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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<ウポポイ オルシペ>67 樹皮をとる季節 特性を知りモノづくり

2023-06-16 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月15日 22:44

十勝管内豊頃町で二風谷民芸組合が行ったオヒョウ樹皮の採取の様子。ウポポイの職員も同行した=2023年5月21日
 初夏は樹が水分を多く含んでいるため樹皮をとるのに適した季節です。アイヌ文化の伝承者で国会議員も務めたことがある故萱野茂さんは、具体的に6月18日ごろがいいと著書に記しています。
 樹皮は薬、草履、容器、しゃくし、たいまつ、小屋の被覆材、舟など、樹種の特性に応じた用途があります。サクラ類の表皮は弓や矢筒に巻き付けることで補強と装飾になりました。オヒョウやシナノキ、オオバボダイジュ、ハルニレなどの内皮からは衣服を作るための繊維がとれます。とりわけオヒョウの繊維には強靭(きょうじん)さがあるといわれます。
 ・・・・・
 <文・堀江純子(ニトゥレン)=民族共生象徴空間文化振興部文化事業課・体験教育課>
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/862380/

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アイヌ民族の舟下ろし儀式、阿寒湖で23年ぶり 工芸協同組合がカツラで1隻製作

2023-06-16 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月15日 22:09

アイヌ民族の歌声が響く中、阿寒湖に浮かぶ丸木舟(小川正成撮影)
 【阿寒湖温泉】アイヌ民族らでつくる阿寒アイヌ工芸協同組合(釧路市)は15日、新たに製作したアイヌ民族伝統のチプ(丸木舟)1隻の舟下ろしの儀式「チプサンケ」を阿寒湖で行った。阿寒湖でのチプサンケは23年ぶり。
 丸木舟は、国のアイヌ政策推進交付金を活用した釧路市の「アイヌ工芸技術後継者育成事業」の一環で、市が同組合に製作を委託した。2021年夏に弟子屈町内の国有林から切り出した高さ約24メートルのカツラの大木を原材料としている。
 ・・・・・
(松井崇)
※「チプ」「チプサンケ」の「プ」は小さい字。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/862351/

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「考える力」新聞を活用 空知でNIEセミナー 記事から発見や疑問、管内の教諭が実践発表

2023-06-16 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年6月15日 22:08(6月15日 22:37更新)

新聞の教育への活用法を学んだNIEセミナー
 【芦別】上芦別小で14日に行われた、NIE第15回空知地区セミナー(北海道NIE推進協議会主催)では、管内の教諭による新聞を活用した授業と実践発表が行われ、新聞の活用が自ら考える力などの養成に有効なことなどが報告された。
 道内の小中高教諭や大学教授ら約40人がズームを含めて参加した。
 公開授業では、同小の中西亜美教諭(39)が3年生12人に「発見ノートを作ろう」と題して授業。児童たちは小学生新聞の記事を読んで自分の発見や不思議に思ったことについて、感想や考えなどをノートに記した。ある児童は「東証株価指数 32年ぶりの高値」との記事に着目。「なぜ何十年もたって急に高い値になったのか」と疑問に思った点を記していた。
 実践発表では、岩見沢東高の山口晴敬教諭(54)が、道の許可を得ずに河川でサケを捕獲したとして紋別アイヌ協会会長らが道警に書類送検された問題について、新聞のデータベース(DB)記事を活用し、2年生たちが議論した授業の内容を動画で紹介した。
 生徒たちは道警とアイヌ協会それぞれの弁護士になったとの仮定で議論。・・・・・
(宍戸透)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/862350/

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アイヌ民族の歌・踊りを楽しもう 歌い比べ、ムックリ披露 17日、平取で4年ぶり

2023-06-16 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年6月15日 20:05(6月15日 20:41更新)
 【平取】アイヌ文化の歌や踊りなどを披露する「ウレクレク~風の谷の響~」が17日、4年ぶりに町内で開催される。
 平取アイヌ協会青年部が主催し、今年で10回目。今年は午後3時ごろから、10回目の記念品としてアイヌ文様がデザインされたキーホルダーが先着500人に贈られる。
 午後4時からはステージイベントを実施し、町内の木村梨乃さん(26)と新町征也さん(24)のユニット「ankes(アンケシ)」が、各地域のアイヌ民族の歌を歌い比べたり、
 ・・・・・
(杉崎萌)
※「ウレクレク」の3文字目の「ク」と「アンケシ」の「シ」は小さい字。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/862262/

