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見もの・読みもの日記

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2025年5月関西旅行:帰ってきた泉屋博古館(リニューアル)

2025-06-03 22:24:41 | 行ったもの(美術館・見仏)

泉屋博古館 リニューアル記念名品展I『帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち』(2025年4月26日~6月8日)

 関西旅行初日。京博のあとは、見たかった展覧会を順番に訪ねた。まずは1年の改修工事を経て再開した同館へ。建物へのアプローチがちょっときれいになった感じがした。玄関を入ると、新しいチケット売り場のカウンターができ、グッズ売り場が広くなるなど、細やかな改修が施されている。しかし基本構造は変わっていないのかな、と思いながら、企画展示室のある2号館に向かったら「←(左向きの矢印)」が表示されていて戸惑った。今まで企画展示室の入口は右手の奥だったのだ。

 左手に進むと、遮光性の高い黒い扉が開いて、初めて見る空間が現れた。なるほど、以前の展示室の突き当りに(狭いながらも)新しい展示室を設けたわけだ。冒頭には能面の『白色尉』と能装束(?)の白い狩衣。あとでリストを見たら泉屋博古館東京の所蔵品だった。ほかに中国の金銅仏、唐代の舎利容器、高麗仏画の『水月観音像』、木彫毘沙門天立像などは、同館で何度も見たことのある名品中の名品で、まさにお帰りなさい!と言いたくなる。展示ケースの前にふかふかのソファが設置されていたのも嬉しかった。

 隣りの、以前の企画展示室には、おなじみの大好きな絵画が勢ぞろい。右手の壁際に掛かっていたのは、華嵒『鵬挙図』、沈銓『雪中遊兎図』、伊藤若冲『海棠目白図』、椿椿山『玉堂富貴・遊蝶・藻魚図』3幅対など。中国絵画も日本絵画もどれもよい。覗き込むタイプの平置きケースには、石濤(石涛)の『黄山図巻』と『黄山八勝画冊』が出ていた。後者は瀑布の前に佇む白衣の人物が描かれており、岩の青が目に沁みて美しかった。ん?『廬山観瀑図』は出てないのか?と思ったら、左手の壁際ケースに掛かっていた。もっと大きな作品のイメージだったのに、記憶より小さな画幅で気づかなかったのだ。黄色と青を混ぜたような、中間色の岩肌が美しい。ああこれ、李白の『望廬山瀑布』の風景を写しているのか、と解説を読んで初めて気づいた。

 八大山人(朱耷)の『安晩帖』は、監視員席のそばの単立展示ケースに入っていて「叭々鳥図」が開いていた。拡張されたミュージアムショップでは青銅器のぬいぐるみを売っていたけれど、このふわふわ叭々鳥のぬいぐるみを作ってくれないかな。アクスタでもいいけど。あとは、鼻煙壺や文房具・印材などのきれいな小品を集めて、民藝館みたいな見せ方で展示したケースも面白かった。

 時間がないと飛ばしてしまう、1号館の青銅器展示室も、今回はひとまわりしてみた。写真撮影しているお客さん多し。虎卣(こゆう)を撮影していたお兄さんがあまりに熱心なので、私は近づくのをあきらめてしまった(また次の機会があるだろうからいいやと思って)。

 なお1号館には、眺めのよいガラス張りの休憩室がオープン。もとからあった空間をリニューアルオープンしたものだという。「饕餮の間」というセンスがいいのか悪いのかよく分からない(笑)名前がついており、緑茶やジャスミン茶の無料サーバーをありがたく思った。


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