昨晩(3日)のことだった。
夕食後のひと時、ほろ酔い加減でムターが弾く「ヴァイオリン協奏曲」(モーツァルト)を聴いていたら、リリ~ン。
どうせ家内にかかってきた電話だろうと取ってみたら、東京のオーディオショップのSさんだった。
「ご無沙汰しております。お預かりしていたCDトランスポートのヴェルディ・ラ・スカラがようやく修繕できました。長らくお待たせしました。日曜日には到着すると思いますのでよろしくお願いします。代わりに送付していた代替機については、折を見て返送してください。」
「エ~ッ、修理に出してからもう7か月経ちますよ!てっきり修繕を諦めて代替機との交換だとばかり思ってました。それにしても購入してからたった1年半で故障したんですから修繕代は大いに勉強してくださいね。」
「分かりました。」
経緯を説明しよう。
10年以上愛用してきたワディアのCDトランスポート「270」のトレイが開閉しなくなったのは2年前の2014年3月のことだった。ホトホト困ってしまい修繕中の代替機器を購入先のショップに泣きついたところ、代わりに送られてきたのがdCSの「ヴェルディ・ラ・スカラ」(以下、「スカラ」)だった。
「dCS」(イギリス)と「ワディア」(アメリカ)では勝負は目に見えている。今にして思えば禁断の木の実を口にしてしまったことになる(笑)。
結局、スカラを購入し故障が治ってきたワディアと一時並走状態が続いたが、そのうちワディアをオークションに出してしまった。
ところが1年半ほど経過した昨年(2015年)の8月のこと、今度はスカラのトレイの開閉がおかしくなったので修繕に出す羽目になったが、代替機器としてまったく同じスカラを借り受けた。信用のある大きなショップから購入するとこういう時に応用が利く。
しかし、それからが待てど暮らせど修繕が直ったという一報が入らない。7カ月も経つと諦めてしまい「まあ、代わりに同じものが送ってきたんだし、交換したと思えばいっか」と考えていたところ、冒頭で紹介した電話があったという次第。
どうやら本国のイギリスから部品を取り寄せたために時間がかかったらしい。
「今のスカラで十分だからもう送らなくてもいい」という選択肢もあるわけだが、修繕が直ったばかりの機器の方が長持ちしそうな気もするところ。
2台聴き比べて悪い方を返送することにしたが、おそらく差は分からないだろう。それにしても新旧区別がつかなくなる恐れがあるから現在手持ちのスカラの方に目印を付けておく必要がある。
なお、スカラについては余談が二つある。
☆ ピックアップの確保
CDトランスポートで故障が来る可能性が高いのはトレイの開閉だが、ほかにもピックアップが経年劣化のため信号が読み取れなくなる事が多い。ほかのどんなところが修繕できてもピックアップだけはすぐに製造中止になるのでぜひスペアを確保した方がいいよと仲間からアドバイスがあった。
購入先のショップに問い合わせたところスカラにはソニー製のピックアップが使われていることが判明した。
型番は「8-820-132-09」だそうで、機器としては「SCD-555ES」、「SCD-XA333ES」、「SCD-XB7」。
いずれもSACD仕様である。このタイプは信号読み取り部分が独特でSACDとCDの二つに分かれている。
したがってピックアップ補充用としてオークションで「SCD-555ES」(完動品)と「SCD-XB7」(ジャンク品)を手に入れたが、2台あれば十分だろう。
☆ オーディオ関係ランキングからの脱退
2年ほど前の話だが、当時音楽やオーディオ関係で3つのランキングに参加していた。じぶんで言うのもおかしいが、ときどき三冠王になったりしていて、とりわけオーディオ関係のランキングはいつもダントツだった。
したがって当時もこのスカラの記事を当然のごとくブログに登載したところ、どうやら自慢話と受けとられてしまったようで見ず知らずの他人から「口撃」をうけてしまった。
「その程度のCDトランスポートで“はしゃぎ回って”いい加減にしろ。もっといい機器があるんだぞ、この世間知らず奴」と、いった趣旨。
いま思うと、こういうおバカさんと同じ土俵に上がったことが間違いだった(笑)。ただ無視すればそれでよかったのに~。ブログ上で応戦してしまったせいで、とうとう嫌気がさしてきてこのランキングを脱退してしまった。
このブログを書きながら、ふと思い出して「このおバカさんはいまでもオーディオ・ランキングに居るのかいな」と、仔細に眺めてみたら影も形も見えなかった。どうやら良心の呵責に耐えかねてトンズラしたらしい(笑)。
世の中には他人を攻撃することで生きがいを見出している人間がいることを実感したことだった。
そういえば、NHKテレビを四六時中観ながらアナウンサーのおしゃべりや字幕のミスを発見してすぐに抗議する老人がいると聞く。
どうやらミスを発見することが生きがいとなっている模様で、もっと生産的な活動や人を喜ばせることを旨として考えればいいのにと思うが、自分だって似たり寄ったりかもしれないと思うとあまり偉そうなことは言えない(笑)。