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津波は、アイヌは、天然記念物は…ソーラーパネルと共生、見えた課題

2023-06-16 | アイヌ民族関連
毎日新聞6/15(木) 13:00

釧路湿原の国立公園指定エリア外の湿原を埋め尽くす太陽光発電。後方は雌阿寒岳=北海道釧路町別保原野の高台で2023年1月27日、本間浩昭撮影
 北海道・釧路湿原国立公園周辺で大規模な太陽光発電施設の設置が相次いでいる問題で、釧路市は12日に自然との共生に向けたガイドライン(指針)を策定した。これについて釧路市環境審議会委員の一人、道教育大釧路校の伊原禎雄教授(動物生態学)は三つの課題を指摘した。【聞き手・本間浩昭】
【写真特集】氷河期の遺存種「キタサンショウウオ」 どんな生物?
 ◇一部パネルに有害物質
 釧路地域では巨大地震・巨大津波が想定されているが、「津波災害警戒区域」にも多くの太陽光パネルが設置されている。パネルには鉛などの重金属が含まれており、一部のパネルにはさらに毒性の強いカドミウムやセレン、ヒ素が使用されている。カドミウムは、四大公害病の一つ・イタイイタイ病を引き起こした原因物質である。襲来する津波はパネルを粉々に破壊し、汚染物質を拡散させる。浸水域となる釧路湿原は釧路市の上水道の水源でもある。ひとたび環境基準を超えた汚染が発生すれば、生活に深刻な影響が出ると考えられる。
 再生可能エネルギーの導入は必須だが、地域の事情や環境条件によっては深刻なリスクを引き起こしかねず、対策を事前に立てる必要がある。津波が来るような場所に対策もせずに設置すれば、いざという時に影響を被るのは地元である。この構図は、2011年に起きた東日本大震災に伴う放射能汚染とも共通する。放射能汚染された土壌の除去事業にどれだけ莫大な時間と予算が投入されたかを考えてほしい。津波後の地域復興も極めて大きなマイナスを背負っての道のりとなる。
 津波などの災害により発生する災害ゴミの処理については廃棄物処理法上、市町村が担うとされ、集積場所や汚染対策を国や道と協議し、事前の準備が求められているが、指針にはこうした対策が盛り込まれていない。別表の「設置するのに適当でないエリア」に津波災害警戒区域を挙げているが、すでに設置されている発電施設も多く、こうした既設の発電施設からの汚染リスクの低減対策なども指針の条文にきちんと盛り込むべきである。
 ◇欠けたアイヌ文化への配慮
 第2に、アイヌ文化への配慮が盛り込まれていない点である。現在、釧路市音別町のアイヌ民族「伝承の地」である馬主来沼(パシクルトウ)西側では大規模な太陽光発電設置計画が進んでいる。改正アイヌ文化振興法の趣旨に沿えば、地方自治体は文化財指定を受けなくても、文化のよりどころとなる伝統的な場所の開発にあたってはアイヌ民族に意見を聞いて是非を検討することが必要だと考える。文化の根拠の消失を繰り返さないためにもアイヌ文化尊重の趣旨を指針に反映すべきである。
 ◇希少種保護にも目を
 第3に、市街化調整区域での希少種の保護の実効性についても問題がある。環境省のレッドリストの絶滅危惧ⅠB類で、市の天然記念物でもあるキタサンショウウオの主要な生息地は、釧路市の市街化調整区域と重複する。同区域では建築物が規制されるが、法律上、建築物とみなされていない太陽光パネルの設置は可能で、生息地への設置が止まらない状況にある。釧路湿原では草地開発や道路建設に伴う本種の保護策として、成体や卵を代替池に移転してきた。だが、継続的なモニタリング調査の結果、移転による保護はうまく行かず、他に効果的な保護策は見いだせていない。指針では事業者が適切な保護対策を行えば設置を可能としているが、対策の効果や適切性には触れておらず、本種の保護については「事業者任せ」と言わざるを得ない。市街化調整区域に広がる生息地の保全が本種の保護の基盤であり、事業者任せではなく市としての責任を果たすべきである。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4df5bae5f3005a9ced7d4e0cde4dc59334f4bb60

