1週間ほど前に搭載した「チャンデバとLCネットワークの混成旅団」(2018.10.11)のアクセスがいまだに衰えず、根強い人気を保っている。
この1か月あまり、ランキングの応募先を「クラシック部門」に変えたのでイメチェンを図ろうと音楽関係の記事を若干増やしてみたが、やはり古くからの読者にはちょっと「?」なのかもしれない(笑)。
さて、「・・混成旅団」については画像のシステムに適用したものだが、ありきたりの手法ではなく「無理が通れば道理が引っ込む」式の異質なやり方なのが興味を惹いた可能性もある。
もともと、「定評のある機器を使って決まりきった音を出す」のがイヤなタイプである。人に迷惑をかけることもないんだから、できるだけ自分なりの個性を発揮して好きな音を創造できたらいいなあといつも心がけている。しかもあまり経費をかけずに~(笑)。
ただし「AXIOM80」と「古典管」は例外で、こればかりは素人の浅知恵が及ぶところではない。
さて上記の「混成旅団」のどこが異質かというと、
☆ プリアンプの2系統の出力を同時に使うと音に力感が無くなる
☆ チャンデバ(中音域)とLCネットワーク(中低音域)の音を混ぜ合わせると音が濁ってしまう
理論的にはそうだろうが、実際に聴いてみるとなかなか”いける”ので「これでいいじゃないか!」と開き直ること1週間あまり。
だが、しかし・・・。
「無理が通って道理が引っ込んだままでいいのだろうか」と、やっぱり気になってきた(笑)。
そこで現時点で最善の策と思われるものを講じてみることにした。時間はたっぷりあるので実験は望むところだ。
まずプリアンプの問題点についてだが、このシステム専用のプリアンプをもう1台使うことにした。
これは知人から作ってもらったもので「ジャディス」(フランス)の回路に12AX7を6本使っておりブラックゲートの電解コンデンサーがたくさん使われているのでパワー感あふれる音を出す。これなら出力2系統を同時に使っても被害を最小限度にとどめてくれるはずとの皮算用。
次にチャンデバとLCネットワークの混成旅団を解消することにした。両者の優劣についてはこれまでも論議が尽きないが、あくまでも「我が家においては」という条件付きのもと「LCネットワークに一日の長がある」と認めざるを得ない。
低音や高音がどうのこうのという問題ではなく音の奥行き感というか彫りの深さが違うし、響きも豊かになる。
この辺はもう感覚の世界になってしまうのでうまく表現できないがチャンデバだと「すっきり」し過ぎるし、両スピーカーの間のステージ(舞台)感もどうしても希薄になってしまう傾向にある。
ジャズならいざ知らずクラシックを本腰を入れて聴くとなるとやはりステージ感を最優先するというのが我がポリシーだ。
そこで、中低音域に準じて高音域もLCネットワークを使うことにした。
以下、ちょっとマニアックな話になるので興味のない方は読み飛ばしてください。
これが高音域を8000ヘルツでローカット(ハイパスフィルター:-12db/oct)できるパイオニアのネットワークで、ネジ式の取り付け金具を縦に入れ替えると8000ヘルツでハイカット(ローパスフィルター)もできるという両刀使いなので非常に便利。
低音域は従前どおりムンドルフ(西ドイツ)の無抵抗コイル(0.15mh)を使って6000ヘルツあたりでハイカット(-6db/oct)したまま。
肝心のボリューム調整だが、デッカの能率が低いのでパワーアンプのボリュームを全開し、D130用のパワーアンプは同様にボリュームの位置を13時頃にしてバランスが取れた。
これでシステムの流れは次のようになった。
周波数8000ヘルツ以下(-6db/oct)
プリアンプ → パワーアンプ(300B×2台) → JBL「D130」(イン・ウェストミンスター)
周波数8000ヘルツ以上(ー12db/oct)
プリアンプ → パワーアンプ(171シングル:トリタンフィラメント) → デッカ「リボン型ツィーター」
これでクラシック、歌謡曲、童謡などを聴いてみたところ、なかなかいい雰囲気になってチャンデバのときよりはたしかに一歩前進。しかし惜しいことに「サキコロ」(ジャズ)のシンバルがイマイチだった。チャリ~ンという華やかさが足りない。
この上はさらに実験を進めてツィーターのテストをやらずばなるまいて。
JBLの075と175そしてワーフェデールのコーン型ツィーターの三者が今や遅しと出番を待っている。
また楽しみが増えたな~(笑)。
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