お盆旅行の行先を奈良にしたのは、この二つの行事を久しぶりに体験したかったからだ。
東大寺では、8月13日と14日、大仏殿の夜間参拝(無料)が行われる。8月15日は万灯供養会(要拝観料)だが、今年は灯籠の設置は行われなかった。3日間とも大仏殿正面の観相窓から大仏様のお顔を拝顔することができる。私は、14日に参拝に行った。
拝観券売り場を素通りして(手指の消毒はあり)多くの人々がうきうきと大仏殿に吸い込まれていくのは、なんとも気持ちがいい。大仏殿の、本来あるべき姿ではないかと思う。中国系の観光客は以前ほど多くなかったが、なぜかインド系(?)らしきグループが目についた。大仏様も開眼供養を思い出しておられたかもしれない。
正面の八角灯籠、灯が入ると夢のように美しい。
大仏殿の向かって右(東側)の出口を出ると、鏡池の周囲をまわって南大門方面に向かうよう誘導される。鏡池を挟んで、ライトアップされた大仏殿が浮かび上がる(池にも映る)のも見どころ。
春日大社の中元万燈籠は、8月14日と15日に行われるが、この日は東大寺だけにして、春日大社は翌15日に参拝した。三条通りから一之鳥居をくぐって、まっすぐな表参道を歩く。最後のバス通りを渡って神域の森に入るところに「若宮正遷宮」の燈籠を掲げた門がしつらえてあった。いよいよ今年10月28日は本殿遷座祭なのだな。
門を入ると、参道の右側(飛火野側)には、春日大社の由来を物語る、美しい燈籠が並んでいた。これは今年限りの特別なしつらえなのか、いつもあるものなのかはよく分からない。
少し並んで春日大社本殿(回廊内)を拝観。万燈籠の拝観(有料)を申し込むと、回廊をぐるりとひとまわりして、吊るされた燈籠を楽しむことができる。
本当の意味の「本殿」の正面(中門)では「正面からの撮影はできません」と注意される。この角度は、まあ許容の範囲。
以前来たときは、直江兼続奉納の釣燈籠を発見できたのだが、今回は見逃した。自分のブログ(2010年)を読み直したら、そうか、本殿中央の左側だったかー。
この日は、奈良大文字送り火も行われる予定だったので、飛火野で見物する。20時になると、暗い夜空に「大」の文字が赤く浮かび上がった。なお、今年は昨年に続き規模を縮小しており、高円山で点火する「大」の字の火床数は半数(54基)に減らして実施したとのこと。そのせいでもないのだろうが、私のスマホでは「大」のかたちが分かる写真が全く撮れなかった。
帰りみち、猿沢池のあたりで振り返ってみたら、空の高い位置に小さく「大」の字が見えた。こちらのほうがまだマシに撮れたので写真を残しておく。
楽しかった。京都の大文字も、しばらくぶりにまた見に行きたいなあ。