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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ伝統儀式モチーフに劇 阿寒の民族文化保存会が白老で初上演

2023-12-18 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年12月17日 22:06

ウポポイで初めて上演された「イオマンテ劇」の一幕

 【白老】胆振管内白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で16日、阿寒アイヌ民族文化保存会(釧路市)の演劇「イオマンテ劇」が初めて上演された。クマの魂を神々の世界へ送り返すアイヌ民族の伝統儀式「イオマンテ」がモチーフで、厳粛な雰囲気を漂わせつつ迫力もある演技に観客約170人が見入った。

 11月28日からウポポイで始まった、阿寒湖アイヌコタンを紹介する「伝統ト革新展」の最終日を飾る特別公演。同保存会とウポポイの計14人が共演した。

 劇は、生きたまま捕らえた子グマを神様からの預かり物として大切に育てた後、弓矢で射って神々の世界へ送り返す過程を、歌と踊りを交えて演じた。

 ・・・・・

(絈谷武史)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/954282/


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アイヌの人たちが感じる社会への違和感を知って

2023-12-18 | アイヌ民族関連

NHK12月17日 08時08分

アイヌの文化や伝統への関心が高まる一方で、現代のアイヌの人たちが感じる違和感を知ってもらおうと16日、北海道大学で講演会が開かれました。
この講演会は北海道大学できのう開かれ、アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナシ教授がアイヌの人たちが感じる社会への違和感について語りました。
北原教授は、埼玉県内の高校に通っていた時に友人との会話でアイヌの行事を話題に出したところ、相手がアイヌについてまったく知らず話が進まなかったエピソードを紹介し、アイヌの人たちは自身を取り巻く環境が相手に伝わらず、困惑することがあると述べました。
またアイヌの人たちが感じる違和感について北原教授と本にまとめた漫画家の田房永子さんも登壇し「アイヌのことを知るにつれ、自分が民族について考えずに過ごしてきたことに気づかされた。社会的な問題について自分はどの立場で関わるのか、自分事として考えることが大事だと思う」と話しました。
北原教授は「自分自身がアイヌでなくても、アイヌが感じる違和感に共感できる部分もあると思う。女性や障がいのある人、子どもや高齢者など、さまざまな立場のマイノリティーについて考えてほしい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20231217/7000063330.html


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アイヌ語しってる? サキペ

2023-12-18 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/12/18 東京朝刊 有料記事 512文字

サキペ サクラマス

 サキペはサクラマスのことで、春(はる)から夏(なつ)ごろにかけて海(うみ)から川(かわ)へやってきます。名前(なまえ)は夏(なつ)を意味(いみ)する「サク」と、食料(しょくりょう)を指(さ)す「イペ」から、サキペ(サク・イペ)で「夏(なつ)の食料(しょくりょう)」を表(あらわ)すとも言(い)われています。地域(ちいき)によって呼(よ)び名(な)は異(こと)なり、イチャニウ、イチャヌイ、イチャニなどとも呼(よ)ばれます。

・・・・・・

 <文(ぶん):小林(こばやし)美紀(みき)(国立(こくりつ)アイヌ民族(みんぞく)博物館(はくぶつかん)研究員(けんきゅういん))イラスト:ケニ(山丸(やままる)賢雄(けんゆう)、文化(ぶんか)振興部(しんこうぶ)体験(たいけん)教育課(きょういくか)アイヌ語担当(ごたんとう)) ウポポイ(民族共生象徴空間)協力>

https://mainichi.jp/articles/20231218/ddm/013/100/032000c


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アイヌの伝統料理を現代風にアレンジ…トマト風味のオハウ、調味料は塩だけ

2023-12-18 | アイヌ民族関連

読売新聞2023/12/18 05:00

料理教室でチタタプを作る青山さん(17日、札幌市中央区で)

 アイヌ文化の魅力を伝えようと、帯広市出身、札幌市在住の料理研究家、青山則靖さん(50)が、アイヌの伝統料理のアレンジレシピを開発した。汁物「オハウ」や、肉や魚を小刀で細かく刻んだ「チタタプ」、炊き込みご飯「アマム」などを現代風にした。料理教室も数回開かれる予定で、青山さんは「誰でも手軽に作れるので試してほしい」と話している。

