前々回の「聴き比べの重要性」からの続きです。
さて、このほど「Kさん」(横浜)さんから届いたメール。要約すると、
「いつも会社であなたのブログの1週間分をまとめ読みしています。このところトライアキシオムを引っ張ってますね。末尾にある ”以下続く” にストレスを感じなくて済むのがまとめ読みのいいところです」
ハハハ・・。
「以下続く」は「期待感を持たせる」と「ストレスを感じる」の「功罪相半ば」といったところでしょうか(笑)。
で、前々回の「以下続く」から3日空いたので復唱すると、エンクロージャーに小さな改造を施したリチャード・アレンのSPユニット(以下、「ゴールデン8」)を試聴したところ、なかなか「いい塩梅」になったが、他のSPとの「聴き比べ」によってもっとその本性に肉薄しようと目論んだ。
その対象となる相手は我が家の中で天敵ともいえるグッドマン勢の「トライアキクシオム」と「AXIOM80」(復刻版)で、いわば三つどもえの「聴き比べ」。
もちろん、定評のあるスピーカーというのはそれぞれに「いいところ」があって他のSPとの優劣を付けようとする気は毛頭ない、というか無意味ですよね。
「個々にとって芸術に優劣はない」というセオリーがここでも適用されます。
ときどきタンノイの口径38cmをこき下ろしているが、けっして憎くて言ってるわけではなくそれなりの良さは認めているうえでの発言ですぞ(笑)。
そこでの話だが、まずゴールデン8とトライアキシオムの聴き比べをしたところ、たったの口径10cmの違いだが駆動するパワーの方は桁違いに必要になるようで、出力1ワット程度の「71Aシングル2号機」では、非力のせいかプアな音が出て話にならなかった。
ちなみに押し出す空気の抵抗感は単純計算だが円の面積は「πR二乗」だから前者は「314平方cm」、後者は「707平方cm」と2倍以上の差になる。
さらに「トライアキシオム」が入った小さな箱の影響で響きが足りないせいもある。
結局、ここは出力が大きめの「WE300Bシングル」か「PP5/400シングル」の出番だろう。
左が「WE300B・・」、右が「PP5/400・・」。
「両雄並び立たず」、いよいよ雌雄を決する時が来たと意気込んではみたものの、なにせ「百鬼夜行」のオーディオの世界だからことはそう単純に運ばない(笑)。
実は両方のアンプともに欲を言えばきりがないがそれぞれに部品の瑕疵があってけっして万全とはいえないのが無念~。
瑕疵の詳述は忌々しくなるので省略(笑)。
とはいえ、そもそもこれまで自宅でも他家でも、そして高級機が一堂に会した「オーディオフェア」でも完全無欠のオーディオ機器に出会ったことがないのも事実である。
言い換えると、これまで「完全無欠のオーディオ・サウンド」に出会ったことがないともいえる。
いずれも何かしら欠点があって、結局100点満点のないのがオーディオの世界かなあ・・。
人生の残り時間も少なくなってきたので、もう半分あきらめているが「それだけに面白さが尽きない!」のも事実(笑)。
で、結局何が言いたいのかといえば、「WE300B」にしろ「PP5/400」にしろ、名管に相応しい構成になっておらず、十分に球の能力を引き出しているとはいえないので簡単に優劣はつけられないというわけ。
我が家のルールではやや鋭敏な感覚が持続する午前中には湿り気のある「PP5/400」を、やや弛緩した午後では開放的な「WE300B」の出番にしている。
なにしろ、在宅中はアンプのスイッチを入れっぱなしだから真空管の負担の軽減にもなる。5時間おきにRCAケーブルとSPケーブルの付け替えをしているわけだが、な~に30秒もあれば済む話。
今回の聴き比べは午後だったので「WE300Bアンプ」を起用した。
ただし、低音域の量感が少々物足りないのでサブ・ウーファー(ウェストミンスター)の出番となった。
というわけで、ぐだぐだと前置きが長くなったが「71Aシングル2号機 + ゴールデン8」と「WE300Bシングル + トライアクショム」との聴き比べとなった。
その結果、音のスピード感と音像のシャープさは流石に小口径20cmの「ゴールデン8」の方が優勢、口径30cmは音の粒子がやや粗くなる感じがする、そして周波数レンジは同軸3ウェイだけに「トライアキシオムム」の方が優勢、最後に決め手となる「色気と品」だがこれは互角かなあ。
音楽ソースとして加藤登紀子さんの「満州里小唄」と「琵琶湖周航の歌」をテスト用にしており、この曲がしんみりと胸に深く沁み入ってくれればまずもって合格にしているが、こういう現実的な「訴求力」となるとわずかに「トライアキシオム」の持つ独特の翳りが優勢になるかなあ・・。
いずれにしても、プロが作ったしっかりとした箱に容れた「口径20cm」は大健闘だった。小さな改造も大いに功を奏した(自分の見立てでは・・)
次に「ゴールデン8」と相対したのが「AXIOM80」だ。
ユニットのツクリ自体はまったく別物だが「口径20cm」と「口径25㎝」の違いがどのくらい出るんだろうか・・。
例によって、「以下、続く」(笑)。
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