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自然巡る風、感じて アイヌの版画家、結城さん作品展 大丸札幌 /北海道

2023-06-16 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/6/15 地方版 有料記事 494文字
 アイヌ民族の「伝統と今」を伝える版画家、結城幸司氏(59)の展示会「-レラカリブ 風巡り―結城幸司展」が14日、札幌市の大丸札幌店8階で始まった。結城氏は「自然と人の間にある物語を感じてほしい」と語る。
 札幌市在住の結城さんは、札幌アイヌ協会などの代表を務め、国内外にアイヌ民族の伝統や文化を伝える活動を続けている。アイヌの神話をもとにした木版画や木彫りも数多く制作している。
 結城さんの作品展は「風」がテーマになることが多い。「風は目に見えないけれど、確かに存在していて、自然を巡った風を感じて作品に現れることもある。作品から風が吹くこともあり、それを感じてくれる人がいるかもしれない」と思いを込めている。
 ・・・・・
 作品展は午前10時から午後6時まで。最終日の20日は午後5時まで。【山田豊】
https://mainichi.jp/articles/20230615/ddl/k01/040/015000c

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バードチェリーの木

2023-06-16 | アイヌ民族関連
フィガロJune 15, 2023
バードチェリーは、庭に沢山ある木の中でもお気に入りの一本。日本名はエゾノウワミズ桜と言って、北海道の桜と言う意味だそうです。
5月から6月にかけて咲く白くて可憐なお花はバニラのような甘い香り。
イギリスではエルダーフラワー の木と同じく魔除けになると言われていて、アイヌの人々の間でも病魔を追い払うと信じられていたそうな。

たったの15年前に植えたばかりなのにあっという間に大きくなって、隣のボタン桜の木を剪定しなければならないくらいにスクスク育っております。
https://madamefigaro.jp/blog/satski-gamble/post-30.html

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ウィロビー市で先住民族への敬意を表す18のイベント─「Gai-Mariagal Festival」が開催中

2023-06-16 | 先住民族関連
日豪プレス2023.06.15

Dennis Golding, Back Home From Home (detail), 2021-23, photographic print on Canson rag paper. Courtesy of the Artist
 シドニー北郊に位置するウィロビー市で5月26日〜7月9日まで、「ガイ・マリアガル・フェスティバル(Gai-Mariagal Festival)が開催されている。同フェスティバルは、オーストラリアのコミュニティーが同地の先住民族を理解することを目的とし、「真実を語る─私たちの長老たちのために」をテーマに、期間中、「Sorry Day」「National Reconciliation Week」「NAIDOC Week」など、重要な日に合わせてさまざまなイベントを実施。ウィロビー市長のターニャ・テイラー氏は「多様なコミュニティにアピールする幅広いイベントを提供できることをうれしく思います」と語る。
 ウィロビー市は、自治体全域で18のイベントを開催。一部は以下の通り。
■ (Re)telling: Stories of Country and Truth(6月15日~7月9日): チャッツウッドのコンコースのアート・スペースで開催される展覧会。ムルワリ族の女性及びヴァージニア・ケフト博士のキュレーションによるもので、オーストラリア各地から新進のアボリジニ・アーティストや著名なアボリジニ・アーティストが集結。
■Art Dub Lefflerワークショップ(6月28日): 受賞歴のあるイラストレーター、アニメーター、作家であるダブ・レフラーによる、小学生を対象としたアートとストーリーの体験型ワークショップ。ウィロビー市立図書館で開催。
■アボリジニの現地の歴史を紹介(6月16日): シドニーのアボリジニの歴史を理解することはさまざまな理由から困難であると言われている。アボリジナル・ヘリテージ・オフィスのカレン・スミスが、ウィロビー市立図書館で、アボリジニの歴史・文化に関する知識と経験を共有する。
■「Bush to Bowl」によるガイド付きブッシュ・ウォーク(6月14日): シドニーのブッシュ・フード農園「Bush to Bowl」の収穫物収集家アンソニーが、特定の植物や土地の手入れに関する知識を共有しながら、美しいレーンコーブ川沿いを散策する。
その他、イベントの詳しい詳細はこちらから
https://www.visitchatswood.com.au/Events/Gai-mariagal-Festival-2023
https://nichigopress.jp/topics-item/67802/

