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北海道新聞2023年11月28日 17:42(11月28日 22:56更新)
道はアイヌ政策の基礎資料とするため定期的に実施している「アイヌ生活実態調査」で、交流サイト(SNS)などインターネット上での差別体験を尋ねる質問を新設した。アイヌ民族に対する差別的な投稿が問題になる中、当事者の受け止めや意見を可視化し啓発活動などに生かす狙い。調査結果は来年度公表する。
生活実態調査は、アイヌ民族の経済環境などを調べる目的で1972年度からおおむね7年に1度のペースで実施し、その一環で、アイヌ文化の実践状況などをアンケート形式で尋ねている。9回目の今回は10~12月、市町村に委託し、各地のアイヌ協会などの協力を得て進めている。
自身や身近な人がどのような場で差別を受けたかを聞くアンケートの質問で、「職場」や「学校」など以前からある選択肢に加え「SNSなどインターネット上の書き込み」を新設。書き込みをどう感じるかも尋ね、「恐怖・不安」「憤り」などの選択肢を設けた。
差別全般に関する問いは86年度の第3回調査から取り入れ、環境の変化に合わせて見直しを重ねてきた。今回の調査では「最近2、3年程度で差別や偏見を意識する頻度はどう変化したか」も併せて尋ねた。
ネット上の差別体験を尋ねることにした背景には、差別的な書き込みが絶えないことがある。・・・・・・・
(金子文太郎)