 アイヌ文化振興などを行っている道アイヌ政策課の事業の一環で、青山さんにレシピの考案を依頼した。

(左上から時計回りに)ポネオハウ、ムーシ、チタタプ、アマムの各メニュー

 10~11月、アイヌ文化伝承者を招き検討会や試食会を開催。「エゾシカのポネオハウ トマト風味」「サケとタラの炊き込みアマム 野草の香り」「ホタテのチタタプ ルイベ キトビロの香り」「山の果実のムーシ(ゼリー)」の4品を作った。

 生で食べたり焼いたりと幾つも食べ方があるチタタプは当初、ホタテだけを使おうとしていたが「いろんなものを混ぜたほうがチタタプらしさが出る」とギョウジャニンニクや昆布、長ネギを加えてイクラを添えた。

 アイヌ料理は食材を無駄なく調理し、素材のうまみを大事にしているといい、青山さんは「新レシピでも調味料は塩だけを使うようにした」と説明する。

 17日には、北ガスクッキングスクール(札幌市中央区)で初めての料理教室が開かれ、10人あまりの参加者が骨付きエゾシカ肉を使ったポネオハウなど4品に挑戦。青山さんは「骨付きであれば他の肉でも作れる」などと説明しながら直接、手ほどきするなどして4品を仕上げていった。

 料理教室は来年1月24日に帯広市、31日に函館市、2月3、18日に札幌市で行われる。2月24日には札幌市で子供向けの教室も行われる。定員12~16人で先着順。申し込みは、北ガスクッキングスクールのホームページで。また、青山さんのアレンジレシピは2月中に同スクールのホームページに掲載される。

https://www.yomiuri.co.jp/local/hokkaido/news/20231217-OYTNT50132/


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万博が抱える黒歴史「人間動物園」…120年前の大阪で起きた「事件」と2025年大阪万博の相似形とは

2023-12-18 | アイヌ民族関連

東京新聞2023年12月17日 12時00分

 華やかで明るい未来を演出する万博だが、歴史的には列強が植民地支配に猛進した帝国主義に根をもつ。さまざまな地域の先住民族を生きたまま「展示」して「見せ物」にした「ヒューマンズー(人間動物園)」は人類の負の歴史だ。120年前の大阪でも「学術人類館」事件と呼ばれる問題が起き、2025年大阪・関西万博も懸念すべき動きが出ている。差別思想を源流にする万博を継承する必要があるのか。脈々と続く問題を考えた。(木原育子)

◆120年前、先住民族を生身で「展示」

 1枚の白黒写真がある。それぞれが民族衣装を身にまとうが、表情は皆硬い。

人類館に「展示」されたという人々。怒りを押し殺したような表情にみえる(関西沖縄文庫提供)

 「学術人類館に『展示』された人たちです」

 そう話すのは、沖縄の関連資料を貸し出す「関西沖縄文庫」主宰の金城カナグスク馨さん(70)=大阪市大正区。2001年に研究会をつくって議論を重ね、学術人類館事件から100年後の2003年には演劇「人類館」を再演した。

 人類館は、1903年に大阪であった第5回内国勧業博覧会(内国博)の民間パビリオンとして設置された。内国博は、明治政府が国内産業の奨励のために1877年から開催。第5回は他国の参加もあり、「明治の万博」と称された。

◆「性質が荒々しいので笑ったりしないように」

 「見せ物」となったのは琉球民族や北海道のアイヌ民族、台湾の生蕃(せいばん)、インド部族のバルガリーなど。「7種の土人」として、生身の人間がそのまま「展示」された。解説者がムチで指し示しながら紹介したほか、「性質が荒々しいので笑ったりしないように」との立て札もあったという。

 「本家」の万国博覧会は51年、世界で初めて英国で開かれた。列強は力を誇示する道具として万博を開いていく。延長線上にあったのが、生身の人間を「展示」する「ヒューマンズー(人間動物園)」。89年のパリ万博で始まった。10年余がたち、大阪の内国博で人類館が設けられた。

 この内国博に至るまでの時代背景について、金城さんはこう解説する。

◆「未開」なアジアで最上位になって劣等感を解消

 「西欧諸国はかねてアジアを『未開』と見ていた。そのまなざしは日本にも向けられ、列強に治外法権を与える不平等条約として現実化し、日本人に屈辱感をもたらした。明治期の文明開化や、脱亜入欧の精神と結び付く」。その後、日本は日清戦争に勝ち、台湾領有で国威の高まりは最高潮に。1902年には日英同盟を結んだ。

