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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

インターステージトランスの活用

2016年03月26日 | オーディオ談義

すっかり忘れていた。

2週間ほど前の記事「AXIOM80愛好家の集い~第10回・その2~」(2016.3.10)の中で、次のようなことを記載していた。


Kさん宅の
「WE349A・PPアンプ」はインターステージトランスを使っていないのにどうしてあんなに「いい音」がしたんだろう?

<昨日(9日)、この疑問を率直に「北国の真空管博士」(以下、「博士」)にぶつけたところ、実に興味深い回答が返ってきたが長くなるのでここでは省略し、稿を改めて紹介することにしよう。>

その「稿を改めて」が今回の記事。

もっとも、読者から「あの続きはいったいどうなったのか?」との問い合わせがいっさい無かったので、気にしているのはおそらくじぶんだけだろうが(笑)。

さて、博士の回答はこうだった。
 

「インターステージトランスの可否についてはPPであるかシングルであるかには関係しません。どのような球にどのようなインターステージトランスを組み合わせるのか、OPTやインプットトランスの合成特性がどのようになるのかにかかっています。
 
インターステージトランスを使用したアンプの作製は複雑なパズルを紐解くようなものなのです。
 
うまくいけばCR結合アンプには無い耳当たりの良い音が実現できますが、使い方が拙ければCR結合には及びません。(出力管の)171系、245系、250系はインターステージトランスをあまり選ばない傾向がありますが、WE300B、PX25、DA30、2A3等の出力管はインターステージトランスとの相性問題があります。
 
インターステージトランスを使いこなすにはそれなりの経験と技術が要求されるといえます。ご存知のとおりWE349Aは五極管ですが、五極管やビーム管は高価なインターステージトランス使用しなくても良いように開発された球です。
 
また、五極管は三極管よりも入力容量が小さいため、三極管の使用を前提に設計されたインターステージトランスと組み合わせると高域に著しいピークが出ることがあります。出力管が多極管の場合インターステジトランスを使わない方が好結果を得られることが殆どです。 
 
個人的にはCR結合でトランス結合的な音が出ないか日々考えていますがいまだ良い案は浮かんでいません。独SIEMENSが製造したクラングフィルムのシアターアンプは、出力の小さなRE604のシングルを採用したCR結合タイプです。
 
私はその音を聴いたことがないのですが、ヨーロッパのマニアの間では非常に評価が高いようです。今、私が少しずつ製作を進めているアンプは、このクラングフィルムのアンプの回路を参考にしています。どのような音がでてくるのか楽しみですが、完成は少々先になりそうです。」
 
というわけで疑問が氷解した。

インターステージトランスの活用はいろんな条件のもとで「複雑なパズルを紐解くようなもの」というのだから、まずもって製作者の力量に負うところ大で、ただ単純にアンプの回路に挿入すればいいというものではなさそう。

ところで、なぜ、それほど「貴方はインターステージトランスにこだわるのか」と問われそうなので我が家の実例をご紹介しよう。

          

まったく同じタイプの「71A」アンプが二つ並んでいる。初めに左側のアンプを購入し、とても素直な71Aの音に惚れ込んでスペアとして右側のアンプを購入した。前者を「71A・1号機」、後者を「71A・2号機」としておこう。

ところが程なく「71A・2号機」が故障。2台とも同じアンプでは芸がないので、この際とばかりドライバー管を「AC/HL」(英国マツダ)に、そして「UTCのインターステージトランス」を挿入して大幅改造してもらったところ、音が激変。

「71A・2号機」の方が、音の艶といい、奥行き感といい、分解能といい段違いに良くなった。そこで真空管アンプはインターステージトランスを挿入したものに限ると思ったわけだが、前述どおりそれほど単純なものではなくこれでは短慮の謗りを受けても仕方がない。

さて、いよいよ今日(26日)は我が家が当番となって「AXIOM80愛好家の集い~第11回~」の日である。

まるでピアノ教室に通う小学生が発表会を迎えるような気分だ(笑)。

この「71Aアンプ・2号機」をはじめ「71A・PPアンプ」そして「PP5/400アンプ」たちと3系統のスピーカーの百花繚乱となるが、試聴結果やいかに~。 

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