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北海道新聞2024年2月14日 21:04
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/975288/
【鷹栖】「あるとき空から星が落ちた。見に行くと岩が立っていたので、この岩をノチゥと呼んだ」―。旭川のアイヌ民族に受け継がれる伝説だ。
雪をまとい石狩川に立つノチゥ。夜空に星が軌跡を描く=1月19日未明(1分間露光の写真を60枚合成)
アイヌ語で星を意味する「ノチゥ」。岩が立つのは、アイヌ民族の聖地・嵐山のふもと、石狩川の流れの中だ。星空の下のノチゥを撮りたくて、大河にオサラッペ川が注ぎ込むその場所を目指した。
雪上をスキーで進むと、警戒するエゾシカの甲高い声が深夜の河畔に響く。JR旭川駅から5キロ。市街地の明かりが届く冬の河原はシカの楽園のようだ。
気温は氷点下18度。2時間ほどかかって、石狩川の流れに屹立(きつりつ)するノチゥにたどり着いた。高さは6メートルほどだろうか。風雪にさらされ雪をまとう姿は、意思を持つもののようにも見える。
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(諸橋弘平、写真も)