「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

一つの部屋に4系統のシステムを置く理由

2018年06月29日 | 復刻シリーズ

“のっけ”から理屈っぽい話で恐縮だが、人間には二通りの人物像があると思っている。すなわち、自分が考えている己の人物像と他人が自分に対して思い描いている人物像(イメージ)。

後者の場合だと「はたして自分は他人の目にどう映っているのだろうか」というわけだが、物理的に他人の頭の中を覗き見ることが出来ない以上こればかりは永遠に分かりっこない。

おそらく両方の間に“ズレ”が生じていることは想像に難くないので、この“ズレ”を日常的にときどき意識して自分を客観視することはなかなか意義のあることではないかと思っている。

たとえば分かりやすい例として身近なオーディオを挙げてみよう。

このブログを常時読んでいただいている方ならご承知のように、自分の部屋には現在4系統のシステムが置かれている。

当のご本人はこれを至極当たり前と思っているのだが、他人から見ると
「この人、バッカじゃなかろか、同じ部屋に4つもシステムを置く必要があるのか?」といった具合(笑)。

そういえば、ずっと以前に読んだオーディオ誌には「同じ部屋にスピーカーをいくつも置いてはいけない。それぞれが吸音材の役割をするし、音響的にもけっしていい効果をもたらさない。」といった趣旨のことが書いてあった。

まことに、“ごもっとも”で、出来ることならメイン・システム(=正妻)を固定してひたすら後生大事に使うのが“まっとう”だし世間体もいいに決まっている。

だがしかし、妻妾同居の禁断の味を一度味わうと、これが“病み付き”になってなかなかやめられそうにない。しかも、お妾さんが3人も(笑)。

というわけで、ここで「バッカじゃなかろか」のイメージを覆しておくのも悪くはないと思うので、改めて4系統のシステムを置く理由を縷々述べてみよう。

しかし、はたしてこんな理由で納得していただけるかなあと、ちょっと心配~(笑)。


まず、第一の理由として挙げられるのは何といってもオーディオに割ける時間の多寡によるものだ。

たとえば現在進行形の多忙な現役生活を送っている方については物心両面で日中の仕事が忙しくて音楽とオーディオに割ける時間はせいぜい休日や夜の“ひと時”といったところだろうからこういう場合は一つのシステムで十分のはず。


実際に自分の場合も現役時代はそうだった。社会の荒波は想像以上に厳しい。当時、頭の中の大部分を占めていたのは仕事のほうで、割合でいえば「音楽&オーディオ」は3割以下に過ぎなかった。もちろん個人ごとの能力的な問題もあって出来のいい人は別だろうが(笑)。

しかし、現在となっては明らかに時間の余裕度が違う。1日24時間がフルに活用できるようになると、今や「音楽&オーディオ」三昧で、その占める割合は完全に逆転して7割以上にも達する勢い。

「あなたの頭の中はオーディオだけね」と、こぼす家内の言葉なんかどこ吹く風で(笑)、こうなると一つのシステムだけではとても間に合わないのが自明の理というものだろう。

次の2番目の理由といえば音楽ソースに応じたスピーカーの使い分けをすることになろう。

たとえば、どんなに高価な大型システムであろうと、女性ボーカルや小編成のソースに限ってはシンプルな口径20~25センチクラスのフルレンジの良さにはとうてい及ばない。

大型システムはどうしても音像が大きくなってシャープさが失われてしまうのだ。むしろ音のエッジが荒くなるという表現が妥当かもしれない。

そういうわけでオーケストラからボーカルまで、そしてジャズなどのいろんな音楽ソースを1台のスピーカーでこなせるほどオーディオは甘くないんだよ~と、言いたい(笑)。

投資額と音質が必ずしも比例しない、これはオーディオが仕掛ける巧妙かつ非情な罠ではないかといつも思っている。

もし豪勢なシステムの外にも「AXIOM80」を備えているマニアがいたとしたらその耳を私は信用すると、言ったらあまりにも手前味噌だろうか(笑)。

そういうわけで、現在念頭においている主な使い分けの目安は次のとおり。

 「AXIOM80」は主としてボーカルと小編成の音楽ソース

 「ワーフェデール2ウェイ」(自作エンクロージャー)はクラシックすべての音楽ソース

 「JBLのLE8T」はテレビ音声やジャズ用          

 「JBLのD130+グッドマンの楕円型ユニット」(チャンデバ使用の2ウェイマルチ)はオーケストラなどの大編成用

        

と、いった具合だが、これは表向きの理由で半分は毎日違う音を聴きながら「あら探し」をして楽しみたいのがホンネ(笑)。

使う頻度によって順に並べてみたが、いちいち取り換えるのも面倒くさいので1日をまるっと一つのスピーカーに当て込んでほぼ1週間ほどで4つのスピーカーが一巡するようになっている。


以上、まさにオーディオ三昧の生活だが、これで「4系統のシステムを置いている理由」にある程度納得していただけただろうか。

少しは自分の「変人イメージ」が覆ったかな~(笑)。

    



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