 よって03年の第5回内国博は4回目までと趣を全く異にした。外国製品の出展が認められ、西欧十数カ国が参加。来館者は前回の4倍強の530万人。内外の威信を示す空前絶後の国家イベントになった。

 「劣等感の解消には『未開』なアジアの中で日本を最上位に置く必要があった。人類館は『未開人』を展示し、見せ物にすることで『未開』からの脱却の装置として機能していった」

◆差別の下にさらなる差別の不幸

 沖縄にルーツをもつ金城さんが特にこだわるのは当時の琉球の訴えだ。展示そのものを問題視せず、「アイヌと同列視されるのは侮辱だ」と展開した。「琉球は日本人になりたくて、差別の下にさらなる差別を作った。差別から逃れるために強い者に迎合し、同化する。沖縄の分岐点だった。では日本人はどうか」と投げかける。

 「マジョリティー(多数派)がマイノリティー(少数派)を理解しようとする時、『理解してあげる』という優位性が生まれる。人類館も当時、人々に『理解』させようとして生まれた。正しさは暴力性を内包する。『理解』が差別を生むことを忘れてはならない」とし「その理解は、常に国家によって統制されている。いや応なく表出したのが人類館だった」と続けた。

◆2025年大阪・関西万博でも似たような構図?

 人類館事件から120年。嫌な記憶を思い返させる事態も生じている。

 「わが国の先住民族であるアイヌの存在や文化を発信する、またとないチャンスだ」。今夏、北海道の鈴木直道知事は全国知事会議でそう口火を切った。

 好機というのは2025年大阪・関西万博のこと。鈴木氏は、アイヌ民族が伝統的な舞踊などを披露する機会を設ける考えを表明した。白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」に触れ「万博来場者には、ぜひ北海道に足を運んでいただきたい」と言ってのけた。

 生身の人間展示ではないが、先住民族を国家イベントに組み込む構図は「明治の万博」と変わらない。

◆「アイヌに猿回しのサルをやらせるのか」

 古布絵作家で詩人のアイヌ民族、宇梶静江さん(90)=白老町=は「国のイベントなど、いい時にだけいいように利用され、ごまかされてきた」と冷ややかにみる。東京で暮らしていた1973年に東京ウタリ(同胞)会を発足させ、アイヌ差別解放運動を担った。「アイヌ民族の友人もかつて道内の博物館に連れて行かれ、大勢の前で踊らされた。彼女は傷つき、その時のことを生涯で一度も語らなかった。アイヌ民族は日常的に屈辱にさらされてきた」と嘆く。

 遺骨問題に取り組むアイヌ民族の木村二三夫さん(74)=平取町=も「アイヌに猿回しのサルをやらせるのか。ウポポイも万博も国の金もうけに加担させられているだけだ」と憤る。

 国はどうか。

 内閣官房アイヌ総合政策室の担当者は「予算も決まっておらず具体化していない。どの関係機関と協議をしているかは今の段階で言えない」とし、「国主導でアイヌ民族を万博に参加させるというのは、アイヌの人たちに踊りをやらせているニュアンスがして違う」と反論する。

◆民族的多様性を示したいなら、差別禁止法の制定が先

 これにくぎを刺すのが、先住民族の復権運動に取り組む室蘭工業大の丸山博名誉教授だ。「万博のような国家的行事でアイヌ民族に伝統文化の披露を要請するには、初期の段階から各地のアイヌ団体に目的や経緯を誠実に説明し、同意を得て、その上でアイヌ側が主体的に参加できるようにすることが不可欠だ」

 国際人権法には、FPIC(自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意)という、先住民族の自己決定権を手続き的に保障する原則があり、法治国家はそれを保障する義務がある、と続ける。

 「万博にアイヌ民族を招き、日本の民族的多様性を世界に示したいのなら、アイヌ語や琉球諸語を公用語化し、差別禁止法の制定なども約束すべきだ。それはせず、協力だけ求めるのは公平ではない。異を唱えるアイヌ民族や沖縄の人たちがヘイトにさらされる現状を国はもっと深刻に考えてほしい」