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メキシコ出身アーティストGabriel Ricoの個展、人間と自然の関係性を構築する立体作品を展示

2023-06-16 | 先住民族関連
ファッションスナップ2023.06.15 Thu. - 18:59 JST
メキシコ出身のアーティスト Gabriel Ricoの個展「The Propagation of Teurári」が、ペロタン東京にて6月24日(土)まで開催中。
自らを「発見的手法を用いた存在論者」と称し、発見、収集、製造された素材の組み合わせから、人間と自然環境の関係性について思案させる立体作品を制作するGabriel Rico。
ネオンや剥製、陶器、枝、個人的な思い出の品々などを用いたそれらは、方程式や定式のように、素材そのものの有機的で粗削りな性質に反した精密な幾何学性を生み出す。
そしてアイロニカルかつ詩的に組み合わせられた自然と不自然な形状は、その非対称性を通して私たちの文化的、政治的欠陥について考えさせる。
今展は、彼が過去10年にわたりコラボレーションを行ってきた先住民のグループに捧げるもの。
その作品群には、先住民の伝統的な職人技であるニエリカ(毛糸絵)やチャキラ(ガラスビーズ)が活用され、民俗学的な創造プロセスを促進する。
Ricoは彼らの非西洋的な知識や自然に基づく信仰を融合することで、自然とのより強固な繋がりの構築を図り、私たち人間にその関係性を再考するきっかけを与えている。
「Vll from the series - The taste of superlative and the admirable holiness」は、鑑賞者の通過によって生じる風が、吊り下げられた金箔をほんの一瞬はためかせ、人間と作品の間にある目に見えない原子の触覚的な繋がりを感じさせる作品。
また「No podemos ver el interior del sol directamente (pentágono y máscara)」は、陰と陽の心地よい対称性のような、自然界に見られるバランス感覚や形の緻密な計算に基づいている。
広範なコラボレーションで探る、宇宙と人間存在のバランス。
先住民の信仰を通した自然との調和の在り方が、オルタナティブな認識を構築していく。
PERROTIN TOKYO
03-6721-0687
【Gabriel Rico “The Propagation of Teurári”】
DATE:6月24日(土)まで開催中
※日曜、月曜休廊
TIME:12:00pm~6:00pm
PLACE:ペロタン東京
ADDRESS:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階
ADMISSION FREE
WEBSITE:leaflet.perrotin.com/view/523/the-propagation-of-teurari
https://www.fashionsnap.com/article/2023-06-15/gabriel-rico-exhibition/

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夏季とは異なる冬季オリンピックのメダル【冬季オリンピック・パラリンピック大会】

