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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

特別な週末・葵祭2010〈近衛使代列〉

2010-05-16 23:58:06 | 行ったもの(美術館・見仏)
次回観覧のためのメモ。

乗尻(のりじり) 左方は赤闕腋(けってき)の袍に萌黄色の指貫、赤の裲襠(りょうとう)をはおり、銀造りの虎の尻鞘の太太刀。右方は葡萄(えび)色闕腋に紺の裲襠、金造りの豹の尻鞘の太太刀…とパンフレットに説明されているが、ちょっと実際と異なるように思う。左右×3人ずつ。



検非違使志(けびいしのさかん) 六位。巻纓冠・老懸(おいかけ)。縹色(※濃藍)闕腋、青朽葉色の半臂と裾、紅の単、赤大口に白無地表袴、黒鞘銀造りの野太刀、紺の平緒、靴の沓(かのくつ=正確な字は革偏に華、足首までのショートブーツみたい)。背中の狩胡簶(かりやなぐい)が、いかにも武官らしい。



検非違使尉(けびいしのじょう) 五位。巻纓冠だが老懸は付けない。朱紱(しゅふつ)色(※黄味がかった朱)の縫脇袍。沃懸地(いかけじ)銀造りの野太刀。弓矢は調度掛(ちょうどかけ)に持たせる。靴の沓(かのくつ)。馬の三懸(さんがい)は辻総、手綱とともに朱紱色。表腹帯は紺地金。武官も高官だと文官と見分けがつきにくい。



鉾持(ほこもち) 検非違使庁の役人。「放免」のことらしい。下賀茂神社で買ったパンフレットには「立烏帽子に摺染格子縞の水干」とあるので、左はそれと分かるが、右もそうか? 「よじれた長い木の柄に古風な鉾をつけ菖蒲革で包んだのを持っている」というのは、あまり当たっていないが…。網野善彦氏に「放免」の派手な衣裳を論じた文章があったことを思い出す。もうちょっと恰幅がよくてコワモテのお兄さんに演じてほしい。

 

山城使(やましろのつかい) 山城国介。五位文官。垂纓繁文の冠。緋色の縫脇袍、六尺の裾(※長い)。石帯に木地螺鈿の細太刀。馬の鞍と鐙は梨子地蒔絵、緋色の厚総、熊皮の泥障(あおり)、手綱は樗緂絹(あうちだんのぬの=白と紫青色のだんだら染め)、表腹帯は赤地錦。



内蔵寮史生(くらりょうのししょう) 賀茂両社に納める御幣物(ごへいもつ)を入れた櫃の後につき従う。七位文官。両社にひとりずつ参向する。垂纓冠、縹色の縫脇袍、二藍色の裾、大帷子、石帯。



馬寮使(めりょうのつかい) 左右馬寮から献上する御馬(走馬)に従う。六位武官、左馬允(さまのじょう)。巻纓冠、縹色の闕腋纔着(さいじゃく)、藍色半臂、藍色大帷子。黒漆銀造りの野太刀に水豹の尻鞘。鷲羽の平胡簶(ひらやなぐい)を負い(これが目立つ)、紺地の靴の沓(かのくつ)。



舞人(まいびと) 近衛府五位の武官。牛車の後、勅使の前に6人が騎馬で従う。巻纓冠、老懸、緋色無地の闕腋、縹色の下襲(したがさね)、白平絹箔押摺袴(はくおしすりはかま)というのは、右脚がちらりと見えているように文様を摺ったもののことか。黒漆銀造りの剣(太刀に非ず)、糸鞋(しかい)を穿く(舞楽の舞人が履く、足にぴたっとしたズックみたいな白靴か)。馬は蒔絵鞍に緋の三懸、小総あり、切付は虎皮、泥障は熊皮、手綱は紺緂布(こんだんのぬの)。



陪従(べいじゅう) 近衛府五位の武官で雅楽を奏する。計7人。巻纓冠、濃い葡萄(えび)色の闕腋に蛮絵模様が入っている(胸と袖)。紫末濃(色づかいがグラデーションになっている)の指貫を穿き、剣を帯び、馬は黒漆巻絵の倭鞍、手綱は紺淡[緂カ]布。



近衛使代(このえつかいだい) 四位近衛中将。行列の最高位。束帯姿、黒色の闕腋。右腰に銀装の魚袋を下げる。金色飾太刀。馬は唐鞍で飾馬(かざりうま)ともいい、顔面をかぶらせ、輪鐙を用い、尾袋をつけて唐尾に結ぶ。とにかくこの馬が目立つ。近衛使代は、せめて壮年の男子に演じてほしい。光源氏を彷彿とさせてくれないと…。



??? 近衛使列(本列)のあとに、風流傘が続き、さらに女官を中心とした斎王代列が続く。この近衛使列と斎王代列の間に、一見して分かる特異な馬に乗った人物がいた。パンフレットには乗っていないが、上賀茂神社の神職の方ではなかったかと思う(間違ったらごめんなさい)。



参考:賀茂御祖神社「葵祭」パンフレット(1/17記)
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