見もの・読みもの日記

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2008リアル初詣・高麗神社(埼玉県)

2008-01-14 23:17:41 | 行ったもの(美術館・見仏)
○高麗神社~聖天院(埼玉県日高市)

 三が日は「博物館に初詣」しかしていなかったので、今週はリアル初詣。埼玉県に高麗(こま)神社があることは、ずいぶん前から知っていた。朝鮮半島の古代国家・高句麗ゆかりの古社である。高句麗といえば、建国の英雄・朱蒙もドラマ化されたし、19代広開土王をペ・ヨンジュンが演じた「太王四神記」も始まったところだし、ちょっとブームだろうか。

 西暦668年、唐と新羅の連合軍によって高句麗国が滅亡すると、多数の遺民が日本に渡ってきた。716年、東国各地に散在していた高句麗人を集めて高麗郡が設置され、高麗王若光が首長に任ぜられた。その若光が没した後、「高麗明神」として祀ったのが、高麗神社の起源と言われている。

 JR高麗川駅を下りると、韓国の田舎でよく見る長生(チャンスン)(男神・女神を対にした神柱)をかたどったモニュメントが駅前広場を飾っている。要所要所に取り付けられた案内板に助けられ、のどかな田舎道を歩くこと20分ほど(途中に牧場を見下ろすビューポイントあり)。駅からの道では、ほとんど人に会わなかったが、着いてみると、多数の参拝客の車が、ひっきりなしに駐車場を出入りしていた。参道と本殿の左手には、ひっそりと奥深い森が広がっている。参拝のあと、ちょうど神楽殿で巫女舞が始まり、楽しませてもらった。



 ちょっと面白い見どころは、参道入口に掲げられた参拝者の芳名板。政財界から学術・芸能界まで、実に名士揃いなのである(Wikipediaにも記載あり)。どこに注目するかは、人それぞれだと思うが、私はやはり、日本と朝鮮・東アジアをめぐる”名士”たちの名前に目が行ってしまう。川島浪速・川島芳子・斎藤実・南次郎・白鳥庫吉・伊東忠太・李厚洛など。新しいところでは、東大の早乙女雅博先生(韓国朝鮮文化研究専攻)の名前もあった。あと、岡野玲子・手塚真夫妻の名前も。

 高麗神社の近傍(徒歩5分ほど)には、聖天院(しょうでんいん)がある。高麗王若光の菩提寺と伝えられる寺で、山門の脇に若光の廟が設けられている。



 廟の入口に、妙に立派な黒御影石の碑が立っていると思ったら、揮毫者に「金鐘泌」(朴正熙大統領時代の国務総理)とあった。実は、奥の植え込みには「大正11年」と読める石碑が打ち捨てられていて、ほとんど読めなかったけど…気になった。本堂の裏山には、巨大な在日韓民族無縁仏の慰霊塔が建立されていたり、はるけき古代史の里かと思ったら、なかなか生々しい近現代を感じさせる場所である。
コメント
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