2023-06-16 | 先住民族関連
笹川スポーツ財団2023.06.15
 メダルは金、銀などの貴金属が使用されることが多く、表面に意匠を施した円形もしくは楕円形のもの。ルイ14世の太陽王のメダルが示すように、権力者や勝者の象徴として古くから作られてきたもので、その後、勲章に近い意味で功績があった者、勝利した者を表彰し授与されるようになった。
 現在、多くの人は「メダル」といえばオリンピックで1〜3位に授与されるオリンピックメダルを想起する。しかし、メダルの歴史は1896年に始まる近代オリンピックの歴史より古い。
 スポーツ大会でいえば、英国のマッチ・ウェンロックという小さな町で1850年から行われていたウェンロック・オリンピックというローカルな大会で、勝者にメダルが与えられていた。近代オリンピックの提唱者であるピエール・ド・クーベルタンは、1888年に英国を訪れ、ウェンロック・オリンピックの主催者ウィリアム・ペニー・ブルックスに会い大会も見ている。そこで勝者にメダルが授与されることは知っていた。また、1859年から1889年の間に4回行われたギリシャのオリンピア競技祭(通称ザッパス・オリンピック)でもメダルは授与されていた。
 古代オリンピックを復活させ近代オリンピックを立ち上げたクーベルタンであるが、古代オリンピックではメダルの授与は行われていない。勝者にメダルを授与する近代オリンピックのスタイルは、古代オリンピックにその起源があったわけではなく、19世紀のヨーロッパのトレンドを採用したものであったと考えられる。
 近代オリンピックでは第1回アテネ大会からメダルが授与されている。この大会では1位に銀メダル、2位に銅メダルが贈られたが、3位には何もなかった。第2回パリ大会は万国博覧会の付属大会という不完全なオリンピックであったことで、メダルが授与される競技とされない競技があったが、その後の大会では現在と同様、1〜3位の選手にメダルが授与されるようになった。
 さて、メダルのデザインである。第1回アテネ大会ではギリシャ神話の最高神ゼウスが大きく描かれていた。その後、メダルのデザインは毎回変更になったが、1928年アムステルダム大会から2000年シドニー大会までは同じデザインが採用された(1956年大会の馬術競技用のメダルを除く)。勝利の女神「ニケ」が右手で勝者に授けるオリーブの冠を掲げている。ニケの背後に描かれている競技場は、イタリア・ローマのコロッセオ。デザイナーはイタリアのジュゼッペ・カシオリである。
 このメダルの裏側は、古代オリンピックの勝者が人々によって担がれているデザインで、こちらは1968年メキシコシティー大会まで続く。それ以降、裏側は大会ごとに異なるデザインになった。
 夏季大会のメダルのデザインが大きく変わったのは2004年アテネ大会だった。それまで斜め横を向いて腰掛けていた勝利の女神ニケが、立って正面を向くようになった。背中の翼も大きく描かれるようになり、躍動感が増した。背景には競技場が描かれているが、以前のコロッセオではなく、第1回アテネ大会で使用されたパナシナイコ競技場に変更されている。このデザインはそれ以降の大会でも続いて使用されており、2020年東京大会もこのデザインが採用された。この2004年以降のメダルの裏側には、大会エンブレムが描かれている。
 ちなみに、現在オリンピックでは1〜3位の選手が表彰台に立ち、大会関係者(多くは国際競技連盟の役員)が表彰台の下から選手の首にメダルをかける方法(コロナ禍を除く)で行うが、このスタイルになったのは1936年から。1932年ロサンゼルス大会までは、メダルを持った国家元首、王族、貴族や国際オリンピック委員会会長、組織委員会の役員などのところに正装(あるいはデレゲーションユニフォームを着用)した選手がメダルをいただきにいき、授与されるという方法だった。1〜3位の表彰台の上に選手が立つスタイルは、1936年ガルミッシュパルテンキルヘン冬季大会が最初である。
夏季大会のメダルデザイン
 冬季オリンピックのメダルのデザインは夏季とは異なるものでなければならないとされている。このことは、大会ごとのメダルデザインの自由度が高いことを意味する。実際、冬季のメダルデザインは夏季大会とは異なり、同じデザインが続くことがなく、大会によって大きく異なっている。
 それではまず、夏季大会で長く採用されてきた1928年アムステルダム大会のメダルと、2004年アテネ大会から採用されている現在のメダルのデザインを見ていこう。
・1928年アムステルダム大会(夏季)
 表側には、右手に勝者の冠を高く掲げる伝統的な勝利の女神ニケの姿が描かれている。背景にはローマのコロッセオ。デザインしたのはフィレンツェの芸術家ジュゼッペ・カシオリ。国際オリンピック委員会のコンペティションで選ばれた。この表側のデザインはこれ以降2000年シドニー大会まで続く。裏面には、古代オリンピックのスタジアムを背景に、群衆に担がれた優勝者が勝利の凱旋を行なっている姿が描かれている。
・2004年アテネ大会(夏季)
 この大会でデザインが大きく見直された。1928年から2000年までのニケは勝者のための葉冠を掲げて座っていたが、この新しいメダルでは勝利を授けるためスタジアムに降り立つ姿が描かれている。そのスタジアムとして、かつてのコロッセオは姿を消し、新たに第1回アテネ大会で使われたパナシナイコスタジアムが採用された。また、それまで使用されてこなかったギリシャ文字が、メダルの表・裏の両方に刻まれるようになった。オリンピックの起源を見直し、復刻しようという意識の表れである。
 東京2020大会でのメダルも同じデザインだった。
 以上が夏季大会のメダルの主要デザインである。次は、開催地の文化が反映されている冬季大会のメダルのデザインを見ていこう。ここでは特徴的なものをいくつか紹介する。
冬季大会のメダルデザイン
・1924年シャモニー冬季大会
 表側には、競技の優勝者が右手にはスケートを、左手にはスキー板を持って両腕を広げている姿が描かれている。背景にはモンブランとアルプスの山々が見える。裏面には、「CHAMONIX MONT-BLANC SPORTS D’HIVER 25 JANVIER-5FEVRIER 1924 ORGANISES PARLE COMITE OLYMPIQUE FRANCAIS SOUS LE HAUT PATRONAGE DU COMITE INTERNATIONAL OLYMPIQUE A LOCCASION DE LA CELEBRATION DE LA VIIIe OLYMPIADE(第8回オリンピアードを祝して国際オリンピック委員会が後援し、フランスオリンピック委員会が主催する1924年1月25日から2月5日まで行う冬季スポーツ大会)」の文字。「オリンピック競技大会」とは書かれていない。このメダルが制作された時点では、この大会はまだオリンピックと認定されていなかったためである。
・1972年札幌冬季大会
 このメダルは丸くない。表側のデザインは陶芸家・八木一夫によるもの。刻まれた複数の線によって、ふわふわした雪と尖った氷の両方が表現されている。平和な日本の雪国の風景である。中央を縦に伸びる曲線はスキーのシュプール、右下の楕円形はスケートリンクだ。田中一光デザインの裏面には、「札幌オリンピック冬季大会」、「XI OLYMPIC WINER GAMES SAPPORO '72」の文字と、公式エンブレムが刻まれている。
・1992年アルベールビル冬季大会
 表・裏ともにクリスタルガラスが使われている。ガラス部分には雪の山谷を模したデザインが施され、オリンピック・シンボルが浮かび上がるように刻まれている。表側の上部には金色で月桂樹の枝が描かれ、下の金色の部分には「ALBERTVILLE 92 XVIes JEUX OLYMPIQUES D 'HIVER-XVI OLYMPIC WINTER GAMES」と書かれている。ガラスでできた初めてのメダルで、複雑で精密な手作業が数段階必要とされる。35人が数百時間かけて完成させたという。
・1994年リレハンメル冬季大会
 制作者によると「ユーモラスで、しぶくて、印象的」なメダル。コンセプトは「生粋のノルウェー人」。メダルの基盤にはノルウェーで豊富なスパラグマイトという岩石を使い、ノルウェーの人々の性質と自然との共存を表現している。表側にはオリンピック・シンボルと「THE XVII OLYMPIC WINTER GAMES Lillehammer '94」の文字、裏側には競技名とアスリートの姿が刻まれている。
・1998年長野冬季大会
 木曽漆を使用し、蒔絵、七宝焼きという日本の伝統芸術が活かされた。表側の上部には蒔絵で日の出の風景が、中央には6色を使った七宝焼きで大会エンブレムが描かれている。左右には月桂樹の枝が飾られ、下部には「NAGANO1998」の文字とオリンピック・シンボル。裏側の蒔絵内に描かれているのは信州の山々。下部には、各競技のピクトグラムが刻まれている。
・2006年トリノ冬季大会
 中央に穴がある珍しいデザインのメダル。表側には競技を象徴するデザインがグラフィックに描かれ、裏側にはピクトグラムが刻まれている。丸い穴はオリンピック・シンボルを連想させ、リボンはこの穴を通して結ばれる。メダルの表面はなめらかな輝きを放つよう工夫されている。また、首にかけるとちょうど穴の部分が競技者の心臓のあたりに来ることで、生命力と感情を強調するという狙いもこめられている。

