「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「エルガー プラス」のおかげで息を吹き返した我が家の真空管

2015年10月20日 | オーディオ談義

「またSACDがらみの話か、もうウンザリだ!」。まあ、そう言わずに(笑)~。

今回は先日導入したDAコンバーター「エルガー プラス」が我が家の真空管アンプに変革をもたらした話。

                       

SACDとCDの違いで気がついたことは再々述べているように音響空間の広がりと自然な雰囲気、音像が小さくなる、そして楽器の前後左右の位置関係が明瞭になることなどが挙げられるが、これによってようやく真空管アンプの本来の性能を推し量る判断基準を持てた気がしている。

前段機器によってしっかりした情報量を確保できると、それを増幅する役目を持つアンプの能力も多角的な見地から変化するのはあたり前の話だが今回ばかりはそれを身をもって体感した。

手元に8台ある真空管アンプだが、これまでとっかえひっかえして試聴してきたものの、いずれも「帯に短し、たすきに長し」で、たとえば「分解能はいいけど力感が足りない」「元気はいいけど雰囲気や奥行き感の再現力が今一つ」など、隔靴掻痒(かっかそうよう)の感があったのだが、この「物差し」の登場で混迷状態からようやく抜け出すことができた気がしている。

ここ1週間ほど、ああでもない、こうでもないといろんな事を試してみたが主に気が付いたのが次の2点だった。

☆ 息を吹き返した300B真空管

            

忘れもしない今年(2015年)の4月1日に我が家にやってきた真空管アンプ「371シングル」。以降、この半年あまりいろんなアンプ遍歴を重ねるものの、とどのつまりは自然とこのアンプに戻ってくる。飽きのこない魅力はやっぱり我が家の本妻として一番ふさわしい(笑)。

入力トランスからインターステージ、出力トランスまでトランス界の名門「UTC」(アメリカ)で統一しているが、唯一の弱点ともいえるのが「371」真空管(トリタン仕様:1920年代製造)の出力がたかだか1ワット未満のせいかやや力感に欠けることだった。

せめて2A3真空管並みのパワーがあったら鬼に金棒なのだが・・・。

ただし、音響空間の雰囲気の再現力は抜群なのでその欠点を補って余りある存在として重宝しているが、このアンプのミソは製作者の工夫で「371」の代わりに同じ4ピン形状の「300B」真空管を切り換えスイッチひとつで差し換えられるようになっているところにある。

そこで、これまでも度々両者を差し換えて実験してきたものの、惜しいことに聴感上の問題としてどうも折角の300Bがフルに実力を発揮できなかった経緯がある。パワー感は出てくるものの、「371」に比べるとどこか不自然さがつきまとう。

ところが今回、「エルガー プラス」を導入しSACDを聴くに及んで、念のためとばかりWE300B(1950年代)に差し換えたところ、何とこれがベリーグッド(笑)。

力感不足が払拭されたうえに細かいニュアンスもなかなかの表現力で、これなら本家の「371」と遜色なし。

こうなるとオールドのWE300Bのスペアがもう1セット欲しくなるが、ビンボー人にはおいそれと手が出せないお値段になっているので、その代わりというわけでもないが今度はこれまで散々謗ってきた中国製の300Bに差し換えて聴いてみたところ、「アレッ、これもなかなかいけるじゃない!」。まさに「君子豹変す」(笑)。

とはいってもオリジナルのWEが100点だとすると80点程度だが、以前は60点ぐらいに思っていたので大躍進。やんちゃ坊主のような「元気はつらつさ」にはなかなか見るべきものがある。

前段機器のレベルが向上すると、全体的に真空管の瑕疵が目立たなくなり息を吹き返すのはたしかのようだ。これだから不要になった真空管を簡単に売り払うわけにはいかない(笑)
。         

☆ 息を吹き返したSTCのドライバー管

およそ1年ほど前にUTCのインターステージ・トランスを挿入してもらった「PP5/400」(英国マツダ:初期版)シングルアンプ。

          

我が家の一線級としてサブのスピーカーに起用しているが、これも製作者のご好意でドライバー管を「71A」と、STCの「3A/109B」(CV1663:以下、「STC」)のどちらかを選択できるようにしてもらっている。

これまでは「STC」よりも「71A」の方がやや優位にあったのだが、このほど念のためSTCと差し換えて聴いてみたところ、音響空間がさらに大きく広がったのには驚いた。ドライバー管によってもこれだけ変わるのだから真空管アンプの奥の深さが身に沁みる。

「エルガー プラス」はこれまで使ってきた真空管の固定観念を次々に打ち破っていく!

こうなるとSTCのスペアがもう1セット欲しいところで、「せっかく得たこの音を失いたくない」と、つい守りに入ってしまうのが自分の悪いクセ(笑)。

滅多に見かけない稀少管だからオークションでも無理かなあと、祈るような気持ちで覗いたところ何と同じSTCの「3A/107B」が出品されている。今のところ入札者無しだが、締切期限はあと3時間ほどというギリギリのタイミング。

17日(土)の夕方だったが、急いでこのアンプの製作者Gさん(福岡)に問い合わせた。

「STCのスペアが欲しくて、オークションを覗いたところ3A/107Bがありました。3A/109Bと比べてどこがどう違うんですかね?」

「ちょっと待ってください。調べてみましょう。ああ、ミュー(増幅率)が7になってます。109Bは6ですから、ほんの少しの差だけです。プレート電圧など、ほかの数値は一緒なので十分、互換性がありますよ。」

ああ、良かった!即決で落札。

               

これまで英国の名門ブランド「STC」の真空管を使ってきて一度も期待を裏切られたことがないので性能に疑問を挟む余地はなし。

これで枕を高くして眠られるなあ、メデタシ、メデタシ(笑)。

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