「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「次から次に・・・」~

2010年11月06日 | オーディオ談義

4日(木)の午前中のこと、福岡県にお住まいのKさんから電話があって、突然ですがお昼頃にお伺いして音を聞かせてもらえないかというお話。

「どうぞ~」とひとつ返事。Kさんはまだ40歳前後の方で真空管アンプの自作派。とてもご熱心で自ら「音キチ」と自認され、各地のオーディオマニアを身軽く訪問されて耳を鍛えておられる。

我が家へのご訪問は4回目程度だが、年齢的な意味で高域に対する耳の鋭敏さを保持されているので貴重な存在。いつも超ストレート(?)な意見をもらって参考にしている。

丁度システムも全面的に改造した直後だし、いい機会だと今回はいろいろ比較しながら一緒に試聴し
てみた。

その前に現在の我が家の2系統のシステムについて確認。

第1システム

  低域用アンプ    ケンウッド「01-A」2台
  低域用スピーカー  フォステクスSLE20W~3本
  中高域用アンプ  真空管PX25シングル
  中高域用スピーカー  アキシオム80

第2システム

  低域用アンプ    ケンウッド「01ーA」
  中高域用アンプ  真空管PX25シングル〔別)
  スピーカー      タンノイ・ウェストミンスター 

共通

CDトランスポート → ワディア270(クロックリンク)

DAコンバーター → ワディア27ixVer3.0

※ このDAコンバーターの出力を分配器で4つに分けてアンプ側へ供給している。

☆ 最初の試聴

第一システムと第二システムの聴き比べ。たまたま駆動するアンプが同機種になったのでまずはスピーカーの公正な比較といっていいだろう。

「ウェストミンスターのほうがまるでレコードの回転数が遅くなったみたいに聞えます。音の反応スピードが違います。単体で聴くと違和感がありませんが、アキシオムを聴いた後ではもうウェストミンスターに戻る気になりませんね。」

「ウ~ン、そうだろうね。やっぱりエッジレスの威力はスゴイいよ。ウェストミンスターは現在、テレビを観るときぐらいしか使ってないんだ。」

(タンノイ・ファンさん、ゴメン~)

☆ 二番目の比較

今度は第一システムに焦点を絞って、アキシオム80を駆動する真空管アンプの比較。

片やPX25シングル・ステレオアンプ

片やWE300Bシングル・モノアンプ×2台

「WE300Bのほうが断然いいです。高域のヌケが違います。ヴァイオリンの音色に艶があってしなやかです。実にいい音ですね~。知り合いのHさんがこういう音が好きなので次回に是非連れてきます」

「そうかなあ。PX25も捨てがたい味があると思うけどなあ。ステレオ・アンプとモノ×2台の物量の差が出たのかもしれないね。」

☆ 三番目の比較

今度はWE300Bシングル・モノアンプに絞り込んで出力管同士の比較。

      

片や1950年代の「WE300B(オールド)」

片や近代管のゴールデンドラゴンの「4300BC」

     

「WE(ウェスタン)が300Bの再生産を止めたせいか、値段が高騰してます。オールドともなると途方もない値段がしてます。大切に使ったほうがいいですよ」

「エッ、再生産を中止したの?そりゃたいへん。これからは簡単にスペアが当てに出来ないなあ。それじゃあゴールデンドラゴン〔中国製)の4300BCを持ってるので比較してみようか」

両者では値段がまるっきり違っていて先入観が入るとまずいので、片チャンネルに4300BC,もう片方にはWE300を別々に挿し込んでKさんにブラインドテストで試してみた。

テスト盤(ソニーロリンズの「サキソフォン・コロッサス」モノラル)にじっと耳を澄ましていたKさんが軍配を上げたのは何と左チャンネルの4300BC!

「音の隈取りがひときわ鮮明です。右チャンネルの方は空間にフワっとした浮遊感があっていいのですがどちらをとるかと言われれば左チャンネルです」

「WE300Bのほうが奥ゆかしくて上品さがあるのでクラシック向き、しかし音の鮮度は4300BCの方が一枚上なのでジャズ向きかな。やっぱりオーディオは値段じゃないなあ~」

オーディオの比較実験をやってると実に時間の経つのが早い。12時半頃にお見えになって16時半までの4時間、スリルと緊張感があってたいへん密度の濃い時間だった。

システムの大幅な改造以降、アキシオム80を駆動するアンプをいずれWE300Bアンプで試してみなければ、という思いがずっとアタマの片隅にあったのだがこういう機会でもないとなかなか思い切りがつかない。

今日は大収穫~。

夜になってKさんから次のメールが届いた。

「今日は色々考えさせられました。

タンノイとグッドマン(アキシオム80)の音の立ち上がりの差には驚きました。

あの差はタンノイが可哀相ですね。いゃ~あグッドマンが良すぎるのでしょう、恐ろしいスピーカーです。

私もグッドマンが欲しいです。ジャズもクラシックもイケてますが、特に弦楽器の音は素晴らしいです。

グッドマンの良さが解らないオーディオマニアは初心者か耳が悪いと断言してよいと思います。

低音の20cm3発ウーファシステムのエネルギーも凄いです。やはり低音には球アンプより石アンプの方が駆動力がありますね。


良い経験をさせて戴きありがとうございました。」



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