「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「軽い低音」~

2010年11月12日 | オーディオ談義

やっぱりオーディオは難しい。

システムの中で音質改善の決定的な役割を担うスピーカーの変更をしたところ「鳥肌が立つ」ような満足感を覚えてから2週間あまり。

いろいろ聴きこんでくるとやはりそれなりに問題点が散見されてくる。

音の爽やかさにつながる「高域の抜け」については「アキシオム80」を駆動するアンプを「PX25シングル」から「WE300シングル」への変更でどうにか解決。

本当はWE300BよりもPX25〔真空管)のほうが好みだが出力トランスや回路の問題があってなかなか思うようにいかない。

そして、またもやもうひとつの難題が降りかかった。

先日、このアンプの信号回路に抵抗を入れてゲインを下げてもらうためにお出で願ったMさんの試聴後の感想が
「もうちょっと低音が欲しいねえ」だった。

以下、Mさんのご意見。

「オーディオ・マニアの中で果たしてどのくらいの人が40ヘルツ以下の本当の低音を出し切っているのだろうか。

中低音と低音を混同している人が多いような気がする。特に口径38cmのSPユニットなどはその辺を曖昧にしているね。

中低音のボリュームをいくら上げても低音が出るわけではなく、ただうるさくなるだけ。

昔は、仕方なかったが今ではスーパー・ウーファー(以下、「スーパー」)という便利なものが有るんだから40ヘルツ以下の低音は割り切ってアッサリそっちに任せたほうがいいよ。

本当の低音が出ると音楽全体がフワっと柔らかくなって実に聴きやすくなる。重低音というのは間違いで軽い低音というのが本来のあり方だね」

「20cm口径のウーファー3発を使っても低音不足かなあ」と半信半疑ながら、Mさんのご指摘はなかなか本質をついたものがあるように思う。別にお金がかかるわけでもなし、試してみて気に入らなければ元に戻せばいい。

翌日、倉庫に直し込んでいた「スーパー」を左右両チャンネル分で2台、またもや引っ張り出してきた。これまでに、もう何回出したり入れたりしたことだろう。

回復途上の柳腰(?)に用心しながらそろそろと運び込んで結線を済ませて早速試聴に移る。

             

実は、この「スーパー」の使い方はこれまで散々苦労してきている。

音声信号の入力をどこから取るかというのが大問題。

以前はDAコンバーターの出力から分配器で分けて4mほどのピンコードでつないだところ、電圧の大飯くらいのため他の機器に悪影響を及ぼして全体が元気のない「冴えない音」になってしまった。

そこでメーカーの説明書にしたがって、アンプのSP端子から「スーパー」を経由してSPユニットにつないだところこれも本来のSPの音ではなくなった。

「スーパー」にはこの辺に課題があるので、使うことに反対する人が多いのも頷ける気がする。

結局、自分のケースではアンプのSP端子から「スーパー」とSPユニットと両方一緒にSPケーブルを接続するのが既存の音質に影響を与えないベストの方法だった。

ただし、この接続ではアンプの負荷インピーダンスが重たくなるのでそのアンプの性能次第によるところが大きい。

そしてもうひとつの課題が位相あわせ。

こればかりは音楽を鳴らしながら自然に聴こえるように「正相、逆相」のスイッチを切り換えて試聴するしかない。

試聴盤に迷った挙句、ブロムシュテット指揮のモーツァルトのシンフォニー第39番にして調整。

さて、試聴の結果であるが「いやあ、満足、満足」。

音楽全体が低音を基調にハモって柔らかくなる印象で、DAコンバーターのボリュームを従来より3dBほど下げて聴けるようになったのが一番のメリット。

当然、高域のでしゃばり過ぎも解消。

これまでやたらにボリュームを上げていたのは低音が欲しいためだったのかとやっと納得。

「中低音」はあくまでも「低音」と「中音」のつなぎにしか過ぎないんだから、この帯域を目立たせてはダメというのがようやく分かった。

これでもう「鬼に金棒だあ!」

やれやれ、いつまで続くことやら~。


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