港は桟橋が海に突き出ただけの貧弱な港で、風や波の影響を強く受けます。夏は比較的就航率が高いものの、季節風の強い冬は就航率が極端に低くなり数日欠航が続くことも珍しくありません。渡島の難しい島ですので天気や運航状況をよく確認して利用してください。特にジェット船の就航率は低く、夏場以外はあてにならないと思った方がいいです。


 


利島は乗降客や荷役がきわめて少ないため、どの船もこれらが終わるとさっさと出航します。到着の場合予告アナウンスがあったら下船口で待機してください。利島から乗船の場合も到着30分前までに待合所での乗船手続きが必要です。乗船手続きをする客がゼロで荷役もない場合、寄港せず通過することもあります。


 


比較的確実に運航する大島までのヘリコプターもあります。定員が9名と少なくすぐに満席になること、アンテナなど大型の荷物が積めない欠点があります。しかし船が欠航した場合などに島から脱出する手段として貴重です。予約は東邦航空まで。


 



[島内でのアクセス]
バスやタクシーはありません。宿で車の貸し出しをやっている場合がありますので予約時に確認してみてください。レンタサイクルやレンタルバイクはないようです。


 



[宿泊施設]
旅館1軒、民宿(季節営業含む)6軒があります。観光協会がありませんので詳しくは村のHPまたは村役場に電話で問い合わせてください。宿泊の際は予約が必要です(飛び込みの場合は最悪食事なしになることもある)。利用予定の船を伝えておくと港まで迎えに来てくれます。キャンプや野宿は全島で禁止されています


 


どの宿も釣り客がメインなので、宿泊予定の宿に海況を相談すると教えてくれると思います。


 



[島内の店]
商店が数軒、食堂が1軒あります(2軒説もあり)。一番商品の揃っているJA利島は日曜休み、食堂も営業しているのかどうか分からない状態(予約があると営業する?)です。商店の自販機は24時間動いていますので飲料水の確保は可能です。必要な物は予め用意して島に持ち込む方がいいでしょう。昼食も宿に相談し用意してもらうかお弁当を作ってもらうのがベターです(商店でのお弁当の販売はなし)。予約時に相談してみてください。その他スナック1軒があるらしいです。


 


金融機関は郵便局があるのみです。JA利島にはATMが設置されていませんし、伊豆諸島の地元金融機関である七島信用組合も利島には支店がありません。


 



[注意点]
帰りの船が欠航になり島に閉じこめられることもあります。この場合泊まっている宿で出港まで泊めてもらえますがその分宿泊費がかかります。万一の際に備え郵便局のキャッシュカードか多めの現金を用意して渡島してください


 


夜行の客船と午後のジェット船を使えば日帰りも可能なんですが、途中で天候が急変し帰りの船が欠航することもあり得ますので注意してください。野宿やキャンプのできない利島では海況の安定した季節以外は島に1泊した方が安全です。


 


島は湿度が高く、タオルなんかはなかなか乾きません。


 



[おみやげ]
椿油・サザエ・イセエビなど。椿油はJA利島、海産物はJF利島で扱っていますが、JAは日曜休み、JFも品があるときだけという状態です。質がよいと評判の利島の椿油は竹芝のターミナルにあるアンテナショップ「東京愛らんど」でも扱っていますので、こちらでの入手が便利です。


 


以前JAでは利島のサクユリの球根を材料にした「さくゆり焼酎」を売っていましたが現在は製造が中止されており入手できないようです。



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