・2010年バンクーバー冬季大会
 表側にはオリンピック・シンボルのレリーフのほか、シャチをモチーフにした先住民のアートが描かれている。裏側には大会正式名称が英語とフランス語で刻まれ、大会エンブレムと競技・種目名も添えられている。メダルは平らではなく波打っており、考案したのはバンクーバー出身の産業デザイナーで建築家でもあるオマー・アーベル。メダルにインスピレーションを与えたのは、カナダ先住民の伝統をテーマにバンクーバーで活動する芸術家コリーン・ハントの作品。
・2014年ソチ冬季大会
 雪に覆われた山頂から黒海の砂浜へと太陽の光が降り注ぐ、ソチの景観が表現されている。金属とポリカーボネートを使用して作られたメダルは、明るさを強調。オリンピック・シンボルが表側にあり、種目名とソチ2014のエンブレムは裏側に刻まれている。側面には大会名称「第22回オリンピック冬季競技大会」がロシア語、英語、フランス語で書かれている。
・2018年平昌冬季大会
 デザインは木の幹の質感に着想を得たもので、表側にはオリンピック・シンボルとオリンピックの歴史、そしてダイナミックな斜めの線がいくつも刻まれている。一方、裏側には競技名、種目名、平昌2018のエンブレムが描かれている。制作者は韓国の有名デザイナーであるイ・ソグ。
・2022年北京冬季大会
 メダルの名前は「同心」(中国語で「心を一つに団結する」の意)。5つの同心円と中心のオリンピック・シンボルで構成されている。5つの同心円は、世界の人々を結びつけるオリンピック精神と、冬季オリンピックの歓喜を分かち合うことを表している。このデザインは2008年北京夏季大会のメダルの裏側のデザインに似ているが、それは史上初である夏季と冬季の両オリンピックを開催する都市「デュアルオリンピックシティ」を表現しているため。中央のオリンピック・シンボルの下には「XXIV Olympic Winter Games Beijing 2022」の文字が刻まれ、その周りに氷や雪、雲の模様が描かれている。
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/history/winter/10.html

