たしか半年ほど前のブログでも話題にした「犬も歩けば棒に当たる」という諺の意味。
再掲すると、「犬も歩けば棒に当たるとは、でしゃばると思わぬ災難にあうという戒め。また、じっとしていないで、何でもいいからやってみれば思わぬ幸運にあうことのたとえ。」
今回は「思わぬ幸運」に出会ったので紹介してみよう。
☆ ミステリーの文庫本をゲット
昨日(2日)は不要になった新聞紙や段ボールの回収日。生ごみや風呂掃除などの雑事はじぶんの担当なので、溜まった段ボールなどを括って車庫の前に置いた。オークションで真空管などの買い物をすると知らず知らずのうちにかなりの量になる。
それが済むと午前中の日課である30分ウォーキングの開始。久しぶりにカラッと晴れあがった天気のもとで快調に飛ばしていると、ふと目に留まったのがあるお宅の玄関前に積まれた文庫本の小山。
つい気になって作者やタイトルをチラッとながめながらいったん行き過ぎてから、「待てよ」とふたたびバック。仔細に眺めてみると松本清帳の「黒い画集」をはじめ和久俊三などのミステリばかり。大いに食指が動いた。どうせ不用品だから黙って持ち帰ってもいいのだろうが、心理的に悪いことをしているような気がして家主のTさんに一言申し出ることにした。
Tさんは、数年前に自治会の会計担当をしているときに顔見知りになって、以後、道でお会いしたときに挨拶を交わす程度のお付き合い。
ピンポ~ン、出てこられたTさんに「ミステリ好きなもんですから、玄関前に置いてある文庫本を持って行っていいですか。」
すると「どうぞ、どうぞ、実は近くのマンションに引っ越しすることにしたものですから荷物の整理をしているところです。こんな広い家に一人で暮らしてもしょうがないもんですから。」
「それは淋しくなりますねえ。」
この団地では次から次に独り暮らしになった高齢者が引っ越ししていく。自分もいずれ辿る運命になるかもしれないと思うと身につまされる。とにかく家内よりも先にポックリ逝くに限る~(笑)。
全23冊。和久俊三と松本清張のものがほぼ半々。図書館から借りてくる本で日頃アップアップしているのに、読む時間があるかどうかだが、返却期限が無いのが強味(笑)。
ところで、他人様の玄関に捨てられた本をカッコ悪く頭を下げてまで持って帰った理由がチャンとある。
それは1週間ほど前に民放のBSハイで観た「松本清張」原作の「家紋」というタイトルの映画(2時間)。実に怖~い内容だった。
「粉雪の舞う1月16日の夜、北陸地方で農業を営む生田市之助は、本家からの使いと称する釣鐘マントの男に呼び出される。本家の当主の妻・スギの容体が良くないとの話を聞き、市之助はマントの男と外へ出る。その男が本家の家紋の入った提灯をぶら下げていたので簡単に信用したのだ。23時半頃、マントの男は再訪し、スギの容体が急変したので、市之助の妻・美奈子と娘・雪代も本家に来るよう求める。熱を出していた雪代は隣家の主婦・お房に預けられ、美奈子はマントの男と外へ出て行く。それが雪代の見た母親の最後の姿だった。」
大きく成長した雪代が無残にも惨殺された両親の殺された理由と真犯人を追及していくというミステリだが、実話に基づいた話らしい。常識ではありえない真犯人の意外性には誰もが驚くこと請け合い。
観終わったときに一度、松本清張の原作を読んでみたいと切実に思い、その思いがつい今回の“はしたない”行動に結びついてしまった。
「家紋」はおそらく有名な「黒い画集」(短編集)の中に収録されているのではと推察したわけだが、確認したところ入ってなかった。残念!
仕方がないので図書館で見つけることにしよう。