日本経済新聞2024年12月11日 14:30 [会員限定記事]
前回紹介した神謡は「謡」という訳語が示すように、節をつけて歌うように語る物語である。それに対して散文説話はその名前の通り、節をつけずに語る。よく「昔話」のように訳されてきたが、日本の口承文芸研究では、昔話というのは語っている人も聞いている人も、それが本当にあったことだとは信じていない物語だと規定されることがある。
たしかに、桃から人が生まれるだの、亀を助けたら竜宮城に連れて行ってくれただのという...
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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO85384230R11C24A2BE0P00/