マグミクス / 2022年8月24日 18時10分
■怖いけどしびれる「覚悟」のセリフ
TVアニメ第四期の開幕(2022年10月~)も待ち遠しい『ゴールデンカムイ』。ヤバすぎるキャラたちのなかで堂々の主役を張る「不死身の杉元」は、不死身の異名をとるだけあって生き残る力がスゴいです。生き残るということは、それすなわち、身を守るための殺戮に長けているということ。この記事では、アニメ化された範囲で、地獄の日露戦争を生き残り、その後もたびたび「殺戮マシン」と化す杉元の、背筋にゾクリとくる怖い名ゼリフを振り返ります。
●「人間を殺したら地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」
まずは、のちに名コンビとなるアイヌの美少女・アシリパ(リは小文字)との、出会いの場面からです。杉元は、ヒグマに襲われていたところを助けられ、アシリパを北の大地で生き抜くプロと見込みます。そして、アイヌの金塊を見つけるために手を組もうと持ちかけますが、それは刺青囚人を殺して皮を剥ぐことを意味するため断られてしまいます。アイヌの間では人を殺せば、動物も人間も地獄に送られるとされているからです。
それを聞いた杉元の自嘲気味な心の声が「人間を殺したら地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」でした。日露戦争で、どれほどの人を殺して生き抜いてきたのか。すでに地獄行きが決まっていればもう、怖いものはないのでしょう。その後の「手を汚すのは俺がやる アシリパさんは知恵だけ貸してくれ」のセリフにも凄みが感じられます。
●「俺は殺人狂じゃない ……でも殺されるくらいなら躊躇せず殺す」
アシリパに杉元の異名「不死身の杉元」の意味を問われたときのことです。杉元が語ったのは、戦場で生き残る唯一の方法についてでした。それは「殺されないこと」。つまりは、「殺される前に殺すということ」。「不死身」と呼ばれるからにはそれだけの数を殺してきたのです。そして杉元が放ったセリフが「アシリパさん 俺は殺人狂じゃない ……でも殺されるくらいなら躊躇せず殺す」でした。
実は杉元がそこまで「生」に執着するのは、かつて恋仲だった目の悪い幼なじみ・梅子に手術代を渡すという決意があるからでした。自分のためでなく愛する者のために惜しむ命には、本気の覚悟が宿るのでしょう。
ちなみにアシリパは杉元について「あいつの強さは死の恐怖に支配されない心だ」と言っています。生きるためには死をも恐れないって……それ以上に怖い相手がいるでしょうか。そしてセリフだけでなく、実際に杉元がどんな攻撃を食らおうともひるまず反撃する場面は多々ありました。
■もっと聞かせて!杉元の「怖いセリフ」には中毒性がある

杉元の新たなる「怖いセリフ」も楽しみな『ゴールデンカムイ』アニメ4期ビジュアル (C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
●「皮剥いでくる」
刺青囚人の親分・若山輝一郎と姫・仲沢達弥の「親分と姫」のエピソードでも、思わずビビる杉元の一言がありました。
ここでの主役は親分と姫です。車でヒグマから逃げる最中、親分の大事な長ドスを追って落ちた姫、襲いかかるヒグマ、助けに行き相討ちとなる親分……。手に汗握る緊迫の場面の終わりは、互いが最後の人だと満足げに微笑みつつ、固く指を絡ませながら息絶えるふたりの姿でした。『ゴールデンカムイ』屈指の胸アツシーンが、見開き大ゴマで描かれたのですが……。
ページをめくると、ナイフを手にした杉元が「皮剥いでくる」と、何とも言えない表情で口にします。そう、用があるのは親分の刺青だけなのですから。情緒をぶった切る杉元に、ビビりながらもしびれます。
●「インカラマッとキロランケ もしどちらかが殺されたら…… 俺は自動的に残った方を殺す!!」
アイヌの金塊を隠したとされる「のっぺら坊」の正体を見極めるために、網走監獄に向かう杉元たち。一行はアシリパ、脱獄王・白石、第七師団から離脱した狙撃の名手・尾形、マタギの谷垣、アシリパの父の盟友・キロランケ、占い師・インカラマッ(ラは小文字)と大所帯になっていますが、そこで全員が疑心暗鬼になる事態がありました。