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図書館情報学学位プログラムによって将来の図書館員は実社会の課題に十分に備えることができているのか?(記事紹介)

2023-06-16 | 先住民族関連
カレントアウェアネス-R2023年06月15日
米・Library Journal誌(オンライン)に、2023年6月1日付けで、記事“Do LIS Programs Prepare Future Librarians for Real-World Challenges?”が紹介されています。
この記事では、図書館からの黒人・先住民・有色人種(BIPOC)やLGBTQIA+関連図書の排除を求める動きを筆頭に、図書館員に対する圧力が増す中で、図書館情報学(LIS)学位プログラムによって卒業生たちは実社会の課題に十分に備えることができているのかについて、米国のLIS学位プログラムを提供する大学の事例とともに論じています。以下のような内容が述べられています。
・145の図書館が参加した2022年の調査では、調査に回答した図書館員の50%がプログラム提供校で検閲等に対処するための研修を受けており、70%が仕事上で何らかの研修を受けたと答えたが、そのほとんどは単発のセッションだった。また、研修の多くは実践的な戦略よりも、図書館員としての理想や知的自由の概念に重きを置いていた。
・米国図書館協会(ALA)のドラビンスキ(Emily Drabinski)氏によると、LIS学位プログラムに普遍的に求められることは、公共施設である図書館のおかれた社会的構造への理解を学生に促すことであり、自分たちの図書館に必要な資金や支援を獲得するために、いかに組織として自治体で行動を起こすべきかという問いへの答えを持てるようにすることである。
・いくつかの大学は実践重視のカリキュラムに転換しつつある。ワシントン大学情報大学院では、多様性やインクルージョンについて重点的に扱うとともに、実務家をゲストスピーカーとして招いたり、インターンシップやフィールドワークを積極的に行っている。また、イリノイ大学Urbana-Champaign校も図書館での実習やインターンシップに重きを置くとともに、現在の政治的状況や社会正義の問題に対応した新講座を開講している。
Do LIS Programs Prepare Future Librarians for Real-World Challenges? (Library Journal, 2023/6/1)
https://www.libraryjournal.com/story/do-lis-programs-prepare-future-librarians-for-real-world-challenges
参考:
国際図書館連盟(IFLA)、「図書館情報学専門職教育プログラムのためのガイドライン」を公表 [2022年07月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/46570
Library Journal誌、2019年の米国の図書館情報学大学院卒業生の就職・給与状況調査の結果を掲載 [2020年10月23日]
https://current.ndl.go.jp/car/42338
https://current.ndl.go.jp/car/183594

