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北海道新聞2024年1月5日 19:02
英語アナウンスを収録するデレイナ・ミヤザキさん(石川崇子撮影)
「ザ・ネクスト・ストップ・イズ・サッポロ(次は札幌に止まります)」。札幌市清田区のデレイナ・ミヤザキさん(44)は、JR千歳線快速エアポートの車内で流れる英語アナウンスを再現してみせた。
札幌市電(路面電車)の車内放送でもおなじみの声だ。ミヤザキさんは札幌学院大や日本医療大で非常勤講師を務めながら、英語専門のナレーターとして活動する。
米ノースカロライナ州の大学を卒業後、「外国で働いてみたい」と2001年に札幌で暮らす先輩を頼って来日。「食べ物がおいしい。景色もいい。都会と自然がほどよく近くて住みやすい」と大好きになった。
札幌市中央区の英会話教室でアルバイトをしていた際、英語アナウンスの仕事を紹介されたのがきっかけでナレーターを始めた。スタジオで普段通りの発音でアナウンスを録音したところ、「音声が聞き取りにくく、これでは外国人に通じない」と一念発起した。
京都市や東京などの観光地を訪ねては、英語アナウンスを実際に聞きながら雑踏や車内でも聞き取りやすい発音を研究。「ネイティブが日常使う発音よりも、イントネーションに強弱を付け、伝えたい単語を強調したほうがいいと分かった」と振り返る。
試行錯誤を続けた結果、アナウンスは「聞き取りやすい」と制作会社の間で評判になり、05年に千歳アウトレットモール・レラ(千歳市)、15年にJR北海道など100社以上から依頼が舞い込むようになった。
思い出に残る仕事は、胆振管内白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の英語アナウンスだ。
「ウエカリ チセ(集まる家)」などアイヌ語の施設名が入ったアナウンスに挑戦。アイヌ語独特のイントネーションを習得するため、自作のメロディーに合わせ、口ずさんで練習した。
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