キロランケは「のっぺら坊」がアシリパの父だと言い、インカラマッはアシリパの父はキロランケに殺されていると、まったく違う主張をするのです。いったいどちらの話が信じられるのかと探り合う一同に、杉元はとにかく網走に行くしかないと道を示し、こう言い放ちます。
「インカラマッとキロランケ 旅の道中もしどちらかが殺されたら…… 俺は自動的に残った方を殺す!!これでいいな!?」
妙に爽やかな表情で恐ろしいセリフを残し、直後に「なんてなッ!!」と笑う杉元。他の誰も笑っていないのは、「杉元ならやるだろう」と思っているからでしょう。
●「元気になって戻ってこい ぶっ殺してやるから」
「樺太編」にて、杉元たちを裏切り、アシリパの毒矢を目に受けた尾形百之助に対し、杉元は「あの子を人殺しにはさせねぇ」と目玉をえぐり、毒を吸い出します。そう、「手を汚す」のは杉元の役目なのですから。
そして、杉元は瀕死の尾形を死なせないために病院で治療まで受けさせるのですが、死にかけていたはずの尾形は一枚上手で、まんまとロシアの大地に逃げていったのです。その後ろ姿を見ながら、杉元が心のなかでかみしめたのが「元気になって戻ってこい ぶっ殺してやるから」のセリフでした。殺す決意を固めながらほほ笑む表情には、凄みとポジティブさがあふれていて、思わず「うん、それでこそ、杉元!」と手を叩きたくなります。怖いけど。
杉元の覚悟を感じる怖~いセリフは、アニメ4期で描かれるエピソードにもたくさんあります。その他、未アニメ化の「偽アイヌ編」(単行本9巻)は杉元の「殺戮マシン」ぶりが際立つエピソードで、「アシリパさんが『刺繍に夢中』だぁ?」「ヴェぇろろろろごうろろろあ゛あ゛ッッ!!」と、鬼の形相でいろんな名言や言葉にならない狂気を見せ、偽アイヌの囚人たちを皆殺しにしていました。
(古屋啓子)
https://news.infoseek.co.jp/article/magmix_108148/
■怖いけどしびれる「覚悟」のセリフ
TVアニメ第四期の開幕(2022年10月~)も待ち遠しい『ゴールデンカムイ』。ヤバすぎるキャラたちのなかで堂々の主役を張る「不死身の杉元」は、不死身の異名をとるだけあって生き残る力がスゴいです。生き残るということは、それすなわち、身を守るための殺戮に長けているということ。この記事では、アニメ化された範囲で、地獄の日露戦争を生き残り、その後もたびたび「殺戮マシン」と化す杉元の、背筋にゾクリとくる怖い名ゼリフを振り返ります。
●「人間を殺したら地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」
まずは、のちに名コンビとなるアイヌの美少女・アシリパ(リは小文字)との、出会いの場面からです。杉元は、ヒグマに襲われていたところを助けられ、アシリパを北の大地で生き抜くプロと見込みます。そして、アイヌの金塊を見つけるために手を組もうと持ちかけますが、それは刺青囚人を殺して皮を剥ぐことを意味するため断られてしまいます。アイヌの間では人を殺せば、動物も人間も地獄に送られるとされているからです。
それを聞いた杉元の自嘲気味な心の声が「人間を殺したら地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」でした。日露戦争で、どれほどの人を殺して生き抜いてきたのか。すでに地獄行きが決まっていればもう、怖いものはないのでしょう。その後の「手を汚すのは俺がやる アシリパさんは知恵だけ貸してくれ」のセリフにも凄みが感じられます。
●「俺は殺人狂じゃない ……でも殺されるくらいなら躊躇せず殺す」
アシリパに杉元の異名「不死身の杉元」の意味を問われたときのことです。杉元が語ったのは、戦場で生き残る唯一の方法についてでした。それは「殺されないこと」。つまりは、「殺される前に殺すということ」。「不死身」と呼ばれるからにはそれだけの数を殺してきたのです。そして杉元が放ったセリフが「アシリパさん 俺は殺人狂じゃない ……でも殺されるくらいなら躊躇せず殺す」でした。