◆「無自覚にやっているのなら世界から冷笑される」

 国学院大の吉見俊哉教授(社会学)は「万博で流行した『人間動物園』は、先住民族を間近で見ることができるアトラクションで観光的側面があった。その差別的イベントが日本では、今回と同じ大阪で起きていた。今回の万博へのアイヌ民族参加にどれだけ生きているか。無自覚に観光的にやっているなら世界から冷笑される」と語る。

 「先住民族の権利奪還運動は全世界的な広がりがあり、いま最も注目される潮流の一つ。抑圧されてきた先住民の権利奪還に大阪はどう対峙(たいじ)するつもりか。先住民族を参加させることはそうした視点が問われる」

 そもそも差別的な帝国主義を背景に始まった万博。「英国など欧州はとっくの昔に卒業している。偽りの未来の幻想でしかない万博にいまだに熱中しているのは日本だけかもしれない。日本も早く万博幻想から卒業してほしい」と訴える。

◆デスクメモ

 人を人として扱わず。これを昔の話と片付けられない。今回の万博ではパビリオン建設が遅れる中、残業上限の規制を外す案が取り沙汰された。軽んじられる労働者の事情。昔と比べて度合いも形も違うが、差別の構図が浮かび上がる。こちらに関しても世界から冷笑されかねない。(榊)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/296493


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特集】『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』プレイレポート。ルーツを絶たれたナヴィは伝承を取り戻せるのか?映画に繋がるパンドラの世界が目の前に

2023-12-18 | 先住民族関連

Game*Spark12/17(日) 10:00配信

(写真:Game*Spark)

未だに破られない世界興行収入1位を記録し、映画の3D投影普及の立役者となった2009年の「アバター」から14年。第2作「ウェイ・オブ・ウォーター」の公開に併せて、映画と平行する物語を描くゲーム『フロンティア・オブ・パンドラ』が12月7日にリリースされました。

【画像全12枚】

「アバター」のゲーム化は初作の時の『アバター THE GAME』に続く2作目ですが、映画に匹敵する表現力を実現した新世代機によって、映像で観たものと同様の色鮮やかな世界を自分の手で探検できるようになりました。他の大作のように関連作が多く出ているわけではないので、「アバター」の世界を本編以外で楽しめる貴重な作品でもあります。

「アバター」の物語は、惑星パンドラの種族「ナヴィ」と、資源を求めて土地を奪おうとする「RDA(Resources Development Administration)」の戦いが描かれます。ゲーム内では基本的な説明は省かれているので、隅々まで描写を把握するには少なくとも映画第1作めを観ていることが前提ですが、“自然を壊す悪い人間と戦う”という構図が分かればプレイ上問題ありません。

ナヴィは身長が3メートル近く(大体ドミトレスク夫人ほど)あるうえ、身体の頑丈さは常識外れ。多少高いところから飛び降りても平気で、人間の建物を移動するときは屈む必要があるなど、巨体を意識するアクションは人間とは違ったプレイ感覚をもたらしてくれます。

逆にメインの敵であるRDAは人間なので、自分よりもスケールが一回り小さい存在を相手にします。描写としては正しいものの、他のゲームと比べて映像的な迫力での物足りなさは否めません。あくまでも「ナヴィの視点」を体験できることに意味があるので、プレイに当たってはそのあたりの納得が必要です。人間視点から見たナヴィの矢の迫力は是非映画の方で。

プレイヤーは部族の生き方を知らない若いナヴィとして、パンドラの文化を学びながら侵略する人類への抵抗に加わります。元RDAの人間と英語が通じる若い世代のナヴィで構成されたレジスタンスでは、ナヴィと人間の技術を組み合わせた装備を製作しています。主人公が使える武器は伝統的な弓矢とアイテムスリングに加え、アサルトライフルやスタングレネードなどの現代FPSでお馴染みの武器(特注のナヴィサイズ)です。人間の武器は弾薬の補給が限られているので、主に使うのは植生から矢弾を作れるナヴィの武器になるでしょう。

パンドラの動植物の多くに利用方法があり、食事から武器防具の強化まで、狩猟採取の知識を体得することでプレイを大きく有利に変えていきます。ナヴィの強靱な体力にはこまめな食事が欠かせず、折を見て果実や肉を獲らなくてはなりません。

