北海道新聞 2025年5月14日 22:01
旭川市はアイヌ文化を生かした観光施策を本格化する。魔神にまつわる伝承があり、日本遺産の構成文化財でもある「神居古潭」で遊歩道などを整備し、2029年度には渓谷に映像を投影する「プロジェクションマッピング」の実施を目標にする。今夏にはアイヌ文化の展示施設を巡る周遊バスも運行し、観光客への文化理解の促進を目指す。
神居古潭は日本遺産「カムイと共に生きる上川アイヌ」の一つ。アイヌ民族にとって交通の要所で、英雄と魔神が戦った場所との伝承がある。伝承にまつわる奇岩があるが、現在は近づいて見られない。
神居古潭のアイヌ文化発信を目指し、旭川市は本年度から5年間で遊歩道や桟橋、駐車場の整備を計画する。さらに光や音で伝承を表現するプロジェクションマッピングも実施する方針だ。日帰り客が多い旭川で、夜間に集客できる新たなイベントにより通過型観光からの脱却を狙う。
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