実は杉元がそこまで「生」に執着するのは、かつて恋仲だった目の悪い幼なじみ・梅子に手術代を渡すという決意があるからでした。自分のためでなく愛する者のために惜しむ命には、本気の覚悟が宿るのでしょう。
ちなみにアシリパは杉元について「あいつの強さは死の恐怖に支配されない心だ」と言っています。生きるためには死をも恐れないって……それ以上に怖い相手がいるでしょうか。そしてセリフだけでなく、実際に杉元がどんな攻撃を食らおうともひるまず反撃する場面は多々ありました。
■もっと聞かせて!杉元の「怖いセリフ」には中毒性がある


杉元の新たなる「怖いセリフ」も楽しみな『ゴールデンカムイ』アニメ4期ビジュアル (C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
●「皮剥いでくる」
刺青囚人の親分・若山輝一郎と姫・仲沢達弥の「親分と姫」のエピソードでも、思わずビビる杉元の一言がありました。
ここでの主役は親分と姫です。車でヒグマから逃げる最中、親分の大事な長ドスを追って落ちた姫、襲いかかるヒグマ、助けに行き相討ちとなる親分……。手に汗握る緊迫の場面の終わりは、互いが最後の人だと満足げに微笑みつつ、固く指を絡ませながら息絶えるふたりの姿でした。『ゴールデンカムイ』屈指の胸アツシーンが、見開き大ゴマで描かれたのですが……。
ページをめくると、ナイフを手にした杉元が「皮剥いでくる」と、何とも言えない表情で口にします。そう、用があるのは親分の刺青だけなのですから。情緒をぶった切る杉元に、ビビりながらもしびれます。
●「インカラマッとキロランケ もしどちらかが殺されたら…… 俺は自動的に残った方を殺す!!」
アイヌの金塊を隠したとされる「のっぺら坊」の正体を見極めるために、網走監獄に向かう杉元たち。一行はアシリパ、脱獄王・白石、第七師団から離脱した狙撃の名手・尾形、マタギの谷垣、アシリパの父の盟友・キロランケ、占い師・インカラマッ(ラは小文字)と大所帯になっていますが、そこで全員が疑心暗鬼になる事態がありました。
キロランケは「のっぺら坊」がアシリパの父だと言い、インカラマッはアシリパの父はキロランケに殺されていると、まったく違う主張をするのです。いったいどちらの話が信じられるのかと探り合う一同に、杉元はとにかく網走に行くしかないと道を示し、こう言い放ちます。
「インカラマッとキロランケ 旅の道中もしどちらかが殺されたら…… 俺は自動的に残った方を殺す!!これでいいな!?」
妙に爽やかな表情で恐ろしいセリフを残し、直後に「なんてなッ!!」と笑う杉元。他の誰も笑っていないのは、「杉元ならやるだろう」と思っているからでしょう。
●「元気になって戻ってこい ぶっ殺してやるから」
「樺太編」にて、杉元たちを裏切り、アシリパの毒矢を目に受けた尾形百之助に対し、杉元は「あの子を人殺しにはさせねぇ」と目玉をえぐり、毒を吸い出します。そう、「手を汚す」のは杉元の役目なのですから。
そして、杉元は瀕死の尾形を死なせないために病院で治療まで受けさせるのですが、死にかけていたはずの尾形は一枚上手で、まんまとロシアの大地に逃げていったのです。その後ろ姿を見ながら、杉元が心のなかでかみしめたのが「元気になって戻ってこい ぶっ殺してやるから」のセリフでした。殺す決意を固めながらほほ笑む表情には、凄みとポジティブさがあふれていて、思わず「うん、それでこそ、杉元!」と手を叩きたくなります。怖いけど。
杉元の覚悟を感じる怖~いセリフは、アニメ4期で描かれるエピソードにもたくさんあります。その他、未アニメ化の「偽アイヌ編」(単行本9巻)は杉元の「殺戮マシン」ぶりが際立つエピソードで、「アシリパさんが『刺繍に夢中』だぁ?」「ヴェぇろろろろごうろろろあ゛あ゛ッッ!!」と、鬼の形相でいろんな名言や言葉にならない狂気を見せ、偽アイヌの囚人たちを皆殺しにしていました。
(古屋啓子)
https://news.infoseek.co.jp/article/magmix_108148/