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最高裁判所はインドの児童福祉法をそのまま放置:NPR

2023-06-16 | 先住民族関連
TechWire24 2023年6月15日アンダーソンキャシー

2022年11月16日、ワシントンの最高裁判所の建物の一部を照らす光。
パトリック・セマンスキー/AP
米国最高裁判所は木曜日、予想に反してインドの児童福祉法を支持したが、異議申し立て者らが提起した重要な議論は未解決のままとなった。
裁判所は7対2の投票により、アメリカ・インディアンの子供を養子にする際に先住民部族を優遇する法律を支持し、この法律は伝統的に州が規制する権限領域に連邦政府の義務を容認できない形で課すものではないとの判決を下した。
しかし、子供たちを先住民の里親や養子縁組の家に預ける優先権に関して、この法律が人種に基づいて違憲に差別しているかどうかということになると、裁判所はこの問題を決定しなかった。具体的な被害は受けておらず、訴訟を起こすこともできなかった。
エイミー・コニー・バレット判事は多数派意見の中で、「結論としては、本案によるものもあれば、適格性の欠如によるものも含め、この法律に対する上告人の異議申し立てをすべて却下するということだ」と述べた。
クラレンス・トーマス判事も加わったサミュエル・アリト判事は反対意見の中で、法廷は「これらの事件で最も重要なことは何なのかを明らかにしている。それは『最も弱い立場にある子供たちに関するもの』だ」と書いた。 しかし、冒頭のうなずきの後、裁判所はこの最も重要な懸念を見失い、これらの子供たちとその親の権利と利益、そして憲法の連邦権限と州権限の分割を無視する形で次々と問題を決定します。」
ICWAは、議会調査で先住民族の子供たちの3分の1以上が部族の家から連れ去られ、インディアン以外の家族や施設に預けられ、インディアンと何の関係もないことが判明したことを受けて、45年以上前に制定されて以来、画期的な法律として位置づけられてきた。部族。
裁判所はインドの児童福祉法に対する異議申し立てをすべて却下し、「一部は本案であり、その他は資格の欠如である」とバレット氏は書いた。
この法律に対しては、チャド・ブラッキーンとジェニファー・ブラッキーン夫妻が、他の非先住民の養子縁組を予定している夫婦とともに異議を申し立てた。 彼らは、この法律は人種に基づいて差別し、州に連邦命令の遂行を強制するという点で憲法に違反していると主張した。 高等法院は、ネイティブ・アメリカンを人種的集団ではなく政治的集団として分類する1世紀以上にわたる先例を引用し、これらの主張を却下した。
木曜日の決定は、法律が先住民の子供たちと部族コミュニティを保護すると主張した先住民部族の指導者や擁護者らの勝利とみなされている。
1978 年の法律の背景
議会は広範な公聴会を経て、官民機関が数十万人のアメリカ・インディアンの子供たちを、時には強制的に自宅から連れ去ったことを明らかにした。 これらの機関はその後、子供たちを施設や部族とのつながりのない家族に預けた。
部族はこれらの行為を自らの存在そのものに対する脅威とみなし、議会も同意した。 これに応じて議会は、頭字語「ICWA」として知られる1978年のインド児童福祉法を可決した。
ICWAは、先住民族の子供たちを家族から引き離すための最低連邦基準を定め、アメリカインディアンの子供たちが居留地外の家から連れ去られた場合には、部族に通知するよう州裁判所に義務付けた。 この事件で問題となっている里親・養子縁組の枠組みも導入した。 この枠組みでは、まず子供の大家族の一員を優先し、次に部族の他のメンバーを優先し、どちらも利用できない場合は別の部族の家族の家を優先することが求められている。
しかし、法廷での訴訟では、テキサス州とアメリカ・インディアンの子供たちを養子にしている数家族がこの法律に異議を唱えた。 彼らは、これは憲法違反の人種的優遇に相当し、連邦法は州の自治に許しがたい侵害であると主張した。
バイデン政権は両政党の過去の政権と同様に法律を擁護した。 政府は、共和国の初期に遡る一連の先例を引用し、ICWAは人種ではなく部族集団とのつながりに基づいて分類を行っていると述べた。 そして憲法の下では、これらの部族集団は独立した主権国家であり、本質的には政治集団である。
しかし、訴訟の中心人物となった家族の弁護士は、この法律は「子どもたち自身の最善の利益を個別に評価する機会を奪っている」と主張した。 部族は子供の最善の利益を言う それは 検討されています。
木曜日、裁判所は部族側と次の合意をした。 法律をそのままにしておくこと。
https://techwire24.com/最高裁判所はインドの児童福祉法をそのまま放置/34290/

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