植物なら限られた植生場所、動物なら縄張りの範囲があるため、必要なものがどこに行けば入手できるかを徹底的に記憶しましょう。特に回復できる果実は持てる数が多くないので、危なくなったら水辺で補給するといった現地調達の思考に順応することが肝心です。

利用用途のあるもの以外の動植物にも「手引書」の項目が用意されており、ナヴィ語の名称や、ゲームや映画で描写されない慣習などの細かい説明が載っています。原作が膨大な設定で構築されているだけあって、インタラクティブな設定資料集としても楽しめます。

ナヴィは部族ごとに友好度が存在し、アイテムの納品やクエストの解決によって貢献が認められると、貴重なアイテムと独自の武器防具のデザインを受け取れます。強い武具はデザインを基に自分で集めた材料を使って組み立てるのですが、材料には採取の状況で変わるコンディションがあり、特に天候によって強さが変わります。状態の良い素材が取れるタイミングを見計らって集める工夫が必要です。

ナヴィの生活圏には目立った道はないので、ナビゲーションをオフにすれば景色と音を頼りに行動することになります。それらの環境を把握して有利に利用できるようになるには時間がかかりますが、繰り返していくうちに慣れていって、道なき道を自分の庭のように駆け回れるようになる。RDAの撃退という目標はあるものの、部族との交流を通じて狩猟採取の知識と技、則ち「生き方(Way)」を身に付け、ナヴィの魂を取り戻していく過程、それこそが本作におけるゲーム体験の肝なのです。映画を観てナヴィの文化に惹かれた人には、是非プレイして欲しい作品です。

「アバター」シリーズの物語は先住民族と欧州からの入植者の争いがモチーフ。『フロンティア・オブ・パンドラ』の冒頭ではナヴィの子供達を一族から引き離し、無理矢理人類の価値観を強制する教育を行っていました。RDAは彼らを少年兵として育て、パンドラ侵攻の戦力とすることを画策したものの、映画で起こったナヴィ蜂起により撤退。主人公はそこから脱出して、パンドラを荒らすRDAを撃退する反抗に加わります。

この場面のモデルになったのが、北米各地で行われた同化政策のひとつ「寄宿学校」です。アメリカ、カナダにおける歴史の闇であり、ここ数年の新しい動きで注目されているトピックです。

先住民寄宿学校(IRS)は開拓の障害となっていた先住民を弱体化させるため、若い世代を拉致同然に収容し、文化の継承を断つことを目的に設立されました。『メタルギアソリッドV』のコードトーカーが経験したのもこの寄宿学校。19世紀から1980年頃まで約150年間続けられ、入れられたのは15万人に上ります。

学校では虐待が横行し、非人間的な扱いを受けていました。カナダで記録されているだけでも4000人近くが死亡していて、さらに近年の跡地調査では1校ごとに数百人の遺体が新たに発見されました。カナダ議会は2022年に寄宿学校を「ジェノサイド」と認定。同年にローマ教皇が正式に謝罪を表明しました。ここで教育を受けた人たちは先住民のコミュニティにも戻れず、失われた文化の回復は大きな社会問題になっています。

映画で人間のジェイクが部族に馴染んでいく過程に似ていますが、『FoP』の主人公はナヴィでありながらナヴィでないという複雑な立場。RDAの手先ではないかと疑う視線が突き刺さります。滅んでしまった部族の伝承をさがす一方で、人間がもたらした便利な道具も手放せない。「二つの世界」の狭間で生きるナヴィのアイデンティティはどこにあるのか?新しい角度から描写されるパンドラにも注目です。

Game*Spark Skollfang

https://news.yahoo.co.jp/articles/d141f60da2248e960a55d7fc2e9ada86ec65b6b1


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堀ちえみ、カカオの魅力をアピール!『巡る、カカオ ~神のフルーツに魅せられた日本人~』舞台挨拶で和田萌監督と想い語る

2023-12-18 | 先住民族関連

ムービーウォーカー2023/12/17 19:45

チョコレートの原料であるカカオに魅せられ、栽培農家の労働環境向上やカカオのビジネスモデル構築に奔走する日本人を追ったドキュメンタリー映画『巡る、カカオ ~神のフルーツに魅せられた日本人~』(2024年1月12日公開)。本作の舞台挨拶が12月14日にアキバシアターにて開催され、和田萌監督とナレーションを務める堀ちえみが登壇した。

