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空知にもアイヌいた歴史知って」 文化継承団体運営の吉村さん・門別さん “空白地帯”で活動に力

2023-02-18 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年2月17日 23:17

砂川市空知太を拠点にアイヌ文化普及の活動をする吉村さん(左)と門別さん
 北海道アイヌ協会の支部がなく、文字による記録も少ない「アイヌ民族文化の空白地帯」と呼ばれる空知で、小学校などに出向き文化継承活動に力を入れる2人のアイヌ民族がいる。写真家・模型作家の吉村圭一郎さん(56)と、アイヌ文化活動アドバイザーの門別こずえさん(47)。2人は文化継承団体「中空知アイヌディビジョン」を昨年1月に砂川市空知太で立ち上げた。「空知にもアイヌがいた歴史を知ってほしい」と話す。
 「皆さんの住む地域にアイヌはいたと思いますか?」。招かれた学校で2人は必ず子どもたちに聞く。多くは「いない」と答えるが、和人が入植する前、上川アイヌと石狩・千歳アイヌが交易・文化交流を行う街道としての役割を果たしていた空知にもアイヌ語由来の地名がある=表参照=ことや、民話、伝承の中でコタン(アイヌ民族の集落)があったことを伝えると驚くという。本年度は月形小や妹背牛小など計21の小中高校などで授業を行った。
■曾祖父母から学び
 吉村さんは神奈川県生まれで、3歳の時に親戚が住む北見に移った。隣に住んでいた明治生まれの曾祖父母は昔ながらのチセで生活していた。「曾祖父母からは『アイヌとして誇りを持って生きなさい』と言われ、神話やアイヌ語などたくさんのことを学んだ」
 高校は美唄工業高に進学。管内でかつてコタンがあったと思われる場所を回り、地域の古老など総勢500人以上に話を聞いた。高校卒業後は自衛官を経て、38歳でフリーカメラマンに。45歳で心筋梗塞で倒れた際に「死の間際で曾祖父母のことを思い出し、再びアイヌとして生きることを決意した」という。
■ルーツ調べて自覚
 門別さんは30歳を過ぎてから自らのルーツを調べ、アイヌであると知った。「空知にはかつての私のように家系的にはアイヌだが自覚できていない人や、自覚しても言い出せない人が潜在的に多くいるはずだ」と話す。学校の授業では、子どもたちが伝承について「おばあちゃんから聞いたことがある話だ」と言ったり、民具を見て「うちにも同じものがある」と伝えてくれたりする。団体の活動では文化だけではなく、小学校の高学年以上に対しては自らが受けた体験も交え、差別問題も話すようにしている。
・・・・・・・
(斎藤雅史)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/803826
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