コロンビア先住民の末裔であるカカオの起源となったアルアコ族が抱える課題を、現地に入り、ともに課題解決に取り組み、カカオ産業のビジネスモデル構築に奮闘するカカオハンターの小方真弓。アフリカのガーナに単身渡航し、現地のカカオ産業を変えるため農家だけでなく政府にも働きかけ、革命を起こそうと奮闘しているMpraeso合同会社CEOの田口愛。カカオに魅了された2人を中心に、様々な人々がカカオの魅力や課題を語っていく。監督を務める和田は、ドキュメンタリー映画『であること』(20)や、NHKや毎日放送「情熱大陸」などを手掛け、放送文化基金賞やギャラクシー賞を受賞してきた逸材だ。
和田監督が「この映画は本当にカカオとかチョコレートが好きな人が多く関わってくださって。それで堀さんにお願いしようということになったんです。カカオ愛に満ちている方で、本当にカカオがお好きなんだなと思いました」と語るほどに、堀は大のチョコレート好きだという。
映画でナレーションを担当するのは、本作が初だったという堀は「舌の病気をして、手術をしたあとで、こういうナレーションのお話が私に来るなんて。なんて光栄でラッキーなのかと。カカオが導いてくれた気がします」と感激の表情を見せた。
堀にとってカカオは元気の源だという。「毎日食べています。やはり元気になれる気がするんですよね。だから病気をした時も、『早く良くなって、チョコレートを食べるんだ』と。そう思って頑張っていました」と語るなど、心の支えになっていたという。

本作の劇中では、カカオ農家の人たちが手間暇かけてカカオを育てている様子などが映しだされているが、堀は「もっとカカオを味わって。大切に食べないといけないなと思いました。そこにあることが当たり前だと思っていましたけど、こんなふうに私の元にやってきたのかと思ったら愛おしくて。これからはそういう想いでチョコレートを食べます」と語った。
続けて、堀はカカオの魅力について「疲れた時や、元気を出したい時に癒やされますよね。それと頭の回転が良くなる気がして。ついつい食べ過ぎちゃうんです。子どもたちから『食べ過ぎよ、お母さん』と叱られます」と振り返り、さらに「チョコレートを食べて元気になれるなと思ってからは、ずっと家に常備してあります。CMもやってましたからね」と笑ってみせた。

『巡る、カカオ ~神のフルーツに魅せられた日本人~』は2024年1月12日(金)公開

特にアイドル歌手として活動していたころは、チョコレートをプレゼントとしてもらうことも多かったという。「普通は男性がいただくものだと思うんですが。当時は“友チョコ”がない時代なのに、女性からもたくさんチョコレートをいただいて、律儀に食べていました」というアイドル時代のエピソードに、会場の観客も熱心に耳を傾けていた。
一方、ガーナ、コロンビアなど、カカオに関わる人たちを取材するために世界中を飛び回ったという和田監督。「こんなところにカカオがあるのかと思いました。普段なら絶対に行かないようなジャングルをどんどん分け入っていくんです。本当にカカオに導かれて、世界中を飛び回った感じがします」と本作の撮影を振り返った。
また、カカオの魅力について「発酵食品ということですね。なんで日本人の私がカカオの映画を撮るのかと考えていたんですけど、発酵ということにヒントがあるのかなと。発酵というのが、日本人にも近いものであるというのがありますし、カカオというのは、フルーツであり、発酵であるというところがおもしろいですよね」と明かした。
イベントも終盤となり、最後のメッセージを求められた堀は「とにかくカカオのことが世界一よく分かる映画だと思いますので、これを観て、チョコを食べて一杯、というのもいいんじゃないでしょうか」と語ると、和田監督も「タイトルにも込めたんですが、『巡るカカオ』ということで、ガーナ、コロンビア、日本と回ったんですが、現在、過去と、いろいろと時間を巡る映画になりました。カカオを通して皆さんにも旅を体験していただけたらうれしいなと思います」と観客に呼びかけた。
文/山崎伸子

https://moviewalker.jp/news/article/1172766/


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